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107話 没収

残酷な表現があります・・・。


「ん?もう帰ってきたのか?」

「はい、ちょっとトリーネが熱あるみたいで」

「体調管理も出来んのか、迷惑かけたの」

「いえ、大丈夫です。それじゃあ部屋に連れて行きますね」

「待て」

「はい?」

「自分で歩かせい」

「いや、でも」

「そんな肩で息しとるやつに背負わせて階段なんぞ危なくて見とれんわい」

「はい・・・そうですね。トリーネ下ろすよ」

「うん」


ゆっくりと腰を下ろしトリーネが立つのとほぼ同時に俺はバランスを崩して後ろに転けた。


「ほれ、みぃ」

「は、はい・・・」

「ナギト、ありがとね」


と言い残しトリーネは余裕で階段を上っていった。


「もっと長く潜ると聞いとったから夕飯の用意は無いぞ?」

「いや、俺も疲れたんでもう寝ます」



トリーネの体重がいくら軽いといっても、人を背負ったままの移動は中々に重労働で、息は整ったのだがまだ汗も引かず寝るとは言ったが当分寝れそうな気配は無かった。


ジョーさんに渡したガーネットの原石だけど、よっぽどの金額じゃなければお祝いとしてあげてもいいよな。

金貨数十枚とかの価値だったら流石に惜しいと思うのはケチとかじゃなく仕方ない事だと思う。

逆に全然価値が無かった場合、失礼に当たるかもしれないと今の今まで気づかなかったけど大丈夫だろうか。

まぁ、でも宝石は宝石だろうからそこまで価値が無いって事もないだろう。


そんな事を考えていると汗も引いてきて、冷えたのか一気に身体が重くなってきた。

明日は筋肉痛かもしれないな。そう思いながらクリーンを掛けて布団に入った。



翌朝、トリーネの体調は戻ってなかったようなので1人でロックスのホームに来ていた。


「トリーネの具合はどうだ?」

「まだ熱が下がってないんで寝かせてます」

「そうか」

「昨日はすいませんでした」

「いや、謝るのは俺の方だろ」

「たぶん、熱があって思ってもいない事が口を衝いたんだと思います」

「思ってもいない事っつーか、言われて俺もやらかしたと思ったんだから俺が悪いんだよ」


「いつまでお前らは頭を下げ合ってんだ?済んだ事なんだからさっと水に流せや」

「そうですね。しつこく言ってすいませんでした」

「あぁ、本当に気にしないでくれ」

「悪いのはジョーなのにナギト君が謝ってて意味分からなすぎて笑えるー」

「うっせぇ、お前はすっこんでろ」

「ぷぷぷ、こわーい」

「チッ」


「昨日は昨日で打ち上げやったんだが、トリーネが治ったらやり直しだな」

「そうですね」

「あー、あとな。冒険者ギルドに出した買取が査定に時間掛かるってのを言ったらよ」

「僕、もうお金なくて・・・」

「あぁ、ダンジョンに持ち込んだ分とかで散財しましたからね」

「それでな。ナギトが拾ってた銭貨の分配だけでもしてやってくれないか?」

「あ、はい。いつしようかと思ってたぐらいなんで全然良いですよ」

「やったー」

「銭貨だぞ?そんな手放しで喜べると思ってんのか?」

「あ、そっか・・・」

「えっと、銭貨2456枚貯まってますね」

「「「え?」」」

「そんなにかよ」

「いくら貰えるの?ねぇ」

「たしかパーティメンバーの人数+1で分割して、+1の分は共用費みたいな感じでしたよね?」

「あ、あぁ」

「ナギトは計算出来ねぇか?俺らはそんなモン出来ねぇからな」

「えっと、7で割るから・・・1人350枚ですね」

「「「おぉー」」」

「銀貨3枚に銅貨5枚って考えたらそこそこですね」

「計算出来るのかよ凄ぇな」

「しかも、めちゃくちゃ早かったぞ」

「ナギト君って商人の家の子?」

「そっちですか。いや、普通の家庭でしたよ」

「でも、銭貨で渡されると面倒臭いからどっかで両替してぇな」

「んー、手持ちであるんで両替出来ますよ」

「マジか。だったら悪いが銀貨と銅貨で頼む」

「はい。皆さんも銀貨と銅貨の方がいいですよね?」

「あぁ、頼む」

「うん」


「あれ?」

「どうした?」

「いや、大丈夫です」


1人ずつ銀貨3枚と銅貨5枚を渡していく。


「ビリーさんの分はジョーさんに預けてもいいですか?」

「あぁ」

「共用費はブラッドさんに?」

「おう」


やっぱりLv.99は伊達じゃない。

アイテムボックスの所持金の欄には最初、銭貨しか無かったのに両替の話をした後には分配しやすいように繰り上がっていた。

銭貨2456枚だったのが銀貨21枚 銅貨35枚 銭貨6枚に。


「ありがとー、これで飲みに行けるー」

「今まで拾わずに捨ててたモンって考えたら良い小遣いだよな」

「そうだな。俺もこれで今晩は飲みに行くかな」

「ダメよ」

「「「「!?」」」」

「ナギト君いらっしゃい。ジョーの分はこれからは私が預かるわね」

「え?ちょ、おい・・・」

「必要な分は言えば渡すわよ」

「お、おう・・・」

「それじゃあ、今ナギト君から受け取った分預かるわね」

「マジか・・・」

「マジよ。不満?」

「いや、全く問題無ぇ」

「そう?ならいいの」



夫婦間のパワーバランスというか、マウントを取られる瞬間を目の当たりにしてしまった。

申請しないと貰えないという悲惨なお小遣い制の導入・・・。

たぶん、申請するたびに何に使うのか申告しないといけないんだろう。

今度どっかに飲みに連れていってあげよう・・・。



ジョーさん・・・(pдq`。)ワーン(pд・`q)チラ(pдq`。)シクシク

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― 新着の感想 ―
[気になる点] あのー・・・ビリーのどこに惚れたんですかね それとも結婚が決まった途端に豹変とか? ギャンブル依存症とか、普段金遣いが荒かったりするなら、 妻に管理して貰った方が断然いいけどね。ジョー…
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