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特技の使い方 〜吸えない煙草〜  作者: cozy
吸えない煙草 第三章 異動
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術中

術中


サングラスを掛けた勇司と久信はショットガンとサブマシンガンを撒き散らしながら宮原へと迫り、一定の距離まで近付くと反撃も許さず銃撃を続けていく。弾がすぐに切れ、勇司は慌てて装填する間も久信はさらにロングコート内からハンドガンを取り出し、サブマシンガンとの二丁拳銃で弾幕を作り出す。



虚を付かれた宮原は特技を使って体から獣毛を生やし、顔、身体共に獣のそれになると両腕で急所を庇いつつ銃撃を受ける。

一度治った全身の毛皮が再び傷付き、未だに治りきっていなかった脇腹と片目から鮮血が滴ってきていた。


ショットガンとサブマシンガンの残弾を全て撃ち尽くすと、二人は用済みとなった銃を地面に投げ置く。

しかし未だに宮原は倒れることなく、ガードしている両腕の間から残った片側の眼をギラつかせていた。


「これはほとんど効いてないな、あの毛皮頑丈です事。」


「口径不足のようですね、次は作戦通りに行きますよ。前衛はお任せいたします、勇司さんのお好きな技で行ってください。」


全ての会話を聞かれているという前提で話しを進め、久信はハンドガンを片手に更にロングコートの中からスタン警棒を取り出し逆手に構えている。

勇司は煙草入れから銀色に輝く煙草を取り出し、ターボライターで火をつけた。


【真銀煙・甲冑】


煙を吸い込み一気に吐き出すと、銀色に輝く煙は前方で勇司を待ち構えるように留まっている。

煙に向かって歩きだし、そのまま煙を抜けると勇司の体に口元を空けた甲冑が装備されるが、宮原はすでに動き出しており勇司の近くまで迫っていた。


血で染まる毛皮、そして怒りに染まる瞳、何よりその狼男という分かりやすい存在に畏怖するが、気持ちを奮い起こし足を前に出す。

未だに咥えていた真銀煙を吸い込み、宮原に向かって思い切り吐き出した。


【真銀煙・網】


煙は丸く網状に広がりながら宮原の全身を包み込もうとするが、獣の手から鋭く伸びた爪で切り裂き網は煙に戻っていく。


しかし銃声と共に宮原の左足に衝撃が走り、思わず内側に膝が曲がる。勇司による陽動の間に、潰れた目の死角から近づいてきた久信が至近距離からハンドガンを撃ち込み、更にスタン警棒を左足に押し当てる。


電撃による衝撃が全身に広がり一瞬動きが止まったその後に、直接的な痛みが膝を襲う。

久信を追うように迫った勇司が、曲がった膝の横から思い切り踏み抜いた。膝が壊れる感触が、甲冑越しに勇司の足裏にも伝わってくる。


宮原は痛みに思わず一瞬吠えながらも、片足で体を支え反撃の拳を甲冑に向けて放つ。なんとか体を捻って攻撃を避けようとする勇司だが、久信に体を抑えられまともに拳を胸に喰らう。


「この攻撃は受けないと、次の作戦に進めません。」


久信の言葉と共に、甲冑を砕かれながら二人は揃って吹き飛ばされていくが、その場にはロングコートの中から吹き飛ばされると同時に落としていった、小さな黒色の物体が宮原の足元に転がっていた。


「んっ?あっ!」


小さな黒色の缶は全てが同時に破裂し、一瞬で激しい閃光と爆音を周辺に撒き散らす。


頭の上についた耳と残った片目を押さえのたうち回っている宮原をよそに、吹き飛ばされた久信は眼鏡の色を透明に戻し、勇司は壊れた甲冑を煙に戻すとサングラスを外し、軽く胸と耳をこすっている。


「ここまでは悪くないですね。勇司さん大丈夫ですか?」


「ああ、押したら痛みがあるくらいか。それにしてもわざと話を聞かせて、俺を前衛だと思わせるとはいい作戦だな。」


「いえいえ、騙してなどいませんよ。ただ単にどちらも前衛という話しです。とりあえず耳と目、そして片足は潰しました。次に行きますよ。」


未だ苦しんでいる宮原に向かって二人は走り出し、更なる戦闘へと入っていくのであった。




やっとこさ戦闘開始です。よかったよかった。

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