第77話 水面下
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場所は競馬場のあるインディンの郊外である。
A:「にしても昨日のゴルドナ・インディン賞レースは暑い展開だったな!」
B:「そうだな!それも今まで不調気味だったゴルドゥヌスがこの前から続いた復調をキープして優勝したんだからすごいよな!」
C:「さらに、引退レースで有終の美を飾ったなんて何かの小説だろ!?」
この日はゴルドナ・インディン記念レースの翌日の朝であり、そのレースで倍率1.07倍の馬、ゴルドゥヌスが引退レースで優勝したことにより、インディン中がお祭り騒ぎとなっている。
A:「にしても他の馬もゴルドゥヌスに感化されて速かったな~!!」
B:「本当にそう感じるわ!今日も一杯飲むぞ!馬券当たったしな!」
C:「俺も俺も!」
インディン郊外に住む男性は昨日の熱が冷めず、本日も飲み屋で飲みに行くようだ。だが、1人の男性が異変に気が付く。
C:「ん?おい、あれなんだ?」
A:「あ~数日前からあるなんかよく分からん物質で空気中の微生物?が何かしらの原因で発行しているとかいう噂を聞いたことがあるぞ?まあきれいだしあんまり気にしなくていいと思うぞ?」
C:「ん~…こういうのって大体何か起きるサインなんだけど…まあそんなことが起きることはまずないよな?」
B:「おい~縁起でもないこと言うなよ~本当になったらどうするんだ~」
C:「すまんすまん、じゃあ気を取り直して飲みに行くぞ!」
A&B:「「おう!」」
実はインディンの南西約3kmの所でここ数日光る点が浮かんでいるという現象が起きている。ボスティール研究所の職員によると会話中のAが言っていた噂通りの見解を示している。イメージとしては極小サイズの蛍が飛び交っているといった感じだ。
この男性A、B、Cたちが飲み始めてから数時間、ついに限界が来たのか、店から出てきた。
B:「いや~働きたくねえな~」
C:「分かるわ…」
A:「今日までは休みだったけど明日からは普通に仕事だもんな」
C:「というか二日酔い大丈夫か?これ…」
B:「まあ…何とかなるだろ…」
A:「お前の言う何とかなるは今まで当たったことあったか!?」
B:「…」
C:「図星だな」
この3人は和気あいあいとした様子で飲んでいたようだ。ちなみに、全員8歳から仲良くしている幼馴染であり、現在は33歳既婚者である。ゴルドナ・インディン賞は毎年8月の3連休中日に開催される。そのため、今日は連休最終日であり、この男性たちはこの後、仕事の前日に暴飲したことで奥さんたちにこってり絞られるのが確定している。ところが、そんな二日酔いの心配をも吹き飛ばす出来事が発生した。
B:「おい!なんかさっきより光の大きさが大きくなってないか!?」
A:「確かにさっきはまでは砂のように小さかったのに今は小石くらいには大きくなっているぞ!」
C:「俺たちが酔い過ぎてそういう風に見えてるだけじゃねえのか?」
A:「それにしては周りの様子がおかしいだろ?」
店の外にいた老若男女が大きくなった光る点を凝視していた。それによって3人全員の酔いがさめてしまったのだ。
B:「これはもしかしてインディンのお偉いさんの所に言いに行ったほうが良いやつじゃねえのか?」
A:「俺はそれに同意だ。」
C:「右に同じく」
B:「よし!おれインディンの役所まで走って伝えてくる!」
C:「元陸上部の実力見せたれ~!!!!」
3人の内1人が報告のためにインディン中心部に向かった。その間、残った二人は自分たちで分かることがないか光のあたりを調べることにした。
C:「確かこっちの方だよな…」
A:「ああ、そうだと思うが…」
2人は不安な気持ちを抱えながらも好奇心を抑えきれず、奥に進んでいった。すると――
C:「お、おい!あれなんだ!?」
A:「は?光の柱?」
2人は先ほどの飲み屋から歩いて5分の所に光の柱が立っているのを発見した。二人はその柱に近づき色々試し始めた。
C:「ちょっと触ってみる」
A:「いきなり触って大丈夫なのか?」
C:「物は試しだ!」
A:「ちょっ!」
C:「これ、透けちゃったぞ」
A:「あ、本当だ、じゃあこれは文字通り光なのか…この光どこから出てる?」
C:「上の方は俺たちの背丈よりちょっと高いくらいで止まってるから多分下だな…掘ってみるか?」
A:「え~…こういうの絶対何もしないほうが良いと思うんだが」
C:「い~や、俺は掘るね」
A:「そういうことなら俺も付き合う」
C:「いつも面倒ごとに付き合ってくれてありがとうな!」
A:「当然だろ!俺たち親友だ!」
C:「くっ…年を取ると涙もろくなるな…」
A:「こんなところで泣くなよ…ほら、さっさと掘るぞ」
そうして掘ること5分、地中から何やら毛のようなものが出てきた。
C:「これなんだと思う?」
A:「なんだろうな…なにかの動物?」
C:「地中にいる動物って何だ?」
A:「モグラとか?」
C:「モグラか、確かにでもそれにしたってこの体毛長すぎるし硬すぎないか?」
A:「謎なのはそこなんだよな」
2人はその地中から現れた体毛を不思議に思いながら掘り進めた。掘り進めること15分、Bが帰ってきた。
B:「お~い!お前たち一体どこにいったのかと思ったら奥に進んでのか…なんかギルドの方に行ってきたけど一旦そこから離れろとか言われたけど…お前らいったい何を掘り当てたんだ?あとこの光の柱はなんでこのよくわからん巨大な動物から発せされてるんだ…?」
C:「あ~すまん、なんか掘ってたら出てきちゃった、てへっ」
B:「てへじゃねえよ、この後ギルドの人と研究所の人が調査に来るからいったん離れろだってよ」
A:「そうだな、ここはもう専門家の領域だ俺たちにできることはない、離れよう」
C:「おっけ~でも久々にこういう宝探しができて楽しかったわ!」
A:「はいはい、良かったね」
C:「なんか冷たいな~お前も掘ってたくせに~」
A:「俺はお前に付き合ってただけだ」
B:「お前らここでいちゃつくな…」
C:「え?BL好きか?お前…初耳だわ…」
B:「なんでそういう解釈になるんだよ!?」
男たち3人はその柱の場所を後にした。その直後、突然地面が揺れ始めたのだ。揺れはそこそこ大きかったものの、30秒ほどで収まった。
B:「何だったんだ?今の揺れは」
C:「地震?ってやつじゃねえのか?」
A:「それはエンゲルとメクシーの方でしか起こらないはずだが…」
C:「だとしたら?やっぱりこれって異変?」
B:「マジでCの言う通りになったら許さないからな」
C:「そんなこと俺に言われても…」
A:「まあ俺たちは一旦家に帰ろう」
そうして、3人はゆっくり話しながら帰り、やっとインディンのはずれの町に差し掛かろうとしたところでもう一回揺れに襲われた。先ほどよりも強く、長い揺れであった。そして、地面にも異変が起きていた。
C:「またか?やっぱり掘らないほうがよかったか」
A:「そうだろうな、でもやっちゃったことは仕方ねえ」
B:「おい!ちょっと後ろ見てみろ、なんか地面膨らんでねえか?」
A:「そうだな、さっきの光の柱の方が持ち上がっているような…」
C:「なんか嫌な予感がする!逃げるぞ!」
A&B:「「ああ!」」
そして3人は自身の家の方向へ真っ先に走っていった。そして到着まであともうちょっとというところで三度目の揺れが襲い。その後――
ドゴオオオオオオオオオオオン!
という爆音が轟いた。
C:「なんだなんだこの音!…ってあれ…」
B:「ん?あ…」
A:「お前たちどうした…って、え?」
3人とも足を止めてその方向を見ていた。その方向にあったものは彼らが生まれて初めて見る光景である。夜の暗い夜空に、オレンジに光る無数の線が放物線上飛び出している幻想的な光景であった。しかし、それは壊滅的な破壊をもたらす噴火の始まりに過ぎない出来事だったことを彼らは知る由もなかった。
どうも、winger86です。いつも本作品をご覧いただきありがとうございます。さて、今回はインディン郊外での噴火のお話でしたがいかがだったでしょうか?今回の噴火は今まで表現してこなかった「ストロンボリ式噴火」という比較的小規模の噴火を採用しました。これでついに主な4種類の噴火がすべて登場しましたね。筆者としては嬉しい限りです。ということで、次回以降はまた主人公側に戻り、南への旅のお話に戻ります。お楽しみに。それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。




