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特技の使い方 〜吸えない煙草〜  作者: cozy
吸えない煙草 第四章 0班
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パフューム

パフューム


久信の予想通り江夏は百貨店の一階にいる。そしてすでに待ち構えていた江夏は下りてきた二人の存在に気付き、身を潜ませながら見ている江夏の存在に久信も気付いていた。


「イマイチこの匂いってのは苦手だよな。化粧への情熱が満ち溢れている香りだぞ。」


「これもデパートの定番ですからね。そして勇司さん、このフロアにいます。気を付けてください。」


勇司は周囲を見渡すがその目に江夏の姿は見当たらない。フロアには化粧関連のメーカーが争うように並び、女性客達が美を求めていた。


「どこだ?そしてここで男二人の客はまずいよな。」


「先程まではかなり離れた左の棚の裏に、今は場所を変えましたね。こちらを警戒していましたが、逃げるといったわけではなさそうです。」


二人は警戒しながら江夏が先程いた場所に向かおうとするが、その時フロア全体に異変が起こり始める。元々強く漂っていた匂いに特技が加わり、甘ったるい香りが充満してきていた。


異変に気付いた久信はロングコートの中からガスマスクを取り出し、勇司は思わず顔をしかめる。


「こいつはなかなかくるな。頭の芯に響く感じだぞ。」


「なんとか間に合いましたね。ここは完全に

相手の戦場ですか、勇司さんあなたの特技なら多少どうにかなるはずです。お任せしますよ。」


甘ったるい香りを脳で感じながらも、江夏を捜索しようとするが勇司の腕が突然掴まれる。振り向くとデパートの美容部員が、意思のない目をしながら腕を掴み、化粧途中の女性が殴りかかってきていた。


勇司は掴まれている腕を回すとすぐに外し、近付いてくる拳を軽くはたき、軌道を逸らしその場から脱出する。

久信は視界の悪いガスマスク越しでも動きは変わらず、掴みにくる品のある中年女性の腕を躱し反撃する意志を抑え込むと、触れさせる事なく躱し続けていた。


【紫煙・麻痺】


口から紫色の煙が吐き出され、周囲にばら撒いていく。ガスマスクをつけている久信以外の襲い掛かってくる人々の見動きを奪い、勇司は手に持つ紫色の煙草を見つめている。


「絶対にここ禁煙だよなー。警報とか大丈夫かね?」


「あれは熱を感知するタイプですので大丈夫かと。それよりも次が来ます。」


次々迫ってくる女性客は香りによって操られているようであるが、二人は攻撃を捌き続け勇司の紫煙で動きを止めていった。

順調に数を減らしていく中、突然今まで感じていた甘ったるい香りの中に少しスパイシーな香りが混ざり始める。


すると突然店内にいた操られている全ての者達の目の色が変わり、飛びかかるように二人を襲い始めていく。

身体ごとぶつかるように襲い掛かってくる女性を、勇司は正面から受け止め紫煙を吹き掛けると、体の自由を奪う。


「これはしんどいぞ。手加減が出来なくなるのも時間の問題だな。」


久信は使おうかどうか悩んでいたスタン警棒をロングコート内から取り出し、最低電圧で押し当て気絶させていた。


「あまり使いたくはなかったのですが。早く容疑者を確保せねばなりませんね。勇司さん行きますよ。」


二人は襲いかかってくる女性達を掻き分け、香水の瓶が大量に置かれたショーケースへと近付いていくのであった。




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