助っ人
翌日2人でフードコートで悩んでると警備員のおじいさんが声を掛けてきた。
「なんか桜ちゃん、見ないね〜この頃?」おじいさんは桜子の名前を知っているようだ。
「知らないんですか?新聞やテレビで大騒ぎになってるの?」霧子が驚く。
「ほお〜っ?家が遠いんじゃよ。ギリギリ相模原市じゃないんだよね〜山梨なんじゃよ。」おじいさんが困ったように笑う。
「そんな遠くから!いつもいらっしゃるので地元の方だと思ってました!」霧子が驚く。
「今、桜子は警察署の中ですよ。トラブルあった人が2人もクマか何かに殺られて。偶然でも危ないと警察で保護されてます。知りませんか?」
霧子が聞くと申し訳無さそうにおじいさんが首を降る。
「僕ら、亡くなった2人の死因知りたくて…近くのブリーダーの所へ行きたいんですよ。ご存知ないですか?」なぜか昂輝がおじいさんに聞く。
「さあ、ブリーダー?どんな仕事か知らんが。
良かったら仕事終わりに帰る時に乗せてあげようか?
ずっと川沿いを山の方へ向かうだけだが。」と親切に言ってくれる。
「そうそう、その方向ですよ!あ〜でも、お仕事終わるの遅いんじゃないですか?今は夏休みだから11時までフードコートやってるし。
さすがにその時間までは…」と遠慮してると猪俣くんがなぜか宅配お兄さんと一緒に来た。
「変わった組み合わせね?どうしたの?」霧子が2人に声掛けする。
「部長いないじゃないですか!ご家族と夏休みの旅行行っちゃって。石和温泉?近場で交通費掛からないし会社の保養所取れたからって。」なぜか猪俣くんがしょげてる。
「桜子さんが居なくなって、改めて彼女の存在の大きさに気付きましたよ。年収や学歴なんか何も気にしない。目も前の俺だけ見てくれる…」宅配お兄さんが少し飲んでるのかウルッとしてる。
「飲み屋入ったら、コイツが1人で泣きながら飲んでて僕も貰い泣きしちゃって。桜子さんの居ない世界の寂しさを1番分かち合えるのって、コイツだなと。」何故か猪俣くんまで泣く。
「はあ〜っ、だから博愛主義者なんて!インチキ宗教みてえ〜」と昂輝が呆れる。
普通の女の子は、学歴や年収やら遠回しに聞いてくる。それはやはり、結婚相手を探してるからだ。
しかし、桜子にとってはそんなの価値がない。
顔と身体が良ければ、良いのだ。後は金払いと。
「確かにあの子が居ないと寂しいね〜」と警備員のおじいさんまでフードコートを見回してため息をつく。
「俺等今からドライブ行くんすよ。良かったら、乗ります?」猪俣くんが車のキーを見せる。
「あれ?運転できたっけ?」霧子が驚く。
「こんな田舎に飛ばされたから車ないと何もできないじゃないですか?大急ぎで取りましたよ〜免許」と笑う。
「コイツ飲んでるから運転出来ないんで、若葉マークの俺の運転ですが、良かったら?ドライブしましょう!」要はデートできなくて暇を持て余してる2人なのだ。




