バックヤード
「またトイレ誰かトイレットペーパー詰めてね〜溢れてたから掃除したよ。」おじいさんの声がうっすら聞こえる。
「いつもすみません、ありがとね〜。おじいさん」多分清掃のおばちゃんの声がお礼を言う。
「掃除道具一式、パーキング脇で洗って少し干してくるよ。職員通路のICカード貸してもらえるかい?」「あれ?おじいさんは貰ってないのかい?」おばちゃんが聞く。
「ハハッ、警備員は、各自持たすと中の職員トイレとタバコ室にたむろするから、リーダーからトイレや、タバコの時だけ貸してもらえるんだよ。
お腹が弱いと大変だよ。」とおじいさんがカードを借りたようだ。
掃除道具の中で霧子はボーッとしてるが全く動けない。トイレの出口をストッパーの掛かった掃除道具入れで塞がれ逃げられなかった。薬を顔に吹き掛けられて目が見えなくなったら次に電気が走り全く動けなくなった。声も出せない。
「まさか勘付かれるとはね〜桜ちゃんが悲しむだろなあ〜イヤだなあ〜
でも、あの男の子は始末しないとね。お姉さんには囮になってもらうよ。太郎達もお腹空かせてるしね。」と言いながら地下駐車場に来たようだ。他の車の音がする。
「年寄りで力が無いから、この横開きの掃除道具入れは助かるよ。」と言いながらパジェロミニの後荷台に足で押し出された。全く身体が言う事聞かない。
「スプレーもスタンガンもクマ用だから、お姉さんが動くのは無理だよ。」と言いながら青シートを掛けられた。おじいさんはゴソゴソと着替えているようだ。
「山で警備員が自殺したみたいでね〜太郎たちが見つけて服は貰って遺体は新鮮だったから少し焼いたら犬達が喜んで食べたよ。
わしには酸っぱくて食べれたもんじゃなかったが、犬は気に入ったようじゃ。」車が発進する。
「おっせぇなあ〜デカいの出してんのか?」と言いながらベビーカー押してる人が子供連れてトイレからUターンしてるのが目に入った。
「あっちの反対まで結構あるのに〜ツトム我慢するのよ〜ああっ、ホントに!なんで急に清掃入るのよ!」
子供が手を引かれながら漏れる〜っと言ってる。お母さんは大変だ。
「霧子の入った後に清掃が入ったんだ…いや、夕飯時はパートのおばちゃん帰るぞ!」席を立ってトイレに走った!
トイレ清掃はだいたいパートさんで皆夕飯時には自宅に帰ってしまうので清掃入らないのだ。
「オイッ、霧子!」清掃中の立て看無視して女子トイレに入ったが誰も居ない。
「しまった!僕のせいだ!僕が犯人追い込みすぎた!」まだ若い探偵は、守りを固めないで犯人に切り込みすぎた。相手から昂輝の弱点は丸見えなのに。
バックヤード入り口は一見壁と同化して同じ色に塗られるてるが、壁にセキュリティの黒いボックスが付いてる場所だ。だいたいお客様用トイレの脇や非常階段マークの近くにある。
従業員駐車場には、ココを通ってしか一般人は入れない。エプロンをした女性がICタグを黒い箱にかざして入るのに頼んで入れてもらう。
駐車場マークを探してバックヤード内を走る。出るとそこは従業員専用駐車場でゲートを越えると一般車両と合流して外へ出れる。
掃除道具入れと中身が律儀に壁に立てかけられている。そしてICカードもストラップごとカートに巻かれてる。おじいさんらしい律儀さだ。
「手袋してなかったよな、おじいさんは。」と言いながらそれをカバンに入れる。
と猫マークの宅配車がクラクションを鳴らして昂輝の近くに止まった。
「乗れ!車はあの山へ向かってる。」猫又さんが宅配の制服で昂輝を車に乗せる。
「しっかりシートベルトしとけ!飛ばすぞ!」猫又さんが上にライトを乗せるとすごいサイレン音が周りに響いた。
宅配車は一瞬でパトカーとなる。
2年くらいお台場の巨大ショピングセンターで働いてたので〜懐かしい。バックヤードの入り口が本当に隠し扉みたいになっててタグかざすの見つけないと分からない…




