第63話 ビッグ・ギルド
本日は2エピソード投稿されます!読み忘れの無いようにお願いします!
僕たちから見えるヴァイゾの数は大体20頭ほど、全員はとにかく今逃げている人々に反応してそれを追いかけ回しているとみていいだろう。
「とりあえず、今見える分だけでもヴァイゾを倒そう!ヴァルキーはそっち側のやつをお願い!」
「了解なのだ!」
とはいっても二人とも戦闘は数日ぶりなので動きは完全とは言えなかった。僕も少し体が重いように感じる。しかし、相手はただの牛、そんなに苦労もせず討伐に成功した。すると、交差点の正面から第二波、そして右左からもそれぞれ10頭ずつこちらに迫ってきた。仲間が討伐されたの気が付いたのだろう。
ゴオオオ~~~~!!!!
という雄たけびを上げながらこちらに突進してきた。闘牛さながらである。僕たちはその後も幾度となくやってくるヴァイゾたちを処理し続け、もう僕たちがそれぞれ三桁ほどヴァイゾを討伐したところでようやくヴァイゾの流れが止まった。
「はっ、はっ、はっ…やっと片付いた~いったい何体倒した…?」
「我もいきなりこの量の運動するとちょっとヤバいのだ…」
2人とも肩で息をしておりかなり消耗したようだ。そこへ、セントルビーのギルド職員が掛けて付けてきた。
「お二人ともけがはありませんか?」
「けがはないです…」
「私たちの対応が遅れてしまい申し訳ございません…」
「いえいえ、そちらも急な出来事でパニック状態でしたでしょうからお気になさらないでください」
「お気遣いありがとうございます…ところで、あなたたちは冒険者ですか?」
「はい、そうですよこちらは僕が連れているペットみたいな感じの子です」
「あのモンスターを連れる制度のやつですね?なるほど、じゃあギルドの方から御礼として特別報酬をお渡しさせてください。ただ、今というわけではないです。今はこのセントルビーの四方八方から様々な凶暴化した動物、モンスターが現れていて今近くの冒険者に呼びかけているのですが手が追い付いていない状況です…なので一旦色々落ち着いてからということでよろしいでしょうか?」
「全然結構ですよ、僕たちは自分たちの宿でちょっと休みます」
「いえ!危険なので私たちのギルドまでいらしてください!」
「でも、そちらのギルドもしかして負傷者抱えていません?その人たちのための物資を僕たちが使うのは申し訳ないですよ、僕たちの身は僕たちで守れますから」
「…」
どうやら負傷者の話は図星だったようだ。ギルドの職員は少し考え込んだ後にこう話した。
「そうです、現在討伐に当たった冒険者を病院だけでなくギルドでも受け入れて治療を行っています。なのでそこまでギルドの方も余裕がないのは事実です。ですが!それでもここにいるよりかはずっと物資が豊富です!あと、人の把握が大変なので来てください!」
「分かりました、そういうことならギルドに向かいますね、それでいい?ヴァルキー」
「そもそもリオどうして最初宿に行こうとしたのだ?」
「そっちの方が休憩しやすいかなって、だって一応あの宿の3階の部屋だったじゃん?ヴァイゾは直進的にしか移動しない上にそもそもあまり上を見るような動作をしていなかったんだよ、ちょっとジャンプして浮いてた時もどこだ?って迷っているような様子見られたし」
「そういえば建物の屋上にいるときは攻撃してくる気配なかったのだ」
「ええ!?それを何で早く言わないんですか!かなり重要な情報じゃないですか!早速ギルドの方に報告に向かいましょう!」
と言ってギルドの職員の人に腕を引っ張られギルドまで走って向かうことになった。僕の手はヴァイゾの返り血がついていたので、ギルド職員の手間で汚れてしまった。そして、引っ張られている間ヴァルキーの機嫌も少し悪くなっていた。不可抗力だ許してくれ…走ること5分ほどでセントルビーのギルドまでたどり着いた。まず初めにこのギルドを見て驚いたのはその規模の大きさである。それは敷地面積だけで言うならニュークの本部よりも大きい。その代わり、縦に大きいのが本部の建物である。
「さあ、こちらになります!」
と言われて中に入るとすでに負傷した冒険者が30人ほど寝っ転がっており、その周りに医療従事者と思われる人たちがかこっていた。僕たちはその中を突っ切り、建物の奥にあるギルドマスターの部屋まで一気に案内された。僕ギルド来るときいつもギルドマスターの部屋に連れていかれると思うんだけどこれいいのかな?部屋に入ると中にいたのは30代くらいに見える黒髪を下した女性の人だった。
「失礼します!ニオギルドマスター!この人がヴァイゾを100頭ほど討伐し、ヴァイゾの特性を把握したそうです!重要な情報だと思いお連れしました!」
「ありがとう、君は別の職員の手伝いに戻りなさい」
「了解しました!それでは失礼しました!」
そういうと僕たちを連れてきたギルド職員の女性は勢いよく部屋を飛び出していった。
「それで、君たちはもしかしてリオとヴァルキーのパーティーかな?」
「ええ、そうですよ。僕が理鳳でこっちがヴァルキーです」
「よろしくなのだ!」
「元気そうで何よりだよ。私はこのセントルビーでギルドマスターをしているニオというものだ。よろしく。」
ニオさんは手を差し伸べてきたが、僕はあいにく血まみれだったので丁重に断った。
「じゃあ本題に入ろうか、それで先ほどの職員の話は本当かな?」
「まあ討伐した数ははっきりは把握してないですけど、ヴァイゾが上を見ることができないのはこちらで何度も検証済みです。」
「それは戦闘スタイルに大きな影響をもたらす事柄だね…早速みんなに伝えたいのだが本当にそうだと確信しきれる?」
「正直自信はないですね。まあ心配なら今からでもお見せできますが、よろしいですか?」
「なるほど、なら私も現場に出てこの目で確かめてから他の冒険者たちに伝えるとしようか」
そうしてニオさんはマントのようなものを身に着け剣を持って戦闘準備を始めた。しかし、僕たちはまだそこまで体力が回復しておらず、そこまで動くことができるのか心配だった。
「にしても、君たちはどうやらかなり疲れているみたいだね、申し訳ないけどあともうちょっとだけ働いてくれると助かる、いいかな?」
「非常事態ですから仕方ありません…ヴァルキー動けそう?」
「まあ何とか動けるのだ」
「なら早速その方法とやらを伝授してほしいな」
ニオさんの後姿を見ると女性騎士そのものであり、とても格好いいように見えた。僕たち3人はギルドを出て、未だに戦闘が続いている場所まで急行した。すると、その場所では未だに30頭ほどのヴァイゾと冒険者10人が対峙していた。人数での不利を強いられているようだ。
「じゃあ早速教えますね、まずは横の建物の屋根やベランダに上ってください」
すると、ギルドマスターということもあり、軽やかな動きで通りの建物の屋根までジャンプしてしまった。
「次にタイミングを見計らって一気にヴァイゾの首を切り落としてください。それで討伐完了です。しかし、すぐにまたここまでジャンプで戻ってこないと周りのヴァイゾに囲まれて大変になるのでそこだけ注意してください」
「分かった、やってみるよ」
と伝えるとその動きをそのまま理解し、ある技を構えた。それはフ流中級技の中でも難易度が高い突進しながらの縦切りの構えであった。そして、ニオさんは屋根から飛び降り、重力による加速も使いながらあっという間に1発で3頭の首を落とした。この戦闘センスは目を見張るものがある。ちょっと上から目線過ぎかと僕は思った。そして、切った勢いのまま再びこちらにジャンプで戻ってきた。
「おお、本当だな。上に逃げると追いかけられない。普通に切るだと他のやつに追いかけられるから、これは本当のようだな、教えてくれてありがとう!君たちはまたギルドに戻って少しゆっくり休むといい、ギルドマスターの隣の応接室が使える。血で汚れているしシャワーでも浴びることを勧めるよ。」
「ありがとうございます」
こうして、僕たちは前線を立ち去り、ギルドに戻って応接室に入った。中にはシャワーまで用意されており、僕たちは順番ずつで体を洗い流して次の戦いに備えるのであった。
どうも、winger86です。いつもお読みいただきありがとうございます。さて、今回はセントルビーで発生したトラブルの解決の糸口が明かされるお話でしたがいかがだったでしょうか?理鳳達は先頭の中でその戦い方を見い出し、無傷で何体ものヴァイゾを討伐することに成功しました。こういう方法はやっぱり数多くこなすことで見つかるのでしょうね。次回は、さらにこのトラブルが色々な方向に発展していきます。お楽しみに。それではまた次回のエピソードでお会いしましょう。
メモ
ニオ:
セントルビーのギルドマスター。元々はニュークで最も実力のある1番パーティーで副隊長を務めていた。10代の頃に剣の才能を魅入られ、ハイドのもとで修行する。女性初で最年少でギルドマスターになった逸話もある。現在では第一線を退き、ギルドマスターを務めている。婚活中のアラサーでもある。




