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探偵少年  作者: たま


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5/32

たらし

「なんか大変そうだな。話聞くよ〜」刑事達が帰った後、小久保が話し掛けてきた。

「ああ〜アンタは良いよ。アンタの『話聞くよ〜』ほど怖いもんは無いから。」桜子がいなす。

曲者女は、曲者男を熟知してる。

「それより、本部の伊鹿倉(いがくら)さん?あれ、結婚して名前変わったのか?

ロビーに来てるよ。」霧子が覗くとセキュリティモニターにインターホンを押してる人物が映る。

ココは機密が多いので社内の人間でも虹彩認証受けてない人間は基本入れないのだ。

刑事達は特別だ。彼らの持ってるmpdカードは、どんな施設のどんな機密室にも入れる。銀行の金庫室も出入り自由なのだ。

「ああ〜、面倒だなあ〜ちょっと席外します〜部長」と言いながら小久保が部屋を出ていく。

伊鹿倉さんは小久保の同期で1番優秀だった女性だ。

今も経理部は解散したが、AI経理の監督官を彼女が一手に請け負っている。

「結婚前は手が出せなかったけど、結婚したらユルユルだよ〜」と小久保が酒の席でほくそ笑んでたのを覚えてる。

結婚して、特に今は在宅仕事なので朝から晩まで一緒だとストレスが相当掛かるらしい。

共同生活と言っても、日本はほとんどの家庭の仕事は女性の肩に掛かる。

おかげで精神的肉体的なストレスが、どんだけ優秀な女性の牙城(がじょう)も崩れやすくするらしい。

小久保は、同期の高嶺の花子さんだった伊鹿倉(いがくら)さんを籠絡(ろうらく)したらしい。

しばらくと言ったが、どうせこのまま2時間は帰って来ないだろう。

「あんな男に引っ掛かる女が居るとはね〜私はそっちが信じられないわ!アレは正真正銘のクズだよ?」とラブハンター桜子が言う。

どっちも口先と身体で相手の金をむしり取るのは同じなのだが…

まあ、桜子は既婚者は相手しないだけ良心的か?

既婚男性は厚かましいクセに金の支払いがセコいから相手しないそうだ。

家計を女性が握ってるからだろう。

「ううっ、本当にウチの部署は…」と部長が泣く。

「私が居ますよ〜倉庫の良心!」霧子のデスクの上はお菓子のゴミだらけだが。おかげでデスク周りにゴキブリホイホイとコバエ除けを霧子の場所だけ設置してる。

引き出しからたまにアリの行列が出てくる。

「君はまず衛生観念からおかしいんだよ!」部長がもっと泣く。

昂輝が完璧なハウスキーパーになったのは、霧子の食い意地と欠如した衛生観念の賜物なのだ。

すでに家の中はコバエが飛び出してる。夏合宿中の昂輝は内心穏やかでは無いだろう。


「なんで川沿いに警察がイエローテープ貼ってるんだ?」ランニング中の昂輝が仲間の稲荷(いなり)に聞く。

「お前、本当にそういうの疎いな。あのフードコートのウソつきおばさん?警察に連れ出された女が中洲で裸で死んでたんだよ。」一緒に合宿中なのに稲荷(いなり)は情報通だ。

「男とケンカしてたろ?イケメンの宅配兄ちゃんと。

アイツが犯人らしいぞ。痴情(ちじょう)のもつれってヤツだな。」と早稲戸(わせべ)まで知ってた。携帯は自由なので皆知ってるのだ。

「確かにあの女、強烈だったもんなぁ〜俺メンヘラ好きとか言う男、分かんねえ〜わ。

あ〜でも、おふくろもそうか。

女は、ブスでもデブでも良いからメンタル安定してるのが1番だわ!」走りながら昂輝がつぶやく。仲間の稲荷と早稲戸がクスクス笑う。



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