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106話 ブラッドxスティーブン

「おいおい、宝石の原石じゃねぇのか?」

「はい、たぶん」

「ルビーじゃないわね。ガーネットかしら?」

「トリーネ分かるの?」

「たぶんよ、たぶん」

「これ、いくらぐらいするんだ?」

「・・・・・。俺に聞いてます?」

「あぁ」

「分からないです」

「トリーネは」

「分からないですね」

「冒険者ギルドで鑑定して貰えばいいんじゃないですか?」

「あ、そうだな。ってかナギトって鑑定持ちじゃなかったか?」

「持ってますけど、良く分からないんですよね」

「ふむ」

「まぁ、試しにやってみますけど「鑑定」あれ?」

「どうした?」

「前にやった時は読めない字だったんですけど、今はガーネットって書いてますね」

「んで、いくらだ?」

「分からないです」

「使えねぇな」

「すいません・・・・」

「ナギト、それ仕舞っちゃえば?」

「へ?何で?」

「だってそれ結婚祝いとかのつもりで出したんでしょ?」

「うん」

「それなのに使えないとか失礼すぎない?」

「あ、いや、すまん。そういうつもりじゃなかったんだ・・・」

「じゃあ、どういうつもりで言ったんですか?」

「トリーネ、その辺にしといてやってくれ。ジョーも必死なんだよ」

「うん、俺も気にしてないから」

「なによ。私が悪いみたいじゃない」

「いや、俺が全部悪いんだ。すまん」


わざわざ立ち上がって頭を下げるジョーさん。


「冗談のつもりで言ったんだが、気を悪くしたんならそれは冗談じゃないな。すまん」

「いえ、私も言い過ぎましたすみません」

「打ち上げだし、ジョーとビリーのお祝いでもあるんだからそろそろ飲もうよー」

「そうだな。ジョーはビリーの所に行ってこい。俺らは適当に始めとくからよ」

「あぁ、ナギトもトリーネもさっきはすまなかったな。ガーネットだったか?あれは少し考えさせてくれ」

「気にしないで下さい。俺も気にしてないんで」

「助かる。ありがとな」

「そう何度も謝られるのは気が重いのでこれっきりにして下さい」

「そうだな、すまん。じゃなくて、これからは気をつける」

「はい」


「トリーネありがと」

「ん?なにが?」

「いや、俺のために怒ってくれて」

「なんかカチンときたから言っちゃっただけだし、こういう所直さないとなのよね」


俺が言われて怒ったって事は「私のナギトに対して何て事言うのよー」って感じだったりして。

いや、無いな。こんな事思うたびに毎回肩透かしというか盛大にズッコケさせられてるんだから分かる。俺にだって学習能力はあるんだ。

トリーネは俺に対して恋愛感情なんて持ってない。


「お前ら2人、良い雰囲気出してるな。ジョーとビリーにでもアテられたか?はっはっは」

「いやぁ、無いですよ」

「そうか?トリーネの方は満更でもない様に見えるがな」

「へ?」


トリーネの顔を覗き込むと、ほんのりと頬を赤く染め上気した顔で俺の目を見つめてくる。

えっ!?トリーネ、そうなの?ついに俺にも春が来たの?


「いやいや、そんな。まさか、ねぇ・・・」

「はっはっは、動揺しすぎだろ。これはもしかしたらダブルでお祝いになるかもな」

「くっそー、僕だって・・・」

「スティーブン、お前はあっちこっちに行き過ぎなんだよ。1人に絞って粘った方が良いと思うぜ?」

「うるさいなー、ブラッドだって彼女居ないじゃん」

「そうだな。ジョーとビリー、それからナギトとトリーネ。ここがくっつくなら俺らでもくっついてみるか?」

「え・・・ブラッドってやっぱりそうだったんだ・・・」

「おい、待て待て冗談だよ冗談。つか、やっぱりってなんだよ」

「ぷぷぷ、ブラッドの方が動揺してるじゃん」

「あ、てめぇ」


ブラッドさんとスティーブンさんがイチャついてるのはどうでもいい。付き合うなら勝手に付き合ってくれ。

大事なのはトリーネだよ。え?どうなの?本当に?


「ナギトどうしたの?」

「えっ?」

「さっきから変な体勢だけど疲れない?」


やっべぇ、ずっとトリーネの顔を覗き込んだままだった。


「いや、まぁ、うん。大丈夫」

「そう?なら良いんだけど」

「ブラッドさんが変な事言うから動揺しちゃって」

「ブラッドさんが?」

「うん・・・あれ?聞いてなかった?」

「うん、なんかボーっとしてて聞いてなかったかも」

「そっか」


そうか、聞いてなかったのなら仕方ないか。

ん?なんで聞いてなかったのに顔が赤いんだ?


「トリーネ、大丈夫?」

「ん?大丈夫よ?でも、ちょっと疲れたかも」

「ん?ちょっとごめんね」


前髪を持ち上げトリーネのおでこに手を当てる。


「トリーネ、熱あるよね?」

「えー、普通よ?」


と、自分で自分のおでこを触ってるけど、自分じゃ分からないよね?


「ブラッドさん」

「ん?どうした?」

「ちょっとトリーネが疲れてるみたいなんで連れて帰りますね」

「そうか。打ち上げとお祝いは・・・また今度でもいいか」

「すいません。ジョーさんとビリーさんにも申し訳ないですが」

「あぁ、いいよ。俺から言っとく」

「はい、お願いします。トリーネ、立てる?」

「ん?立つの?」

「うん」


立つには立ったがフラついていて危なっかしいので。


「おぶさるから、はい」

「おいおい、そんなにか」


ブラッドさんに手伝って貰いトリーネをおんぶしてロックスのホームを後にした。



くっそー、どうせこんな事だろうと思ったよ。いや、また盛大にズッコケさせられたけどさ・・・。

まぁ、背中にトリーネが居るから転けれないけど。

くっそー、俺の純情を返せー。



ブラッドxスティーブンかスティーブンxブラッドか悩みました。

どうでもいいですね( ´ー`)


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