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特技の使い方 〜吸えない煙草〜  作者: cozy
吸えない煙草 第四章 0班
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敵討ち

敵討ち


久信は保田の攻撃範囲内から出る事なく、攻撃を躱し一方的に攻撃を当てていく。至近距離からの激しい攻撃の全てを見て反応し、攻撃を受ける事なく躱し、ナックルダスターを打ち込んでいた。


顎先を決まり、こめかみに打ち込み、喉元を抉るが全ての攻撃に保田は耐えていく。痛みに一瞬顔をしかめるものの、その体には傷一つつかず動きは微塵も衰えないどころか、少しずつ成長した体に慣れてきたのか、動きは正確になっていた。


久信は特技の連続使用に伴う軽い鈍痛を眼に感じ、振られる爪を躱し前蹴りを入れると一旦距離を取ろうとするが、保田は全く止まらず前に出続ける。


久信は特技の解除を諦め、再び向かい合おうとするが眼鏡のすぐ横を、紫色に輝くスタンダードプードルが一足飛びに保田目掛けて飛び付いていく様子が見え、一瞬向かい合う二人の動きが止まった。


「久信っ!今のうちに一旦下がれっ、プードルさんに任せとけ。いけっ少し色の悪いプードル君よ。」


銀色に輝く煙草と紫色の煙草を両手にもった勇司の声により、久信はすぐに下がると紫色に輝くスタンダードプードルは、保田の腕に噛み付いている。

腕を振り回されると、落ち着いた様子ですぐに離れ空中で一回転すると優雅に着地し、その立ち姿は気品すら感じられた。


「これはなかなかに美しい犬ですね。勇司さんが創り出したというのが、唯一の汚点でしょうか。」


「汚点とは失礼なっ。なかなかに素敵だろ。あの毛の刈り方が今回のポイントだな。」


スタンダードプードルは慌てる事なく、隙を見つけては噛み付きまた離れるという作業を繰り返していく。落ち着き払ったその姿を見て二人は頼もしさを覚えながら、体を休め観戦していた。


「さすがに歯が通りませんか。ですが全く傷つかないわけでもないという訳ですね。勇司さん、あれは麻痺の煙でしょうか?」


「いいや、今回のは違うぞ。うまくいけばいいんだが。プードル君よ、君の働きにかかっているぞ。頑張ってくれよ。」


保田を向きながら軽く頷くプードルは駆け出し、今までの冷静な動きが嘘のように歯を噛み鳴らしながら興奮を見せ、首元に飛び込んで行く。

保田の首にがっちり噛み付いたプードルは離れようとはせず、噛み付いたまま身体をよじり暴れ続けている。すると噛み付かせたまま、保田は抱きしめるようにプードルを両手で抱えた。


力を込め締め上げていくが、プードルは噛み付く力を弱めようとはせず、ちらりと辛そうな表情を浮かべる勇司を見て目配せをする。


「分かってるよプードル君、しばしのお別れだ。・・・また逢おうな。」


そしてさらに保田は腕に力を込めると、プードルは形を保てなくなり煙へと霧散していく。そして顔の周りに紫色の煙が広がると、勇司は強い瞳で保田を睨み特技を使い煙を操作する。


【合成煙・誘導】


勇司によって操られた紫色に輝く煙は、広がることなく顔の周りに漂い続けその煙は催涙効果発揮すると、保田は涙を流しながら咳き込み、顔の周りの煙をなんとか霧散させていく。


「全く持って泣きたいのはこっちだよな。せっかくのプードル君を台無しにしやがって。」


「確かに素敵なプードルでしたね。ですがせっかくのチャンスを逃すわけには行かないですよ。」


「確かにそうだな。プードル君の敵討ちだ、行くぞ久信っ!」


「あなたの指示に従うのを心が拒否していますが、ここは心を切り捨ててなんとかしましょう。」


二人は未だ咳き込み涙が止まらず前も見えない保田に向かい、プードルの敵討ちとばかりに走り出すのであった。




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