幼少期
いつも家の中にはアシスタントさんや編集者が居て、家の中は賑やかだった。母は机にへばり付いてるが、アシスタントさんがご飯作ったりしてた。
そばで料理や掃除は見たり習ったりして、ついでに遊園地で遊んでくれたり勉強まで見て貰った。
母は完璧主義なのでアシスタントにも厳しくて、結構人の入れ替わりが激しかった。泣いて郷里に帰る人も居た。
母は、まるで昂輝から目を背けるかのように仕事に打ち込んでた。それとなく耳に入ってきた話は、今はもう偉い編集責任者だが、母の担当時代、母も年頃の女性なので彼に恋をしてしまったらしい。
しかし、すでに結婚していた。だが、仕事で手柄が欲しい彼は作家のやる気を引き出す為に使ってはいけない手を使った。
母は、優等生だ。作家として認められ、赤ちゃんも出来れば、自分のものになると勘違いしたのだ。
編集者にとって、作家は給料の元を稼ぐ生きた商品なのだ。はっきり言って、財布ひらいて飲みに行く店のキャバ嬢よりも女として魅力はないのだ。
昂輝を産んで作品もアニメ化したが、担当は編集長となり出版社の偉いさんに出世しただけだった。
実家からも縁を切られた母は、より一層仕事にまい進した。昂輝の存在を出来るだけ見なくて良いように、机にかじりついて働いた。
だが、そんな母もだんだん息切れしてきた。
頭の力がどんどん落ちてくる。読み手は作家のクセに慣れていく。
女として認められず、作家としても力が落ちてきた母はだんだんおかしくなっていった。
ある日、とうとう首を吊ってしまった。
昂輝は何となく父親らしき人物を知ってる。
が、彼はあくまで会社の人間としてしか昂輝に接して来なかった。
あくまで昂輝は、作家の能力を引き出す副産物でしかなかったのだ。唯一の肉親霧子を探して連絡したのも彼の差し金だ。編集者は、頭が良いのだ。
作家は才能と引き換えにビジネス的な事は弱かったりする。ディズニー兄弟は、クリエイターの弟と銀行家の兄が組んだから成功したのだ。
作家に不利な契約を結ばせて金をむしり取り権利をむしり取る。
テルマエのマリさんは、映画が当たった時にS社から100万しか分け前はなかったそうだ。
どんなに興行成績上がっても作家には100万以上は何も渡さなかったそうだ。
クリエイターが、頭が悪いのが悪いのだ。
昂輝の母も作家としてすり減るまで描き続け、最後は首をつるしかなかった。
作家以外、何も残っていなかったのだ。
ドラ◯モンの先生は、編集者が大嫌いだった。
でも昂輝には優しく微笑んでくれた。
パーティーで昂輝に会うと優しく頭を撫でてくれた。
先生は、周りを囲む編集者にロクに口も聞かないですぐに家に帰ってしまった。
彼らの本質が見えていたのだろう。
そして、未来に何が起こるかも…見えていたと思う。
世の中は弱肉強食です。負ける奴がダメなんです。
出版社は弁護士会計士軍団持ってます。作家から金をむしり取るのなんか、お茶の子さいさいなんです。
先生が、なんで編集者をあんなに嫌うのか不思議でした。でも先生には分かってたんですね、きっと。




