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探偵少年コウキ  作者: たま


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セカンド

「おかしいな〜今時の訓練ではやらないのかな?」おじいさんが辺りの草の倒れ方を見て、まだこちらのアジトには人が侵入してない事に反対に心配してる。

「昔の野営訓練では追跡者が必ず追い掛けてきた。なのでアジトは最低2カ所作り1つが見つかっても逃げれるようにしていたのだ。」 出入り口の目隠しヤブもイジられた形跡は無い。

「ちょっと川からは遠くなるけどね。お姉さんは、まだ犬のエサにはしないよ。大丈夫。」と車から台車で降ろされてアジトに運び込まれた。 

そう言うが、すでに周りのヤブがガサガサしておじいさんの帰宅に合わせて野犬が集まり始めてる!

車にもすぐヤブの目隠しがされた。

奥からアルミのスパイス缶を持ってくる。

「太郎達が好きな鹿やイノシシの(ひづめ)ガムの粉末だよ。

これを掛けた人間しか食わないから。安心してね。」と淡々と話す。

目玉だけは何とか動かせる。

「女の時はスタンガン無かったから川へ逃げられたけど、男の時はクマ用スタンガン使ったから、太郎達が内臓食い切るまで大丈夫だった。

あ〜、こっちのアジトはその時使ってなかったから血の匂いとかしなかったのかもしれないな!」おじいさんはあくまで淡々と話す。

人って、こんな普通におかしくなるものなのか?

いや、おじいさんにとっては大した事じゃないのか?

推しの桜子に害なす虫を駆除したくらいの気持ちなのか?

「はあ、あの少年のためにアンタ死んだら桜ちゃん泣くだろうなあ〜フードコートで笑顔も見れなくなる…」おじいさんはしょんぼりしながら、どんどん集まる犬にミイラ化した鹿の足投げてあげると飼われてる犬みたいに喜んで皆かじり出す。

『じゃあ、拉致って殺さなきゃ良いのに〜!』と言いたいがなんせ朦朧として口の呂律(ろれつ)もままならない。

「いやいや、あの少年はいかん!あの子が生きてたら絶対捕まる!桜ちゃんを遠くから見ることすら叶わなくなる!」おじいさんは自分に言い聞かせている。

おじいさんのセカンド?別荘みたいに洞穴は、昔の防空壕の後みたいで入り口は狭いが、中はドーム型に広がっている。奥にずっと奥に穴があるのか?風が通っている。部屋の中央には石で囲まれた炭が積上げられた囲炉裏のようなものがあり、ちゃんと天井から吊り下げた鍋が掛かっている。結構住み心地良さそうだ。

てもドーベルマンの雑種が、おじいさん越しに霧子の方をジッと見ている…きっと、あの子にはチャーシューの塊に見えているんだろなあ〜と思う。

部屋の中はランプでかなり明るいがドーム状なので外に明かりはもれにくい。目が慣れてくると意外に山は暗くないと驚く。

空が明るいのだ。街の明かりがないと星空は濃水色で決して黒くない。森の方がずっと黒い。星空と月でかなり明るいのだ。

こんな時なのに、街の明かりが届かない星空の美しさに見とれる。昼間の空と大差なく見えてきて、自分の頭がおかしいのかな?と思うほどだ。犬達も良く見えてきた。

皆、雑種になっていてコリーやらボクサーやらドーベルマン、ゴールデンレトリバーなどの特徴がちょっとずつ見受けられる。

結構こうなると死ぬことより、昂輝が来ない事を願ってる自分がいる。でも自分が死んだら…大学大丈夫だろうか?

いや、きっとあの子ならくぐり抜けていける!

それより、ココに近づかないで欲しい!

絶対来るんじゃない!

「コッチです!風下になる位置で広葉樹が多い雑木林にセカンドあるはずです!」と遠くから昂輝の声がする!

『ああ〜バカ!なんで来るの?見つけるの!』霧子は絶望する。

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