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特技の使い方 〜吸えない煙草〜  作者: cozy
吸えない煙草 第五章 次代
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DNA操作

DNA操作


車を止めた先にあるものは古びた工場であった。明らかに工場というよりも廃墟といったほうが近いほどに破壊が進んいるが、その破壊痕はまだ新しい物に感じられた。


三人が車から降りると、ボロボロになったジーンズだけを身につけ、上半身裸の男が竜胆に走り寄ってくる。近づくにつれ、全身に及ぶ生傷が見て取れた。


「竜胆さん申し訳ない、あいつはこの中のはずだ。あとは頼む。」


悔しそうに唇を噛み傷ついた足を引きずりながら歩く男に、竜胆は勇司から車の鍵を受け取ると投げ渡した。


「その車を使って下さい、後はこちらで引き継ぎます。早く部下のところに行ってあげたほうがいいです。」


頭を下げる男を見ることなく、竜胆は工場へと歩みを進めていく。後に続く二人は待ち構えるであろう容疑者に気を張っていたが、勇司は一番重要な情報を知らない事に気付く。


「なあ久信、それで今回の容疑者の特技は何なんだ?」


「今まで知らずにここまで来たことに驚きますね。容疑者は田沼 等35歳、特技は【DNA操作】です。ちなみにこれが写真ですよ。」


手渡された情報端末を見ると、そこには白衣を着た少し頭髪が後退し、かなり細身で気の弱そうな男が写っている。


「全然凶悪そうではないな、だけど見た目で判断するのはよくないか。」


「これは一月前に撮られた物だそうです。同僚の研究所員を殺害した容疑で、警察から要請が入り特局が動いているわけです。」


「そして今に至るか。じゃあ相当にやっかいな特技ってわけだな。」


「先程の19班の班長の姿を見る限り、我々の手に余る相手でしょう。竜胆さんのサポートとして呼ばれたと思いますよ。」


二人が話している間も、竜胆はスタスタと変わらないリズムで進んでいき、扉に手を掛ける。慌てて追い付く二人は竜胆の後ろから工場内へと侵入すると、隠れることなく田沼らしき人物は何かを咀嚼していた。


「あれってさっきのと同一人物ではないよな?フサフサだしムキムキだしゴツゴツだし・・・、だけど白衣だけは着てるな。」


「瓦礫を食べていますか。あまり素敵な食生活とは言えませんね。」


変わり果てた田沼の姿を見た勇司と久信が思わず正直な感想を漏らすが、竜胆は冷静に特局のIDカードを提示しながら近付いていた。


「特局です。田沼 等で間違いないか?」


近付く竜胆に手に持っていた瓦礫を乱雑に投げつけるが、最小限の動きだけで飛んで来る複数の瓦礫を避け、何事もなかったかのように更に近付いていく。

あっさりと投げた瓦礫を避けられた事により、田沼は竜胆を脅威と判断し攻撃姿勢に入ると腕を振りかぶった。


振られた腕は勢いはあるものの、あっさりと竜胆に躱されるが次の瞬間新たな攻撃に晒され、思い切り吹き飛ばされていく。


「なんだあれ?少々気味悪いな。」


「三本目ですか、予想以上でしたね。」


田沼の白衣の肩口からは肉を破って新たな腕が生えてきており、攻撃を与えるとすぐに肉の中に戻っていく。

同じ方向からの予想外の二連撃にまともに吹き飛ばされた竜胆ではあるが、瓦礫の中から出てきてもその髪型とスーツに乱れはない。


「話を聞く姿勢が感じられません。」


まるでダメージを感じさせない様子で自然に歩き出し、そのまま警戒する田沼に近付くと勇司視界には竜胆の姿が一瞬ぶれて見えた。

次の瞬間には竜胆は少し前方に移動しており、派手に吹き飛ばされる田沼の姿が目に入る。


「竜胆さん何したんだ?なんかスッて動いたと思ったら気がつくと相手吹き飛んでたぞ。」


「今のは単純な正拳の追い突きですね。ただ恐ろしい程の緩急の付け方と正確な一連の動きですが、頑丈な容疑者のようです。」


ボロボロになりながらもあっさり立ち上がり、怒りをあらわにする田沼を見ながらも、竜胆は何かを気にして勇司と久信を呼び寄せた。


「しばらく任せるよ、少し電話だ。」


何事もなかったかのようにその場で電話に出ると、工場の外へと出ていく。しばらく去っていく後ろ姿を残された三人は見つめていたが、ふと我に返ると改めて勇司と久信は田沼と向き合う。


なんとも言えない空気が流れる中、確保に向けての新たな戦闘が始まろうとしていた。




竜胆のしゃべり方に強い違和感が。

言葉遣いが定まっていないので、その内手を加える予定です。



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