不倒
不倒
二人は並んで歩き出す。勇司の手には火のつけられた赤と青の煙草、そして久信の左手には少し太く、無骨に作られた機械仕掛けのステッキが握られていた。
「おいおい、杖とは怪しさ満点だな。」
「あなたもそのような原色の煙草二本持って、近くに警察の方がいたら確実に職務質問されますね。」
高枝切り鋏を握り身体へ銃弾を受けていても怯まず、まさに鬼の形相といった保田に対し二人は談笑をしながら歩いていく。その様子に更なる怒りを隠すことなく表情に出し、保田は高枝切り鋏を振りかぶったまま一気に突進する。
【合成煙・熱冷】
勇司の吸い込んだ赤い煙は、喉を焦がすほど熱く感じながら吸い込むと全身が異常な熱を持っていく。そして青い煙を吸い込むと首から上だけの体温が下がったかのように感じ、強制的ともいえる冷静な状態を作り上げていた。
【思金神の眼鏡・譲渡】
久信の動きの決定権の全てを眼鏡へと譲渡していく。動きから一切の無駄が省かれ、その動きは久信の意思ではあるものの意思を汲み取り、意思より先に体が動き始めていた。
二人の雰囲気が変わった事も気にせず、保田はまとめて胴を真っ二つにしようと高枝切り鋏を振り抜いていく。しかしその手には何の感触もなく高枝切り鋏は空を切っており、そしていつの間にか眼前へと迫っていた。
二人はまるで揃って居酒屋に入るかのように、高枝切り鋏を暖簾のようにかき分け下から近付き、久信の意思により全ての攻撃を勇司に合わせていく。
勇司が右にボディを入れると左にボディを入れ、衝撃を全く逃がさず保田の体に伝える。さらに高枝切り鋏を握る手首を二人で挟み込むように蹴り、高枝切り鋏を手放させると二人の拳は同時に顔面を捉え、さらに腹に前蹴りを飛ばすと軽く後方へと飛ばされる。
鼻血を地面にボトボトと垂らす事より、保田は自らの体が下がらされた事に驚きを隠せないでいた。しかし驚きも直ぐ様怒りへと変化し、保田は我を忘れていく。
爪を立て襲いかかる保田の腕を、久信がステッキで衝撃を限界まで吸収しながらガードし一瞬止めると、勇司が指を掴み指関節を決め、さらに肘を逆に挫きながら一本背負いに入るが、力だけで耐え強引に振りほどく。
強引に振りほどいた腕を久信は狙い、手を掴むと手首を極め投げようとするが、関節は決まっているものの体は宙に浮かず堪え、逆に蹴りを見舞ってきた。
真正面から放たれる蹴りを、勇司が加えた真銀煙から銀色に輝く煙を吐き出しライオットシールドを作り出すと強引に間に入り込み、蹴りを受けシールドを煙に戻しながら吹き飛ばされていく。
その隙を見逃さず久信はステッキの先を保田の足に押し当て、スイッチを押すとスタン警棒とは桁の違う電流が流れ、周囲を焦げ臭い香りが包んでいた。
それでも保田は地面に膝もつくことなく立ち続け足を前に出す。鼻につく焦げ臭いに顔をしかめながら勇司は立ち上がり、再び三人はぶつかり合っていくのであった。
書いててなかなかに疲れる回でしたのでなかなか短めです。早めに次書き上げられたらいいなー。
とりあえず誤字脱字など多量にあると思いますが、教えていただけたら幸いです。
ここまで読んでいただきお疲れ様でした。感想、リクエストなどなどお待ちしております。




