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探偵少年  作者: たま


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6/32

推し

「今日も良いの?男と約束してないの?」また桜子がフードコートに仕事終わり付き合ってくれた。

「いやいや、私でも萎えますよ。変な女と付き合ってる男も気をつけないといけないって!

今まで、マトモな人ばかりで運が良かっただけだって〜」珍しく桜子が殊勝(しゅしょう)だ。

「爽やかイケメンマッチョ君だと思ったら、仲良くしたら女に洗剤飲まされるとか怖すぎ!」窃盗の罪なすりつけられたのより、飲み物に洗剤入れられた元カノの話が怖かったようだ。

「う〜ん、色恋からむと人間変わる人いるからね〜

分からないよね〜

人生棒に振る出会いもあるし気をつけないと。」と霧子が言うと、

「今夜は先輩が先輩らしく見えますよ〜どうしたの?」と桜子が驚いてる。

「それより結局、小久保さん帰って来なかったね。部長も急に本部に呼ばれて東京行っちゃったし。

どうしたんだろね?」と霧子が聞く。

「さあ〜?良く考えたら平日なのに本部の伊鹿倉(いがくら)さんが来るのも変ですもんね。」と桜子も首をひねる。

「なんか大変だね~」モールの警備のおじいちゃんがニコニコと会釈する。「そうですよ!カバン盗んだとか因縁つけられるし〜と思ったら死んじゃうし〜」桜子がグチをたれる。

遠くで巡回の警官もいつもより人数多い。

「こんな田舎でこんな事件珍しいもんね〜あ〜やだやだ。新規開拓はしばらくヤメて、古い人当たろうっと。」と言いながら一斉にインスタで送ったようだ。

「フフッ、早い早い。返信来ましたよ〜寝かしておくもんですね。お金に余裕できたみたい。じゃ、行ってきま〜す。」と桜子は席を立って会いに行ったようだ。

マッカランを飲みに行くのだろう。

霧子は、また山ほど頼んだポテトやバーガーに餃子もムシャムシャ食べる。

家に帰っても昂輝も、美味しいご飯も無い。

だんだん、ジャンクフードも飽きてきた。

隣の席で席取りしてたファミリーが、後から来たファミリーともめだした。

夕食の時間だし、かなり混んでる。席取りに使ってたカバンを避けられたとか何とか…

「警備員さん、居ないかなあ〜」と探したが見当たらない。「まあ、こんな、広い所1人で見てるんだものね。なかなか会えないか!」と諦めた。

「良かったら使ってください。」と霧子が席を立った。

小さな子供にお礼を言われて胸がキュとする。

「昂輝があんな年頃の時に関わりたかったなあ〜

まあ、両親の葬儀も来なかったし住んでる場所も知らなかったんだけどね。」とため息をつく。

桜子が子供だけ作れとか無責任に言ってたが…そんな相手もいない。

「彼氏かあ〜はあ〜気が重いなあ〜今さら」と思ってしまう。

だいたい欲しいと思わないのだ。 

自分のお世話もできない半端者なのだ。小さい時から何でもできる姉と比べられてプライドなんて生まれ持って皆無だ。

母も姉も料理上手で家事も完璧タイプだった。

霧子と父はふんぞり返ってテレビ見てゲームしてるだけで良かった。ヘタに手伝うと叱られるし。

霧子は姉が漫画家なって家を出ていった後もずっーーーと実家に寄生してたのに急に両親相次いで亡くなってしまった。姉に連絡しょうにも私生児産んで両親に絶縁されてから音沙汰なかったのだ。

仕事だけは、父からリーマンの心得を伝授されてたので辞めたいと思うことも無かった。

だいたい口が卑しいのでお金が無いとか無理だ。

結婚する時間あったらゲームしたい!新しいソフト買いたい!お菓子食べたい!タイプだが、昂輝と暮らして子供の可愛さに目覚めてしまった。

自分以外の人を心配するのは、切なくてドキドキする。もどかしさと愛おしさで…これが推しというものか?と悟った。そう、子育ては推し活なのだ。

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