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第86話 出航前に・・・

船の船長を交えて今回の討伐について打ち合わせをするため、港に新しく作った船を管理するための施設に入る。


未成年の私なのになぜか討伐団の団長になった。


グレン会長とベルクさんの両方を知っているのは私だし、未成年でも領主として采配をしているから、位的にも一番上になるらしい。


戦闘になればグレン会長やベルクさんたちに、判断をゆだねられるから引き受けた。



最初に私から島を偵察した時の状況と、海に潜ってしばらく活動できる魔道具を海賊たちが保有していること、島に近づくにつれ警戒が必要と説明する。


「ダニエル様は海の中で彼らと遭遇しても大丈夫なのですか?」


グレン会長から確認される。



「はい、別の場所で遭遇した時も撃退しました。今回遭遇した時はクラーケンが襲っていたので離れましたが……」


「実はナビア王国の海軍からクラーケンが出没しているため、気を付けるようにと忠告があり、相談したかったのです」


「大丈夫です。遭遇したら私が退治します」



「ダニエル様、クラーケンの退治は命がけなんですよ」


私とグレン会長の話にベルクさんも入ってきたが、何言っているんだと私に疑いの目を向けているというか呆れているようにも聞こえた。



「私は一度この領地で、クラーケンを一人で退治しています。お疑いなら冒険者ギルドや商業ギルドに確認いただいていいですよ」


グレン会長やベルクさんたち側のメンバーが驚いている。


ついでにフェリクスたちもだった。



「あれ、フェリクス知らなかった?」


「存じませんでした」


私がこの子爵領に来て早々の話だったからね。



みんながリカード隊長を見たため、リカード隊長が話し出す。


「私もその現場にはいませんでした。しかしこの地の領民はクラーケンに困っていた時に1人で退治してしまったダニエル様が領主になることを大歓迎しています」



私はリカード隊長の絶賛ぶりが落ち着かないため、慌てて話し出す。


「私はスキルのおかげで、海中では今まで負けなしなのですが、陸上では足を引っ張る存在です。地上戦になれば私の部隊はリカード隊長と私の隣にいるセドリック・チャンドラーが指揮を執ります」


方向性は決まったので解散して、明日出航することになった。






グレン会長から、私―フェリクス・サザーランドとベルクさんは誘われ、グレン会長の船の1室に入る。


グレン会長からワインをすすめられ、注いでくれたグラスをかかげ、グレン会長の音頭で明日からの海賊討伐が上手くいくように祈り乾杯する。



「ナビア王国のワインも良い味ですな」


ベルクさんは遠慮もなくグイッと飲み話を続ける。


「グレン会長の船もフェリクス殿の船も、どちらも新しい船で羨ましい限りだ」


「私の船もダニエル様から購入した船ですよ」



グレン会長がベルクさんのグラスに追加のワインを注いだ。


ベルクさんは私を見るのでうなずいた。


「優秀な船大工がいるので助かっています」


それからもお互いの情報交換をしたところで、グレン会長が話を変える。



「ところでダニエル様はすごいスキルの持ち主ですね」


グレン会長はダニエル様のスキルが気になったようだった。


ダニエル様は貴族でははずれスキルといわれていたのを完全に覆したからな。



「ダニエル様は王国への貢献度で、成人後は子爵ではなく伯爵になられると聞いていたが、まさかクラーケンまで倒していたとは!」


ベルクさんが首を左右に振った。


私の出身国であるラクトゥーワ王国の王子を助けてくださっているし、ナビア王国の王家にも感謝されることをされたと聞いている。



「だが陸上部隊の指揮にフェリクス殿が入っていないのはなぜだ?」


ベルクさんが聞いてきた。


おそらくグレン会長も知りたいのだろう。


なぜダニエル様と同じ年のセドリック様が指揮をするかがね。



「私は皆さんが上陸された後、ダニエル様の護衛兼船の管理に当たります。セドリック様はこの領内では一番の腕前です。私たちでは歯が立ちません。それに実績もおありです」


セドリック様がダニエル様のご親友だからかと、懸念されていたのかもしれない。



セドリック様のスキルは剣術。


しかも実家も代々騎士の家で幼い頃から鍛えていること、ダニエル様と一緒にこの領地に来たため、色々と武勲を立てられていることを話した。


「貴族でスキルが剣術なら、王家の護衛―近衛騎士になるし、騎士爵も授与されますよね?」


グレン会長がセドリック様がそれを蹴ってダニエル様の側にいるのかと、口にはしないが真剣な顔で私を見た。



「セドリック様はすでに騎士爵をお持ちですよ」


私が苦笑しながら説明すると、2人とも驚きの表情を見せる。


「ダニエル様と一緒に行動しているのだ。海の中からの攻撃はダニエル様が、船上や陸ではセドリック様ということか!」


ベルクさんは不安が解消したのかほっとしたような声だった。



「適材適所ということですね。アレクシオ王国はいくら優秀とはいえ未成年者2人をトップに据えるのかと思いましたが、海賊討伐で最強の2人だということがわかりました」


2人とも納得したようなので、明日からの航海の連携も上手くいきそうでよかった。



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