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第84話 一時的に・・・・

『ダニエル、壊れた魔道具はここで処分したい』


亀様が珍しくお願いをしてきた。


「構いませんが、元を潰さないと魔道具は無くなりませんし、進化し続けます」


『わかっている。でも頼む』


亀様の強いこだわりに、私は頷くしかなかった。



亀様の前の地面に壊れた魔道具をすべて置くと、亀様はそれらに触れてもいないのに、粉々にして風で飛ばしていた。


亀様も私から我が国の王家に魔道具について報告だけしたとしても、敵はこれから何度も試しにここへやってくることはわかっているだろう。


しかしこの場所にくるまでに、何度失敗をしているか不明だが、敵はゴーレムを引き連れて戦争を始める準備もしていそうだ。



私が亀様に話すと、ゴーレムは魔素を吸収して動いているから、魔素が吸収できない場所だと長く行動はできないと教えてくれた。


「亀様、もしかしてゴーレム山って魔鉱石の宝庫ですか?」


『そうだ』


私でも気づくのだ。もうこの魔道具を作った国は気づいて魔鉱石を掘り出している可能性がある。


でも他国が相手だから私の手には負えないよ。




『今やれることはもうないだろう。戻ろうかの』


亀様の提案に私は頷き、グリフォンに乗ってグリフォンの住まう山の麓に降ろしてもらった。


グリフォンに礼を言って別れようとしたら、山から十数匹が降りてきた。


半分以上は子供だったが・・・・。



亀様の話だとまた襲ってくる可能性が高いため、子供と身籠っているグリフォンを一時的に預かってほしいとのことだった。


それぞれの番のグリフォンたちも同行するらしい。



「人間に襲われたのに、我々を信用してくれるの?」


大人のグリフォンが全員うなずいた。


亀様がいるのが大きいとは思うが、操られたから不安もあるからだろうな。



「ダル、島での生活がグリフォンに合わなければ、彼らはここに戻ると思う。一時的な話だし、来てもらってもいいのでは?」


セドはグリフォンが同行することに賛成というか、熱心にすすめてくる。


亀様もグリフォンとの通訳を務めてくれるというため、グリフォンが一時的に島に滞在することになった。



グリフォンが世話になるからと、船近くまで我々を背中に乗せて移動してくれたため、予定よりも早く戻れた。


子供でも大人の人間を背中に乗せても大丈夫なのには驚いたが・・・・。


船の近くでグリフォンから降りたのは、フェリクスたちが間違えて攻撃したらいけないためだ。



私たちは急いで船に乗り込みフェリクスたちに説明をするが、彼らは信じられないような顔をする。


しかしグリフォンの一部が船の上空に飛び出したので真実だとわかったようだ。




船は死の森から徐々に離れて行く。


2隻に分かれて乗ってもらったグリフォンたちだが、好きに過ごしていいと言っていた。


妊娠中のグリフォンは、甲板に寝そべってくつろいでいた。


子供たちは初めての海らしく、上空を飛んでいることが多く、疲れたら甲板で寝るか、帆の先端付近にとまっている。


番のグリフォンは、順番でフェリクスたち船員を背中に乗せて空を飛んでくれていた。



その様子を私は見上げていたら、亀様が宙に浮いた状態で私の隣にやってくる。


『さっきは我儘を聞いてくれたこと感謝する』


亀様が気にしているようなので、私は大丈夫だと伝える。



『あの魔道具に我も関与していると言っていい』


「亀様、無理して話さなくてもいいですよ」


『いや、聞いてほしい』



死の森に近いところに住む村にしばらく滞在していた時のこと。


この村は薬師が多く住んでいて、薬草栽培が盛んだったそうだ。


死の森に近い場所だと薬草の生育がよく、また森の浅いところにも薬草が豊富らしい。



しかし森で魔獣に襲われたり、村まで魔獣が来る危険な村でもあった。


それでも村民が他所へ行かなかったのは、村の薬草で作る薬の効能が段違いに良く、高値で売れるため、国の高い税金が払えるためだったらしい。


払えないと徴兵されるため、徴兵が嫌な者たちが流れて作った村だった。



その村で仕事の傍ら、魔獣が村まで来ないように魔獣が嫌う匂いがないか研究していた人がいて、ある時完成させた。


ただ広範囲に効かなかったため、亀様がアドバイスをしたそうだ。



『そやつとは話があってな、仲が良かったのだ』


その人は村を守ろうと、森に薬草を取りに行く人が無事に帰ってほしいから、一生懸命開発したのだろうと思う。


そうでなければ亀様がアドバイスするなんてしないだろう。



『数年後、その村へ立ち寄ると魔道具開発者は亡くなっていた』


なんでも税の徴収に来た役人に魔道具を見つけられて、全部持っていかれ、さらに国で研究するから王都に連れて行かれそうになって自害したらしい。



『自分は戦争に使われる魔道具は作らないと、残した手紙に書かれていたそうだ』


「もしかして研究とは、魔獣を従えることができる薬を作ることだったのですか?」


『そうだ』



今回壊した魔道具は2種類あり、一つが魔獣が嫌う匂いがする魔道具だったとか。


亀様は関与していると言っていたが、国が勝手に使っているだけで、亀様が手を貸したとはいえないと思うけれどな。


何か言わなければと思ったが、どういったらいいのかわからなかった。



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