貫通
貫通
必死にハンドルを握り車を操る勇司を横目に、久信は情報端末でリアルタイムの気象情報を調べていた。
「震度1ですか。怪しいとこではありますが、確実とも言い切れませんね。」
「どうしたどうした?震度1くらいなら気にする必要はないだろ?たしかに地震は怖いが。」
「そうではなく、相当に巨大な削岩機ですので分かりやすい反応が見られるかと思いましたが、いい性能していますね。」
「相手さんの狙い通りの性能ってわけだ。今どこ近辺にいるんだろな?」
「もしかしたらすでに施設に突入している可能性もありますね。」
「怖いねー、じゃあとりあえず急ぐしかないわけか。ダッシュだダッシュ。」
二人の乗る車は更にスピードを上げ特技特別収監施設への道を走らせていくが、すでに事は起こりドリルの先端は建物に入り込み始めていた。
特技特別収監施設に張り巡らされている警報装置は、建物に振動を感じた瞬間に警報が作動しようとするが何かの特技に阻害され、どこにも警報は届かない。虚しく施設内にだけ警報音が鳴り響き、中は慌ただしさを増していた。
ゆっくりドリルが食い込むが硬い岩盤などとは硬度の桁が違う地下の外壁は侵入を阻み続ける。しかし穴掘りに特化している特技をスターダストで強化された乗員を複数乗せる削岩機は止まることなくゆっくり進み、遂には施設内へ侵入する。先端が施設内まで届くとそこからは雪崩込むように侵入を許すが、集まった職員達は銃を持って待ち構えていた。
「外に連絡をつけられないのか?だったら連絡つけるために職員を走らせろっ!」
「外部からも非常電源もどちらも落とされ、自動的に扉が締まりました。ここから出る事ができませんっ。」
「非常電源はそれが入ってきた所だったな、狙われたか。全員っ、構えろ。」
構えた銃の先にある削岩機の扉開くと、職員達は一斉に発砲し飛び出してこようとする赤い瞳をした作業服姿の者達を撃ち倒す。
実弾ではないが一発で昏倒させる程の威力のあるゴム弾を発砲し食い止め続ける。訓練を受けている職員達は、努めて冷静に対処を続けていたが一人の女性が視界に入った途端、思わず動きが止まった。
妖艶な笑みを浮かべ、白い百合が描かれた黒い着物を着る長い髪を結わえた女性が削岩機から降りてくる。
「うちの旦那を返してもらうよ。」
艶のある声が響くと、中から人相の悪い集団が出てきて職員達に銃撃を浴びせる。反撃する職員達へと行き交う銃弾の中を着物の女性は一人歩き迫っていく。
前からも後ろからも弾を受けるが、妖艶な笑みを崩す事はなく背中に空いた銃弾の穴は血を流す事すらなく塞がっていった。
「旦那と、慰謝料貰っていくよ。」
片手に持っていた日本刀を抜き、撃ち込まれるゴム弾など気にする様子もなく前にいた職員達を斬り倒す。
抵抗らしい抵抗もできないまま、あっけなく特技特別収監施設は女性の手に落ちたのであった。
話しは進んでいますが、この女性の特技すら考えていないんだよなー。思いつかないと話が進まない、やばいぞ。
とりあえずここまで読んでいただき感謝です。




