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108話 支援エース

「そういえば」

「ん?なんだ?」

「やっぱりテーブルと椅子が欲しいなー。と」

「あぁ、ダンジョンでか?」

「はい」

「んー、どう思う?」

「僕はあった方が楽でいいかな」

「はぁ・・・俺は・・・今は考えられねぇ・・・」

「そ、そうか・・・」

「今回は私達のせいで短期間だったけど、長期で潜るなら欲しいわね」

「「「「!?」」」」

「今のジョーだと話し合いに使えないだろうから連れてっていい?」

「お、おう・・・」


ジョーさんは連行されていった。


「ま、まぁ、あれだ・・・。ナギト、スティーブン、ビリーと3人が賛成なんだからテーブルと椅子も買い揃える方向でいくか」

「はい」

「今まではもっと大雑把な食い物ばっかだったからな」

「ダンジョンでのご飯が美味しくなったよねー」

「すのこをテーブル代わりにするのもな」

「高さが足りないよねー」

「だな。重ねると流石に不安定だったからな」

「それよりも重ねたら椅子として使えないからお尻が冷たいんだよねー」

「俺らも贅沢になったモンだ。ナギト様様だな」

「だねー」

「いや、まぁ。戦力にはなってないですからね、それぐらいは」

「ちょっと変則だが、これも支援の一種だよな」

「ナギト君以外には出来ないだろうけどねー」

「俺としては足を引っ張ってないか心配なんで、そう言って貰えると安心出来ます」

「ドロップが増える加護だけでもお釣りがくる上にアイテムボックスまであるんだからな」

「それで、支援アシとしても動けるしねー」

「そんなに言われると逆に心配になるんでやめて下さいっ」

「はっはっは」

「そんなに誉めてもオセロぐらいしか出ないですよ?」

「「あっ」」

「よし、これからも褒め称えるからオセロを出してくれ」

「出しても良いですけど、その前にテーブルと椅子を買うか注文しに行きません?」

「いや、それはまた今度で良いんじゃねぇか?」

「ダンジョンでは全然やらせて貰えなかったしー」

「よし、まずは工房に行きますか」

「おい」

「テーブルと椅子を済ませてからじゃないと出さないです」

「よし、行くぞ」

「僕も?」

「どっちでも良いんじゃねぇか?」

「じゃー待ってようかな」

「おい、ナギト早く行くぞ」

「は、はい」

「早くしろ」

「はい・・・」

「で、どこに行くんだ?」

「そこの工房に行ってみません?」

「新品を買うのか?」

「すのこを作って貰った所ですね」

「あぁ、見習いにやらせて安く済ませた所か」

「はい、なんで今回も安く済むようならと思って」

「ふむ。なら全然アリだな」



「あ、ナギトさんこんにちは」

「フィリップさんこんにちは」

「すのこはいかがでしたか?」

「いやぁ、かなり便利でしたよ」

「それは良かったです。それで今日はどういったご用件で?」

「テーブルと椅子が欲しいんですけど、もし良かったらまたラルフ君に頼めないかな?と」

「ありがとうございます」

「まぁ、値段次第ですけど」

「ラルフの練習にもなりますので中古で買うよりは安くさせて頂きます」

「だったら全然アリですね、どうしますか?ブラッドさん」

「そうだな。中古より安くても質が悪いなら話にならんが、そこはしっかりしてるんだろ?」

「はい。品質に関しては保証させて頂きます」

「なら、注文しちまっても良いんじゃねぇか?」

「あぁ、ご挨拶が遅れました。フィリップと申します」

「俺はブラッドだ」

「ブラッドさんは俺が入れて貰ったロックスのリーダーなんですよ」

「そうなんですか。ウチの工房はナギトさんに大変お世話になってますのでダンジョンではナギトさんの事を何卒よろしくお願い致します」

「おう、任せとけ。ナギトは今やウチのエースだからな」

「いやいや、支援ですから」

「支援エースだな」

「ビリーさんが怒りますよ?」

「う・・・まぁ、無くてはならない存在だからな」

「はい、ウチの工房にとってもです」

「それじゃあ、そのナギトのためにも良いテーブルと椅子を頼む。なるだけ安くな」

「はい、それでは見習いですが職人を呼んで参りますので少々お待ち下さい」

「おう」


「あ、ナギトさん。また仕事を貰えるそうで、ありがとうございます」

「ラルフ君こんにちは」

「ナギトさんお手数お掛けしますがラルフに要望をお伝え願えますか?」

「?はい」

「よろしくお願いします」


ラルフ君は紙とペンを取り出しメモを取る準備をした。


「えっと、テーブルと椅子が欲しくて」

「はい」

「ダンジョンの中で使うつもりなんだけどアイテムボックスから何回も出し入れするだろうから丈夫な方がいいかな」

「はい」

「あとはー、6人で使うから椅子は6脚」

「はい」

「要望って言っても、後はなるべく安く済ませてくれたらーって所ぐらいかな」

「はい、えっと・・・椅子の高さとかテーブルの高さはどうしましょう?」

「んー、椅子の高さは普通ぐらいで。テーブルの高さも椅子に合わせて普通ぐらいで」

「はい。あと、納期はいつぐらいまでにとかありますか?」

「次にダンジョンに潜るまでにだから、いつぐらいですかね?」

「そうだな。とりあえず未定だから2-3日で仕上げろって訳じゃねぇな」

「はい。あと予算はいくらぐらいでしょうか?」

「ラルフ。それよりも先にテーブルの形状、何脚ご希望なのか等聞きなさい」

「は、はい。失礼しました。テーブルの形状はどうしましょう?」




なるほどね。

職人って言っても作るだけじゃなくてお客さんとの対話も大事だし、お客さんがイメージしてる物を汲み取る事も大事なのか。

そして、それの練習をさせてあげてるのか。

それのおかげで安く済ませられるんだから役得。って感じかな。



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