パフューム
パフューム
二人は黒いセダンをマンションの前に乗り付ける。運転席から素早く降りた勇司は後部座席のドアを開け、久信を迎える準備していく。
「ご苦労さまです。それではロリコン執事さん、行きましょうか。」
「・・・はい、ってロリコンちゃうわっ!そしてなぜこうなった。」
話は車内で行われ、様々な経緯により勇司の一日執事生活が始まっていた。
「勇司さん、先をどうぞ。少し嫌な香りがしますね。」
「俺じゃねえぞ、煙草の後ちゃんとお口のケアは万全だ。」
「そのような意味ではありませんよ。容疑者の特技の影響でしょうか?これならすぐに部屋は分かりますね。」
「それならそうと早く言えよな。では参りましょうか旦那様。」
二人は久信の指示のもと進んでいき、部屋の前まで辿り着く。その頃には二人の雇い主と執事の関係も完全に出来上がっていた。
「この部屋ですね。では管理人に鍵を借りてまいりますので、これでも食べながらお待ち下さい。」
まだ少し温もりの残るアメリカンドッグを手渡され、久信は少し悩みながらも一応齧りつく。水筒に入れられた適温のコーヒーを飲み落ち着いていると、勇司は管理人から受け取った鍵を持ち足早に帰ってくる。
「お帰りなさい勇司さん、相変わらずコーヒーだけは美味しいですよ。」
「それは何よりでした。そう言いつつもアメリカンドッグも完食されたようで嬉しゅうございますよ。」
「何かやり辛いですしだいぶ気持ち悪いですね・・・。もう普段通りで構いませんよ。」
「おっ!そうかそうか。何かこれ肩こっちまってしょうがなかったからな。」
二人はドアの前に緊張感と共に立つと、勇司がドアノブに手をかける。すると鍵はかかっていないらしく、あっさりとドアは開いた。
部屋の中には濃密な甘い香りが漂い、二人に迫ってきていた。
香りを吸い込んでしまった勇司は膝をつき、久信も息は止めているもののすでに香りによって意識が朦朧としてきていた。
勇司はなんとか床に両手を当て特技を使っていく。
【喫煙室】
二人を透明な壁が覆っていき、床から灰皿が生き物のように生えてくる。喫煙室内は急激な換気が始まり、空気を循環させると二人は香りの無い空気を一杯に吸い込む。
「助かりました、あれは避けきれませんね。昏睡強盗は香りで意識を奪ったわけですか。」
「香りってのはやっかいだな。感じた時にはもうアウトってやつか。臭いには多少抗体があるはずなのに、ここまで効くのかよ。」
すると帽子を目深にかぶり、マスクをつけた女が足早に喫煙室の横を通り抜けていく。勇司は喫煙室を解除しようとするが、久信がそれを止める。
「少し待って下さい、周りは香りに囲まれています。今出たら先程の二の舞になります。」
「そいつは危ないな。だけど逃げちまうぞ、いいのか?」
頷く久信を見て勇司は喫煙室を解除せず、逃げていく女の背中を見つめていた。久信は情報端末を操作し、特局と連絡を取りながら調べ物を続けている。
周囲の香りが薄まるのを見計らい、勇司は白い煙草に火をつけ灰皿に捨てると喫煙室は消失していく。
「では追いかけますよ。容疑者の身元も割れましたしね。」
二人はマンションの外に出ると黒いセダンに乗り込み、女の跡を追いかけていくのであった。
よく分からない話になってきました。
まあ、主人公の活躍がたまには見たい作者です。
とりあえずここまで読んでいただき感謝いたします。




