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探偵少年  作者: たま


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27/32

失敗

「君は先走るだろうと踏んでたよ。おばさんは君をおびき出すために連れて行かれたんだよ。

せっかく隠密で動いてたのに、もう隠れられない!」猫又さん?が眉間にシワを寄せる。

「すいません。霧子の事忘れてた。」昂輝が顔をおおう。

「その様子だとこっちの動きも分かってたんだろ?

君のおかげで犯人が絞り込めた。感謝してるが、霧子さんがそばに居るんだから、もうちょっと警戒してくれ!あっちも元自衛官だ。山や森に入られたら、あっちの方が上手だ。」猫又と名乗っていた宅配のお兄さんは警官だったようだ。

「もう身元も分かってるんですね?良かった!

あの人も偽名使って他人に成りすましてるかもしれないので、指紋を控えてきたけど。」ガードの入ったカバンを押さえて、昂輝が猫又さんの横顔をジッと見る。

「イケメン宅配お兄さんなら、ウチの会社は化けれる奴多いからね。元の本人と接触あるのはほぼ桜子さんだけだからね。口裏合わせて貰ったよ。」猫又と名乗ってた刑事がニヤリとする。

「でも長距離トラックの運転手だったのは、本当だよ。マンガだとそういうの描かれないが、元コックや美容師も居るよ、うちは。」とさすがの運転慣れしたドライブテクニックで追い越していく。

「あのおじいさんは何者なんですか?自衛官だったんですか?」昂輝が聞く。

「昔々ね、奥さんガンで亡くしてからは賃貸借りれなくて山暮らししてたみたいだよ。自衛官だと野営訓練受けてるから慣れてる。彼のアジト探すのも大変で自衛隊の協力を借りてたんだ。やっと見つかった。

でも、野犬達を捕まえられてないんだ。こっちの気配が分かるから潜んでるみたいだな。」車は川沿いをどんどん山の中へ入っていく。


霧子を乗せた車も川沿いの道をどんどん山の中へ入っていく。真っ暗のほぼほぼ獣道のような曲がりくねった坂道を登っていく。おじいさんは慣れているのかスイスイだ。

「年金受給日で山を降りて居酒屋で桜ちゃんに声掛けられたんだ。人懐っこくて、まるで長年の知り合いみたいに自然と隣座って飲み出して驚いた。

話も楽しくて久々人と話して笑わせて貰ったよ。まるで亡くなった妻が戻ってきたみたいに…いや、きっと娘が生まれてたらこんな風に飲めたのかなって。 

死産でね。

あれから何度か居酒屋うろついたけど桜ちゃんには会えなくてね〜警備員の制服手に入ったからショピングセンターの中を探してたら会えた!

アンタがフードコート好きだから、桜ちゃんが水曜日と金曜日は顔出すの分かってから楽しくてね〜

まあ、あっちは全く覚えてなかったが。」と楽しそうに桜ちゃんの話をしてる。

『そうか!水曜日と金曜日は会社がノー残業デーで追い出されるから、デートまでの時間潰しに桜が横居るから!』霧子は納得した。無意識だったがリーマンは生活がルーチン化する。

「あの子が楽しそうにアンタと話してる姿見るだけで幸せだったんだ。アンタが桜ちゃんって名前も教えてくれたし。」他の人は桜子さんと呼ぶので桜ちゃんと呼んでるのは霧子だけだ。だからおじいさんも桜ちゃんと呼ぶように。

「カバン取られたと女が騒いだ時も、何とか警察沙汰にならないようにと焦ったよ。警察が巡回してるからね。

そしたら、あの女 桜ちゃんをワザと陥れようとしてたと!本当に許せなかった。あの子が男なら誰にも優しいからこそ、ワシにも微笑んで楽しく話して酒が飲めたんだ。他の誰がワシと笑って飲んでくれるんだ?」おじいさんが足を踏み込んだのか車が加速する。

桜子は男と酒をこよなく愛してる。

それがおじいさんだろうと小汚いオヤジだろうと。

会話が巧みでどんな気難しい人も一瞬で笑顔にして楽しく酒を飲むのが桜子の流儀なのだ。

私がすごい口下手で愛想がないのでイジメられるのですが、そんな私とでも会話を盛上げれる人は、芸能界でも成功するレベルなんですよね。

友達は結局断ってスポーツブランドの社長秘書やってましたが。もう1人、男性で話せた人は今も芸能界居ますね〜

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