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第52話 戦闘から一夜明けて?

「んっ、ここは…僕の部屋だ…懐かしいな~ちょっと久々にゲームするか、ちょっと鈍ってるかもな」


今目の前には自分の部屋が広がっている。それもしっかり自分のゲーム機が置いてあり、自分のベットがあり、教科書類もしっかり置いてある。


「あ、そうだったあと1か月でテストだったわ…勉強しなきゃ、あれ?今何月何日?」


そういって、カレンダーを確認すると…ん?後神歴982年6月25日?これ何だ?というか令和じゃないぞ?とんでもなく違和感を感じて、時計をいじろうとしたその時であった。突然、自分のさっきまでかぶっていた布団がこちらめがけて飛んできたのだ。


「んんっ!?」


布団は不自然に床に対して垂直に立ち、僕の口と上半身を覆った。下半身の部分はきれいに折りたたまれており、鼻の部分にはかかっていない。そして、さっきまで寝ていた影響か生暖かい…というか、あまりに不自然なので、ツッコミを入れようとしたが


「んー!んん!んっん!んーーー!」


口が塞がれて全くしゃべれないのだ。僕はどうにかして布団を引きはがそうとして布団に手をかけたところで目が覚めた。すると――


「なんだよ!この布団なんでこんなに僕の口を覆ってくるんだ!って…あ!」


そう、目の前には見覚えのある緑がかった水色の髪の女の子がいた。僕はその子を両腕で持ち上げている状態だったのだ。そして、目が合ったその直後その女の子は泣き出した。え?僕なんかやっちゃった?


「う゛っ…ぐすっ…リオ~やっと意識が戻ったのだな~~~!めっっっっっちゃ心配したのだ!うっ…」

「おはよう、ヴァルキー、僕寝てただけだよ?この間の戦いの後疲れてて…」

「何日間寝てたと思っているのだ!1週間だぞ!1週間!」

「えっ、そんなに経ってたの?」

「倒れた後の数日は心臓の鼓動も弱く生死を彷徨っていたって医者は言ってたのだ!そして、何とか危機は乗り越えても全く起きる気配がないし!もうあんな無茶はしないで欲しいのだ!我の方が体は強いのだ!医者はその時の電撃で心臓の鼓動に異常をきたしたとか言ってたのだ!本当に怖かったのだ!反省しろなのだ!うっ…うわあああん!!!」

「ご、ごめんよ、そんなになってるなんて知らかなかったんだ。でも、心配してくれてありがとう」


そういって僕はヴァルキーの頭を撫でた。すると、彼女はすっかり泣き止み、こちらに安どの表情を見せてくれた。この子こんなに可愛かったんだな~改めてみると、本当に美形な子である。まさしくアニメでしか見ないような鮮やかな碧の目、全てのバランスが整った顔面、サラサラで鮮やかな髪、僕なんでこんな美少女に好かれているんだ?自分でも改めて疑問に感じた。それはさておき――


「そういえば、どうしてヴァルキーは僕の上に乗っかってるの?というかさっきなんか口が塞がれる夢を見たんだけど…」

「あ、ああ何のことなのだ~?ひゅ、ひゅ~」


目が泳いでおり、できてもいない口笛を吹いている。何かしたことは図星のようだ。まあ、おそらくキスだろうな、と思う僕である。とはいっても、いちいち言うのは野暮ということで気付かないふりをしておくことにした。こうして、ヴァルキーと少し話していると、僕の病室らしき場所に医者と一緒にイエローサラマ―を討伐してくれた、パーティーの方やギルドの人が入ってきた。どうやらみんなタイミングよく今日お見舞いに来たようだ。


「おお!目が覚めたんですね、リオさん!一時はどうなるかと思いましたよ。正直こちらも最善を尽くしていたので、あとは祈るばかりだったんですがね。ああ、申し遅れましたリカーゴ病院のマレンと申します。あなたの主治医を担当しております。」

「ありがとうございました。マレンさん、おかげで助かりました。にしてもどういう状態だったんですか?」

「こちらのヴァルキーさんの他、冒険者の皆様から聞いたのですが、どうやらリオさんはあのモンスターの電撃を直に受けたそうですね、イエローサラマ―の電撃は普通の人間なら体中やけどで、通常助からないんです。それなのに、リオさんはやけどの跡がない、ですが、電撃のショックで心臓が止まっていたんです!この皆様方が迅速にここまで運んでくださったので今回は助かりましたが、次からはこのようなことはしないでくださいね!もし、すぐに医療行為が受けられない場所ですと死亡する可能性が上がりますから。絶対ですよ?」

「ほんっとうにすいません…!反省しています。」

「はい、ずっと患者に説教するのはあまりよろしくないのでここまでにしますが、あと数日は安静にしておく必要があります、よろしいですか?」

「大丈夫です」

「承知しました、それでは私はまた別の患者の診察があるのでこれにて失礼します」


ん?こんなんで良いのか、診察?もっと精密検査するんじゃ…あ、ここそんな高度な医療機器ないわ。さっきまであっちの世界の夢見てたからちょっとバグっちゃった。それはさておき、これからはこの人たちの受け答えに尽力する必要がありそうだ…ということで、僕はこの目の前にいる人たちから質問攻めにあい、結局片付いたのは夕方の面会終了時間間際だった。さすがに、疲れた。というのも、代わり替わりでいろんな人がやってきてその人が数時間話す。を繰り返していたのもあった。ヴァルキーはその間ちょっと不満げな様子を浮かべながらこちらを見つめていた。よく我慢できたな、偉いぞ。そして、面会終了時間直前になり


「我、もうリオに会えないの心配なのだ…起きていたのは今日だけで、明日はまた気を失っていたりとか、これは夢だったりとか…今日1人で眠れるか心配なのだ…」

「ごめんね、これは病院の決まりだ、でも明日また朝一で僕のところに来な、もし眠れなかったら僕のところで寝てればいいから、あと数日!頑張ろ!」

「うん!分かったのだ!今日は我しっかり頑張るのだ!じゃあまた明日!」

「それじゃあまた明日待ってるね」


そういって何とか送り出したものの、ヴァルキーの背中には不安の文字が書かれているような気がした。当然だ、今までもいつ起きるか心配だっただろうに、明日は僕が起きているとは限らない。明日は精一杯甘やかそうと誓った僕なのだった。


翌朝、主治医のマレンさんの呼びかける声で目が覚めた。


「おはようございます、リオさん。調子が変なところはありますか?」

「特にないです、それで今日の朝食は…ちょっとお腹が減ってて…」

「もちろん、早く回復していだたくためにたくさん食べていただきます」


そういって出されたのは食パン2枚、ハムらしき加工肉3枚、目玉焼き2つ、サラダ皿一杯といったかなり洋食で、栄養バランスにこだわろうとしている感じの朝食だった。ちなみに、昨日はあまり食べていない。それもあって、1週間ぶりに頂くご飯は格別においしかった。


「どうされましたか?お口に会いませんでしたか?」

「いえ、なんかこうやってご飯が食べられているのがとてもうれしくて涙を流してしまいました。なにせ、かなり機関が空いていた影響でいつも以上にご飯がおいしく感じるので」

「それなら安心しました、明日以降も割と量の多いご飯を食べていただきますのでよろしくお願いします。」

「それは楽しみですね」


そんなこんなで朝食を食べ終えてから、数時間するとヴァルキーがやってきた。もちろんやって来て早々涙を流していたがしっかり、慰めて1日中甘やかした。こっちにやってきたときには目にクマは無いようだったので、ひとまず睡眠は出来たのだろうと安心した。このような生活が5日ほど続き、ついに僕はリカーゴ病院を退院することができた。マレンさん曰く相当回復力が高いとのこと。正直、自分でもこのペースの回復は驚いているのだった。

どうも、winger86です。今回も最後までお読みいただきありがとうございます。さて、今回は久々の理鳳辺でした。第50話で意識を失った理鳳でしたが、実は1週間ほど気絶していました。皆さんはそのような経験はありますか?もちろん私はありません。さて、次回は理鳳たちの冒険が再開されます。一体どのようなことが待ち受けているのか、お楽しみに。それではまた次回のエピソードでお会いしましょう。


メモ

ミネアス・スーパーエラプション:

後神歴1001年6月22日にミネアスで発生した大規模噴火。その規模は同年年3月26日に発生したエンゲル地方での噴火の次に大きいものとなった。セン・ポート遺跡から溶岩流が流れ出し、その溶岩流はミネアスのほとりを流れるミヒ川を干上がらせながら流れ続け、メクシー地方にある河口まで流れ着いた。ミヒ川の流域では、溶岩流が完全に収まるまで動物やモンスターの凶暴化が相次いだ。噴火が収まった後、ゴルドナ中の研究者がセン・ポート遺跡内を散策し、噴火の原因を探っているが、入り口のいくつかが冷えた溶岩によって埋まってしまい、今でも原因は究明できていない。

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