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特技の使い方 〜吸えない煙草〜  作者: cozy
吸えない煙草 第五章 次代
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フェミニスト

フェミニスト


アスファルトを傷付けながら、銀色に輝く色一色の犬ゾリは進み続けていた。綺麗にカットされたシルバーメタリックのスタンダードプードル三匹は、足並みを揃えてソリを猛スピードでひき続けている。


「頑張れプードル君っ!走って走ってこの場から脱出しか道はないぞ。」


手綱を握る勇司はひたすら真っ直ぐにソリを走らせ、後ろから二台のトラックが追って来ることに気付いても、愚直に直進を続けていた。


「よしっ、見事に追われてるな。我ながらナイスな作戦だけどここからどうするんだ?まあ、あっちは任せればいいとして、こっちはどうなる?」


勇司の疑問に答えるかのように、トラックから茶運び人形が飛び降り追い始め、荷台からは矢が放たれ降り注ぐ。


「こりゃあ外れくじ引いたな。こうなりゃ頑張れプードル君!」


矢を避けるようにスタンダードプードルは蛇行しながら走り続け、少しずつ強くなるソリ酔いとも戦いながら逃げ続けるのであった。




その頃ほぼ燃え尽きた車では銀色に輝く繭が解け、中から久信と長谷島が無傷で出てきてきた。二人は凝り固まった身体をほぐし、全身を動かす。


「御無事のようですね。では我らは迎えを呼びましょう、念のために搬送班に送って貰います。」


「それはいいんだが、君の相棒は大丈夫なのかい?」


「相棒?そのような者がいる記憶がないのですが?まあ、お気になさらず職場に向かいましょう。少し早いですが、問題ないはずです。」


笑顔を見せながら言葉を返す久信を見て長谷島は少しの苦笑いを浮かべ、到着した搬送班の黒いバンに二人は乗り込んでいく。まだ太陽の上がりきらない中、国会への道を順調に進んでいくのであった。




矢の雨と爆発を受けながら勇司の乗る犬ゾリは引いているスタンダードプードルが二匹になったため、スピードをガクンと落としていた。


「・・・はぁ、ウプッ。もうこんなもんか?これくらい時間稼げば問題ないよな。プードル君も殉職したし、もう潮時だよ。」


ソリを止めスタンダードプードルとソリを煙に戻すと、すぐ後方でトラックが止まり三体の甲冑と向かい合う。トラックの助手席から降りてくる山村が視線を下ろした瞬間に、甲冑二体が煙に戻るとその視線は驚きに染まっていた。

甲冑の面を上げ、顔を見せる勇司は少し青白い顔色しながらも作戦成功に満足げな表情を浮かべる。


「もう長谷島さんは逃がしました。ここらへんで諦めて貰えませんか?」


「もう後には引けないっ!もう何もかも。」


悔しそうに表情を歪める山村に対し、勇司は困ったように甲冑の上から頭を掻いていた。


(一応フェミニスト気取りだから俺は女性を攻撃出来るのか?爆破された怨みはあるっちゃあるけどビミョーだよな。)


煙草入れを取り出し、中身を見ながら少し考えると飛んでくる矢を甲冑で受けながら二本のタバコを取り出す。まずは銀色に輝く煙草に火をつけると、吸い込み手元に吐き出していた。


【真銀煙・リボルバー】


手元に銀色に輝く回転式拳銃が現れると、さらにシリンダーにむけて、火をつけた紫色の煙草の煙を吹き込む。


【紫煙・麻酔弾】


爆発物をお盆に乗せ進んでくる茶運び人形に当たらないよう常に動きながらリボルバーで狙いを定めるが、真横で爆発が起こり吹き飛ばされる。

地面を転がるように激しく叩きつけられてもすぐに立ち上がり、次に正面から迫る茶運び人形をジャンプして躱すと、後方に抜けた茶運び人形を空中で身体を捻り撃ち抜いていた。


爆発により巻き起こる爆風で吹き飛ばされ、山村との距離を一気に縮めると、両手で構えたリボルバーの引き金を至近距離で引く。


銀色に輝くリボルバーより吐き出された紫色の弾丸は、山村の胸に当たると傷つけることなく煙へと変わりそのまま服の上から胸に吸い込まれ、身体の自由と意識を奪っていった。

山村の意識がなくなると同時にからくり人形達はその動きを止め、道路上は早朝の静けさを取り戻していく。


勇司は甲冑を煙に戻すと搬送班を呼び、しばらく待っていると黒いバンが到着して搬送班と共に久信が降りてくる。


「お疲れ様です、無事確保のようですね。」


「ああ、だけど共犯者とかいないのか?たしかホテルには車何台かで来てたんだろ?」


「共犯者はやはりからくり人形のようです。トラックの運転席にはからくり人形が座っていますし、単独犯だったようですね。」


「じゃあここで捜査終了だな。・・・そーいや一つ質問なんだが、女性を素手で攻撃するのと銃で撃つのどっちが非道だと思う?」


突然の意味を掴みかねる勇司からの質問に久信は首を傾げるが、一応の答えをだす。


「それはやはり銃じゃないでしょうか?」


「・・・やっぱりそうだよな。フェミニストへの道は遠いな。」


「睡眠不足ですか?それとも幼女の事を考えすぎておかしくなりましたか?とりあえず特局に一度報告に帰って、それから解散しましょう。」


「だな。家に帰ってからフェミニストへの道の事は考えることにするよ。」


こうして事件は解決したが、自宅に帰ってからもフェミニストについて考え込み勇司は眠れぬ時間を過ごすのであった。




なんかイマイチ締りの悪い話でした。

もうちょいいろんな場所に手を加えたいけど、敢えての投稿です。

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