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破滅エンドが確定しました。悪役令嬢ですが知ったこっちゃない、逃げる。  作者: 西園寺百合子


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17/50

17 運動をさせるのは大変で、口実。

悪役令嬢 ヴェロニカ・ルージュリス 炎魔法

皇太子  アルト・アズリオン    水魔法

皇太子弟 シエル・アズリオン    風魔法

婚約者  リリアーヌ・マーロウ   雷魔法

ヒロイン ミレイア・ノクス     光魔法

先生   カサンドラ

なんとなく、図書室に行きにくくなって、あと数ページ分を達成していない。


そんなとき、カサンドラ先生から「相談があるんですけど」と言われた。

同志から相談されたら、乗らないわけにはいかない。

「リリアーヌさん、最近、太ってきていますよね」

カサンドラ先生が、オブラートに包むことなく直球で相談してきた。


リリアーヌ嬢は、お菓子が好きだ。

勉強中も、ことあるごとに食べている。

あれで太らないほうがおかしいだろう。

「…そうですね。勉強はずいぶん、頑張られるようになりましたが。運動もお嫌いですものね…」


リリアーヌ嬢は、頑張ること全般が嫌いなのだろう。

「はい…ですが、このままでは巨漢の王妃が誕生してしまいます。民に慕われるべき王妃が、巨漢では…」

カサンドラ先生が泣いている。

少しふっくらしているくらいならいいけど、あまりにも大きいと贅沢をしていると民から反感を買う恐れもある。

カサンドラ先生が心配する気持ちもわからなくはない。


とはいえ、運動はシエル殿下と繋がらない……いや。

「繋がる!」

そう叫ぶと、カサンドラ先生が驚いた顔で私を見た。

「カサンドラ先生、シエル殿下ですわ!シエル殿下に協力をお願いいたしましょう」

そう伝えると、カサンドラ先生は困った顔をした。


「さすがに、シエル殿下に運動をしてもらうのは…」

「いいえ、そうではありません」

カサンドラ先生は、シエル殿下にリリアーヌ嬢と一緒に運動をしてほしいとお願いすると思ったのだろう。

でも、それは無理だということはわかっている。


「シエル殿下に、リリアーヌ嬢をお茶にお誘いいただくようにお願いしていただけませんか?」

カサンドラ先生にそうお願いをして、理由を説明した。

つまり、こういうことだ。


リリアーヌ嬢はシエル殿下が大好き。

大好きな男性の前で、女性は綺麗でいたいと思うもの。

シエル殿下からお茶に誘われたら、きっとリリアーヌ様はおしゃれをして参加されるだろう。

「そこで『痩せていたほうがシエル殿下も可愛いと思ってくださるでしょうね』と囁けばいいのですわ」

私が自信満々にそう言うと、カサンドラ先生が少し考えている。


「いい考えだとは思いますが、そうであればヴェロニカさんも参加すると言ったほうがリリアーヌさんはやる気を出すと思います」

そう言われて、なるほどと思った。

「ただ…私ではシエル殿下にそれをお願いするのは難しいです」

カサンドラ先生はそう言って、申し訳なさそうな顔をした。

先生は王妃教育を任されているけれど、シエル殿下と気軽に話せるような階級ではない。

仕方がないか…


ソワソワする。

シエル殿下に頼んでいただけそうな人を、私は1人、知っている。

たぶん図書室に行けば、その人に会える。

ソワソワした。

会う口実を作ろうとしている気もする。

でも…これは、最終的にはリリアーヌ嬢のためになるのだし。


そう思って、図書室へと向かった。

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