表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネイムレスの蝶系統動物効果  作者: 水色十色
おそろしい陰謀の兆し
13/25

《☆~ 後土御門天皇の覚醒 ~》

 アデライード合衆国に「ポンチュー市場調査」という名のマーケティングリサーチ会社がある。そこが毎年実施している「アデライード合衆国の十四ある従属国のうち、あなたはどこに住みたいですか?」というアンケート調査で、今年はジパングが二位に急上昇した。去年が十三位だったから、今年の結果は、ジパング人に勇気と希望を与えてくれた。

 どうしてそんな大躍進ができたかについて、異口同音で「義政公が頓智を捨て去り、将軍職に打ち込んで下さっているお陰です」という声が上がっている。

 この朗報を耳にした後花園ごはなぞの上皇は、気分よく過ごしていたけれど、ある日、おそろしい予知夢を見てしまう。

 空から「鬼の金棒」のようなものが落ちてきて、とんでもない大爆発が起きてしまい、みやこの建造物がすべて跡形もなくなるくらいに焼けて、それでもなお、灼熱の炎だけは残っているという。しかも、難を逃れるために向かった先々で、同じような酷い事態に見舞われ、ジパングの全体が「大焦熱だいしょうねつ地獄じごく」になり果てる。

 夜中に目を醒ました後花園上皇は、それから一睡もできず、朝を迎えるや否や、アデライード合衆国の大使館に人をって、全権大使補佐の立場にあるパンナコッタ‐ポンチューを邸に呼び寄せた。全世界ユーニヴァース学者(‐スコラ)にして錬金術者アルケミストだという前途有望そうな若者である。

 後花園上皇は、見てしまった予知夢のすべてを包み隠さず打ち明けた。

 するとパンナコッタは、やや神妙そうな表情で見解を述べる。


「鬼の金棒の正体は、強化きょうか発破弾はっぱだんだと考えられます」

「それ、なんでおまっか?」

「通常の発破弾は、山から岩を切り出したり、採掘のために穴を掘ったりするのに使います。強化発破弾は戦争で使うために火薬の量を増やしたものです。ただ、それを一つ落としたくらいで、この都を焼き尽くせません」

「わてが夢で見たんは、結局なんやねん?」

「ずっと先に作られる高度な強化発破弾でしょうね。現在のところ、アデライード合衆国が持つ技術のすいを集めても、とうてい製造不能です。これから数百年、技術を磨き抜いた上で、製造が可能になると思います」

「そしたら今はまだ、あの悪夢が現実にはならへんのやな?」

「仰せの通りです。しかしながら、かくかくしかしか、まるまるうまうま」

「へえへえ」

「じぇらーとふらっぺ」

「ふんふん」

「いたちのさいごっぺ」

「ええっ!!」


 後花園上皇は、とてつもなく大きな衝撃を受けた。

 おそろしい陰謀によって、ジパングだけでなく、この世界全体が滅亡の危機にあるのだと知らされたのだから、これは無理もない。


「今のうちに対策が必要です。勇者ゆうしゃを選んで下さい」

「勇者?」

「はい。この国で最も力を持つ人物が相応しいでしょう」

「今上天皇やな。わての息子ですし、話してみますわ」

「お頼みしました。またきます」


 パンナコッタは大使館に帰る。

 後花園上皇も腰を上げ、一振ひとふりの立派な刀を携えて内裏に赴いた。今上天皇つまり後土御門天皇がいる清涼殿に入り、単刀直入に話を切り出す。


「勇者になってくれ」

「え、なんでやのん??」

「実はな、かくかくしかしか、まるまるうまうま、じぇらーとふらっぺ、いたちのさいごっぺやからや」

「げえっ!!」

「勇者になってくれるやろ?」

「仕方ないなあ……」

「これをやる、伝家の宝刀や」

「おおきに。うっおー、力がみなぎるわ!」


 宝刀を手にして、後土御門天皇は覚醒状態アウェイクニングに達した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ