活躍の場
活躍の場
正面から迫る二人を甲冑の隙間から眺めながら、勇司はどう自らの活躍の機会を作るべきかを考えていた。
(盾役ってイマイチ活躍出来るイメージが湧かないな。やっぱりここはいっちょ攻めてみましょか。)
自分に思いを言い聞かせ気合いを入れると、勇司は攻撃体制に入り飛んできたバタフライナイフを甲冑ではじき、目の前のスキンヘッドの大男に迫っていく。
真正面からやる気を見せ、攻撃に行く勇司の背中を見ながら久信は溜息をついていた。
(はぁ・・・。なぜこの方は盾役の時に限って攻撃へのやる気を漲らせているのでしょうか?それ以前になぜ煙草を使わず肉弾戦を挑むのでしょう?まあ、存分に囮役を果たしてください。)
自らの活躍を夢見て突っ込む勇司は、真正面から拳を振りかぶり野本とぶつかりあった。真っ直ぐ伸ばした体重の乗ったボディストレートは野本の鳩尾にまともに入るが、表情一つ変えずに身体で受け止められる。
上から振り下ろされる野本の拳を肘を曲げ硬い甲冑で受け止めるが、勢いよく振り切られ勇司は膝をつく。下がった頭目掛けて正面から放たれる膝を見て、勇司は首に力を入れ衝撃に備えると予想以上の勢いで後ろに弾かれていた。倒れた所を腹に膝をのせられ拳を振りかぶり顔面目掛け振り下ろしてくるが、勇司は首を曲げて拳を避けると地面に拳が思い切り当たるが野本は痛がる素振りさえ見せない。
「頑丈な手してます事っ!」
下から牽制代わりに野本の顔面に拳を突き出し少し上体が上がった所を、全身の力で野本の膝の下から逃れてどうにか立ち上がる。
その後方では久信が飛翔し自由自在に動くバタフライナイフを、狭いトンネル内で特殊警棒を使って弾き続けていた。徐々にナイフの数は増え今では四本を相手に狭い空間で捌き続けている。
(そこまで速度が出ていないのが救いです。それにしても間で戦っている二人がいてもナイフの動きに乱れがありませんか。それにしても間の二人が少々目障りですね。)
よく砥がれたバタフライナイフは落とされても落とされても、再び宙に浮きしつこく切りつけにくるが余裕を持って久信は対処を続けていくと、飛んでくるナイフの一本を宙で掴みお返しとばかりに投げ返す。
しかしそのナイフは杉山には届かず、勇司と戦闘中の野本によって防がれていた。
(全くもって羨ましい相棒をお持ちですね。刃の部分を掴み取りとは、いい盾役です。こちらとは大違いで羨ましい限りです。)
すると久信からの視線に気付いた勇司が、野本に左右のローキックをコンビネーションで放ち一度下がってくる。
「久信よ、何か言いたそうな顔をしてるがどうした?」
「いえいえ、単に攻撃が効いていないなと思っただけですよ。」
「・・・安心してくれ。まだ俺のローキックは五分の四程度の実力しか出してないからな。」
「程よく力の抜けたいいローキックのようですね・・・。」
冷たい視線を甲冑の背中に受ける勇司は、何かを振り払うかのように再び走り出し前に出ていくのであった。
とりあえずの投稿ですが、全くもって話が進んでないぞ。
困ったもんです。次こそ多少進んでる事を祈りましょー。




