第65話 勝利のお祝いに…
本日も2話投稿となります。投稿できなかった8月6日、7日分がこれにて投稿されました。ぜひお楽しみください。
僕たちはニオさんに案内され、客人宿泊室を見学した。すると、この部屋にはなんと洗濯を行える場所がついており、本当に長期滞在に用いられる場所なのを感じた。
「さっき服を着替えてたように見えたけど、それもここで洗濯できるんだよ」
「おお~助かります」
「じゃあ他にも見て回ろうか、リオ君」
といって次々と部屋の中を案内してもらった。感想は一つの家であるということだ。先ほどの洗濯場所だけでなく、キッチンや最新鋭の冷蔵システムを搭載した食料保管場所(要は冷蔵庫)などが一通り置かれており、ここで長期間暮らせと言われても何不自由ないという装備である。ただ、一つ驚いたのはお風呂がついていないところだ。これはとなりの応接室をの方を使えということなのだろう。こういうところは合理的なのだと僕は思った。
その後、ニオさんはこの事件の後処理を行わないといけないらしく、部屋を立ち去った。なんだか上機嫌で僕の方を見ていたが…
「リオ、この町できるだけ早く抜け出したいのだ…なんか放っておくとリオが取られそう…」
「そんなことある?まあなんとなく笑顔になる回数は増えたけど、あれは町を救ってくれた英雄だからじゃないの?」
「それもあるけど…もっと別の所に理由がありそうな笑顔だったのだ…」
先ほどからヴァルキーがやたらとニオさんを警戒しているが、僕も少しずつ違和感に気が付いていた。明らかに初対面の時より笑顔が増えている。そんな違和感を覚えつつ、僕たちは部屋でゆっくりすることにした。応接室がVIP用の部屋であるというのもあり、こちらもVIP級の設備がなされている。この間も馬車がVIP対応の設備だったので、最近は本当に贅沢しているような気分になってきている。落ち着かない…などと少しそわそわしているとヴァルキーが気になることを話し始めた。
「リオ、なんか今日のモンスター変じゃなかったか?全員目が真っ赤で我を忘れているという感じがしたのだ」
「あ~それは僕も思ったんだよね、あれ自然と起きた事件じゃない気がする」
「自然じゃないとしたら一体何が考えられるのだ?」
「それはちょっと見当もつかないよ…」
「そういえば…あまり思い出したくないのだが…あのシカのモンスターのやつに似ているのだ…」
「あ~トムゾルか~でもあの赤色の目って確かフォトシスオークの実を食べるために夜行性に進化した関係じゃないっけ?」
「赤色に染まった感じはそっくりだったのだ…」
言われてみれば確かに似ている。でもこのあたりではこの木を見かけていない。そのため、フォトシスオークの可能性は低いと考えた。一応後でフォトシスオークの生息地についてもう少し深く調べる必要はありそうだな。その後はこれまでの旅の話など他愛のない話をしてニオさんに再び呼ばれるまで過ごしていた。
「リオ君、今大丈夫かな?」
「大丈夫ですよ~」
「じゃあ失礼するね、そろそろ私たちの方で用意した夕飯が出る時間なんだ。セントルビーを救ってくれたお礼として冒険者みんなに振る舞ってるから是非食べていってね」
「ありがとうございます」
「我もお腹減ったのだ~食べに行くのだ~!」
僕もお腹が減っていたので食べ損ねていた昼食と合わせて食べることにした。ニオさんの案内に従って歩いていくと食堂らしき大きな空間に到着し、その奥の方にバイキング形式のご飯が多く並べられていた。
「おお~!これってもしかして食べ放題ってやつか!?嬉しいのだ~!!!」
「この形式のご飯なんて久々だな~僕も今日は思いっきり食べよう!」
そうして、僕たちはまず先に自分たちの座る席を確保し、他の冒険者に混ざって料理を取り、ごちそうを自身のさらに取り分けて席に戻った。すると、置手紙共になにやらご飯が置かれていた。
――これはセントルビーの住民を代表してあなたに贈るお礼です。受け取ってください。ニオ――
と書かれており、置かれていたのはこの世界で初めて見る蒲焼きである。
「えっ!?これ自分の地元の料理じゃん!マジか~これここで食べられるんだ~嬉しい~!」
思わず感動して声を上げてしまった。これには周りにいた人もにっこりとしていた。少し恥ずかしいと思った僕であった。一方ヴァルキーの方はというと――
「リオ、もしかしてこれが好きな料理なのか!?我も作れるようにしよう…」
と胃袋を掴む気のようだ。だが、残念!僕が好きなのは蒲焼きじゃなくてうどんなんだ…まあ僕は基本的に作ってもらった料理ならどんな料理でも食べれる自信があるからどのご飯でも極めてもらえればいいと思うよ、ヴァルキー。そうして蒲焼きを先に頂き、その後で取り分けたご飯を食べるなどしてたらふくご飯を頂いた。このご飯のおかげか、体力が戻ってきた感じがする。そして、食べ終わった後は飲み会とやらもやるそうだったみたいだけど、僕はまだ未成年なのでパスすることにし、ヴァルキーとともに客人宿泊室に戻った。さすがに食べ過ぎたらしくお腹が苦しくてすぐに動けそうになかった。ヴァルキーの方はというと、ご飯を食べてから一層元気さを増していた。
「リオー!あのご飯おいしかったのだ~!リオはどうなのだ?」
「おいしかったよ…でも食べ過ぎた…お腹苦しい…」
「そんなに食べてたか?我はあのくらいなら全然余裕なのだ~はっはっは~!」
「ヴァルキーが満足に食べられたのなら僕は満足だよ」
「うん!満足に食べられたのだ!」
ヴァルキーは満面の笑みをこちらに向けていた。こういう顔が僕は一番嬉しい。こういう顔にできるようにこれからもヴァルキーとはいろんなことをしていこうと思った僕である。そこからはいつもの宿に泊まった時のいつものルーティーンを済ませ、そのまま僕たちは眠りに着こうとした。しかし、目をつぶって間もないころ、静かに部屋のドアが開けられた。僕は誰が来たのだろうと薄目を開き、その人物を確認した。すると、やってきたのは今まで見た中で最も薄着のニオさんであった。これは…あれだな?ヴァルキーの方は疲れて眠ったままである。
「私より強そうな男性なんて久々~1番パーティーの時は他の人みんな結婚してたし、私も結婚に興味なかったから深く考えてなかったけど…もう我慢の限界…リオ君って多分私とあんまり歳離れていないよね?今もう27歳だけど…見た目は25くらいに見えるし…」
ニオさん、僕19です…こういう女性からのアプローチはこれで3回目かな?僕こっちの世界来てからモテ始めたぞ?あっちの世界では女性はみんなこちらに見向きもしなかったのに…そうこうしている間に僕たちの寝るベットに上がってきた。
「あの料理もしっかり食べてくれたし、今頃力もみなぎってる頃じゃないかな?楽しみ。ふっふ…」
確かに、ウナギは精の付く料理だが、その程度で眠れなくなることはない…こっちの人は意外とそういうのに体制がない可能性もある。
「じゃあ寝ているところ申し訳ないけど…いただきま~す、ヴァルキーちゃんごめんね。」
とついに僕の衣服に手をかけてきたので僕はそこで眠ったふりをするのをやめた。
「どうも、ニオさん今何されてますか?」
「えっ?起きてたの?リオ君」
「ええ、この部屋に入ってきたタイミングからもうずっとです」
「あちゃ~もう少し後に来るべきだったね~で、私がここにいる理由は分かるね?」
「なんですか?僕に何か用ですか?」
そう聞くと僕を見る目が変化し、獲物を凝視する肉食動物のように目を見開いているようになった。この人マジだ…
「もしかして私をこのへやからおいだそうとしてる?それ無駄だよ?だって内側から鍵をかけられても私は鍵持ってるからまた入れるよ?」
こうして、僕とニオさんの僕をかけた戦いが幕を開けたのだった。
どうもwinger86です。今回も最後までご覧いただきありがとうございます。さて、今回はセントルビー集団動物襲撃事件のお祝いをするお話でしたがいかがだったでしょうか?やっぱりヴァルキーの睨んでいた通りニオは理鳳に対して気を持つようになっていましたね。理鳳は一体どうやって切り抜けるのでしょうか?お楽しみに。それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。




