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探偵少年  作者: たま


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叱責

「絶対余計な事言うと思ったんだよ。俺忙しいんだから!もう、変な話に首を突っ込むな!」と16歳の子供に叱られる霧子。

「ついステーキに釣られて…そうだよね、卑しいよね〜ゴメン」霧子は謝る。

頭の良い昂輝を大学に行かせてあげたいと貯蓄をしてるので、なかなかフードコート以外の店には行けないのだ。

「大学なら奨学金調べてるから、心配すんなよ。

それに一応認知はされてるからアイツに払わせても良いんだからな。」そう昂輝は父親が誰かを知っているのだ。ただ関わりたくないみたいだ。

「ダメだよ!そんな傷つくような事しなくて良いから!私に任せて!ねっ?」川沿いを歩きながら暗がりの中を昂輝の顔をのぞき込む。

思春期だからこそ、辛いかもしれないと思う。

霧子なんか当たり前で親に甘えて生きてしまった。昂輝の気持ちが分かるかと言われたら計り知れない。

本当の親にはなれないけど、親まがいで良いと思ってる。

「無理すんなよ。結婚したかったら結婚して良いんだぞ?俺の為に人生棒に振る必要は無いんだからな!」と昂輝が言う。

驚く。この頃、無口になってたのは、きっと霧子が人生を捨ててると…

「あの…私が彼氏作らないのは、欲しくないからだよ。桜ちゃんみたいに男性に興味ないんだよ、昂輝に会う前から。」霧子が打ち明ける。

今までそんな話をする気にもならなかったが、昂輝は思春期に入ってから気にしていたのだ。

「エッ、好きな人もいないの?結婚したいとか?」昂輝が驚く。

「?ごめん。私ちょっと欠陥あるのかも?生まれてこの方、誰も好きになった事ないの。」霧子が恥ずかしそうに言う。

「ウソ…ホントに?」昂輝が驚いて声も出ない。

だから話したくなかった。と霧子は凹む。

自分だけで精一杯なのだ。

だから、人まで手が回らない。

特に自分なんて…って卑下( ひげ)もない。

食べる事を考えてるだけで多幸感あって、今は昂輝を見てるだけで満たされるのだ。

「昂輝に会った時、初めて他人を愛おしいと思ったんだよ。真っ黒なガラス玉みたいな目で無表情で、こんな顔した子供を見たことなくて。

何とかしなきゃ!何とかって、初めて焦ったよ。

自分が他人に自分以外の人間に何かしなきゃいけないって思った事無かったから。

焦ったあ〜」と霧子が言うと昂輝の顔がクシャクシャになる。

「慌ててるのは分かったよ。そりゃ、急にガキ預けられて焦るだろうなと思ったよ…」川沿いの街灯のない土手をうつむきながら霧子より大きくなった昂輝が黙って歩く。

「俺が絶対お前を幸せにするからな!待ってろよ。誰よりも幸せなおばあちゃんにしてやるから!」鼻水をすすりながら昂輝が誓う。

「フフッ、ありがとう。でも、もう今、幸せだからなぁ〜

お姉ちゃんに感謝してるよ。昂輝に会わせてくれてありがとうって。」霧子がクスクス笑った。

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