自由落下
自由落下
煙の上がる施設の送電網を見ながら、勇司と久信は特技特別収監施設の入り口に到着していた。
狭い入り口で地下に繋がる唯一のエレベーターを守る警備員が、送電網を破壊した作業服を纏った作業員達を拘束し地上は落ち着きを見せている。
しかし地上から地下へと伸びるエレベーターは完全に止まり扉すら開かない状況に、下からの指示もなく動くに動けない状況が続いていた。
「特局です。下でトラブルのようですね。」
「ええ、多分そうだとしか。連絡はつかないですが、警告灯は回っているしここからでは確かめようがなくて。」
久信の言葉に焦った様子で言葉を返す警備員を見て、周囲を見渡すが他に道はありそうにない。頑強に作られたエレベーターに近付き、久信は軽く叩いてみる。
「これを突破するのはなかなか難しいですね。収監施設ですので、そう簡単にはいきませんか。」
「だな。これを破るって俺らでは不可だぞ。だけど待つのも問題だよな。」
横に並び困ったような表情を浮かべる勇司に対し、久信は情報端末を見ていきなり叫んだ。
「皆さん、衝撃に備えてくださいっ!」
すると轟音と共に瓦礫を撒き散らしながら、屋根を突き破り人影が降ってくる。一人に見えた人影ではあるが、その肩には小さな人影がもう一人が座りまだ上からパラパラと落ちてくる塵を日傘をさして服の汚れを防ぐ。
「辰雄ちゃん、パラシュートはヒモ引かないとダメ。」
「押忍。」
辰雄の肩に乗っている美優が注意をするが、肩に乗っている乗員のせいでパラシュートが開けない事を気付く事はなく、二人は特技特別収監施設に無事到着すると、上空で昴の乗るヘリは飛び去っていく。
二人の派手な登場にも慌てる事なく、勇司と久信はその横に立った。
「ナイスなタイミングとしか言いようがないです。二人じゃにっちもさっちもいかない状況で。」
「詳しい説明は省きます。ここを開けて地下で起きている問題を解決します、力を貸していただければ。」
すると二人の説明にすぐに納得した美優は肩から降り、辰雄は身体にしっかり馴染み少し汚れた道着の紐を締め直すと態勢を少し低くし、右の拳を引くと構えを見せた。
【主砲・単装】
放たれた強烈な拳によりエレベーターの扉はひしゃげ隙間が空くと、両手を入れて強引に開く。下に伸びる太いワイヤー、広がる鋼鉄の空間を覗き勇司と久信はどうやって下に行こうか悩むが、常人の悩みは簡単に吹き飛ばされる。
肩に再び美優を乗せ二人の襟首を掴むと、辰雄は躊躇う事なく穴の中へと飛び込んで行くのであった。
とりあえずの更新です。相手方の特技が思いつかないため、出さずに更新してみました。
次こそ思いつかないとなかなかやばいぞ。
とりあえずここまで読んでいただき感謝、感謝です。




