大人の探偵?
「なんであんな事したの?感じ悪いよ?」フードコートで注文したのが全部揃った頃には半分以上食べ終わってる霧子が昂輝に注意する。
「遅くない?注意するの?」昂輝が呆れる。
「フードコートは私の戦場だからね。まず何を食べるか考え抜いて各店の客の並びから季節の期間限定もちゃんと頭にプットしてからオーダーも品出しが早い店と遅い店があるから手順を決めてオーダーしつつ食べていく…
その過程が落ち着かないと話せないよ。」霧子が当然と言う顔をする。
「だよな〜家でご飯食べる時もお前話さないもんなぁ〜すげ〜真剣な顔で食べるもんな。」昂輝が半ば呆れて話す。
「私が本気出すのは食べることだけだよ〜人生でそれ以外はテキトーだよ〜」とケラケラ霧子が笑う。
デザートまで来ないと霧子が会話しないのに慣れてる昂輝がため息つく。
辺りを見回してから小声で話し出す。
「警備員は皆同じ服装してるから、個体差に目が行きにくくなるって事さ。
フードコートの警備員と駐車場辺りの警備員は明らかに年齢も容姿も違う。同じ採用試験を受けて雇うにはバラつき有りすぎる。」昂輝が話す。
「昨日帰り介護されながら歩いてたお年寄りとフードコートの警備員は同世代だよ。そして支えてた中年が、駐車場辺りの警備員と同世代だ。つまり親子ほど離れてるんだよ。」昂輝の説明にだんだん霧子も分かってきた。
「そうか!私達は、自分達より上の世代は一括りに考えてるけど親子ほど離れてるんだ、あの警備員さん達は!
だから、仕事が違うと説明されてたのか?」霧子もさっきの会話の意味が分かってきた。
「そう、同世代なら違和感を感じるのにお年寄りだからフードコート専門の警備員と言う事に違和感を感じてないんだよ、同じ服装でも。
わざわざ、僕がそこをほじくったのさ。
だから、おじいさんは採用が違うと説明しなくてはいけなくなったのさ。」昂輝がニヤニヤと話す。
「だからシルバー人材から来たと説明してたのね、おじいさん!」霧子が大きな声出すので昂輝が口に指を当てて辺りを警戒する。
「おじいさん、フラフラと歩くし身体が小さくて人に紛れるから気をつけないと!」昂輝に注意される。
「ゴメン…でも、シルバー人材センターからだと聞いたし納得じゃないの?適材適所な感じするけど?」霧子はなぜ昂輝が警戒してるのかが分からない。
「…長年社会人やってる霧子でも知らない事あるんだね。警備会社はシルバー人材センターには絶対仕事頼まないよ…」昂輝が静かに話す。
「エッ、でも業種によっては…」霧子が口を挟むが、
「いや、警備会社はセキュリティ会社なんだよ。安全を売り物にしてる会社が、体力と知力が低下してる恐れのあるシルバーセンターに仕事は頼まないし、センターも警備会社の仕事を請け負わないんだよ。」霧子は目の前に居る16歳の少年が大人の探偵のように見えて目をこする。




