脱獄中
脱獄中
特技特別収監施設の一番地下深くでは、邪魔者のいなくなった施設内を我が物顔で闊歩する黒い着物の女を先頭に、派手な刺繍をしたスカジャンを着る金髪の男と、スキンヘッドのアロハシャツを着た大男が付き従い、その後ろからは柄の悪い男達と瞳を赤く染めた作業員達が工具片手についてくる。
「姐さん、兄貴はここらへんですぜ。」
「ドクターがそんな事言ってたな。アニキー、アニキーッ!」
軽いトーンで話す金髪とスキンヘッドの男をよそに、全てが独房となっており檻ではなく完全に密閉されている鋼鉄の扉が並ぶ中、一つの扉の前で女は立ち止まる。
「ここだね、早く開けなっ。」
指示に従い作業員達が持ってきた道具を使い、扉を開けるというよりも解体作業に入っていく。特技を使った効率のいい作業に、感心したように女は頷いていた。
「やっぱり餅は餅屋だね。ドクターの薬も流石だよ、ここまでスターダストを弄って従順になるとはねぇ。」
すると分厚い扉が外され独房が開くと、中には簡素なベッドに腰掛ける少し長めの髪で眼まで隠れた男が座っていた。
「あんたっ、来たよ。これを。」
女から渡された瓶を受け取り、中に入っているクリームを手に広げると髪をかき上げ、後ろに撫で付ける。そこには笑ったような眼が出てきて、女と視線をあわせると黒山は微笑みを見せた。
「遠いところまでご苦労様です、紗季子お嬢さん。」
「あんた相変わらずだね、じゃあ戻るよっ。」
「少し時間を、他に連れていきたい者達がいるので。役に立つはずですよ。」
「そうなのかい?じゃあ急がなきゃね。」
独房を破壊し徐々に人数を増やしながら、大胆に進む脱獄計画は順調に進んでいくのであった。
暗く下へと伸びるエレベーターの内部を飛び降りた四人は、辰雄の脚力をもってエレベーターの箱の上に静かに着地する。侵入口を開け、エレベーターの中に三人を放り込むと辰雄も巨体を滑り込ませて侵入し四人がエレベーターの中に揃う。
「とりあえずここを開けたら容疑者がいるはずですね。美優さん、ここからはお任せしても?」
久信の問いに美優は頷くと、エレベーターの扉を見ながら目を瞑り鼻で軽く息を吸い込む。
「血の臭い。立っているのは多分全員敵、いくよ。辰雄ちゃん開けて。」
「押忍。」
特に指示らしい指示もないままあっという間に突入が決まり、勇司と久信は少しの躊躇いを見せていた。
「これはマジか?ここって最地下って事は凶悪犯の巣窟だよな?」
「諦めが肝心ですね。あの二人と行動するという事は、多分これが一番正しい解決法だと私も思います。我々二人がついていけるかは非常に疑問ですが。」
指示を受けても一切の躊躇いを見せることのない辰雄は、エレベーターの扉に再び拳をぶつけこじ開けると、四人は一気に進んでいく。そこには職員達が倒れ、銃を持ち見張りに立つ侵入者達がいるが、四人は最短距離で突っ込んでいくのであった。
とりあえず相手方の特技は思いつかないまま、さらに投稿です。なんだかんだで、やっぱり相手は彗星会。
違う相手でも良かったのですが、メルヘンチックな名前の相手にここは頑張ってもらいましょー。




