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第51話 驕れる者久しからず

お待たせしました、ボルカノ物語約3週間ぶりに再会いたします!本日8月1日から8月31日まで毎日投稿していきますのでよろしくお願いいたします!

リカーゴから北東200kmの町――ミネアスにて――


*

俺様――サルフは今放浪者として一攫千金を狙ってミネアスにある『セン・ポート遺跡群』を探索し始めた。この遺跡はゴルドナで最大級の遺跡として昔から有名な場所だ。過去には新たなルートを開発して金銀財宝をゲットし、億万長者になった人が何人もいる。数年前にも表れた。この遺跡の特徴はその圧倒的な入口の数だ。街の中心部から近い順に第1セン・ポート遺跡、第2セン・ポート遺跡と続き、現在では12個見つかっている。今日入ったのは第7セン・ポート遺跡だ。ここは今見つかっている中で最も不明な場所が多い遺跡で、町のお偉いさん型はここに今までで最大の財宝が埋まっているという話らしい。もちろん、それをあてに来たのがこの俺様ってわけだ!


「サルフの兄貴、今回はどういう作戦で行くんすか?」

「それはもちろん!いつも通り力でねじ伏せていく!何ってったって、俺様はク守のナンバー1だからな!」

「それでこそ兄貴っす!!今日中まで来れるの俺だけでしたが大丈夫っすか?」

「人数が多いとそれだけ足手まといになるだけだ!俺様の右腕のお前だけで十分だ!」

「そう言ってもらえて、サルフ兄貴の右腕であるザフリックは感激っす!一生ついて行きやす!兄貴!」

「その意気だ!」


今日一緒に行くのは俺様が率いるサルフ軍団のTOP2であるザフリックだ。こいつは、俺があの忌々しきクルーランド訓練場を追い出される前から俺とともに動いてくれる頼もしいやつだ。どうやら、フ流を習っており、他の使用者よりも使える技が多いらしい。そして、いつも俺の戦いを最大限サポートしてくれるので俺様が最も頼りにしている部下だ。俺の部下たちの軍団サルフ軍団は総勢50人ほどいるが、今日はザフリックとだけで来ている。それは先ほども言った通り、道が分からないところで大勢を連れて行くと足手まといになるからだ。俺様はちゃんと合理的は判断もできる。やっぱり俺様って天才!そうこうして居ている間に未探索の場所までやってきた。


「ついに着きやしたね、兄貴。こっからは気を引き締めていきましょうっす」

「こういう時に俺様に忠告してくれるのはお前だけだ、いつもありがとうな!」

「いえいえ、それが右腕としての役目なんで当然っす!」

「よし!金銀財宝を手に入れてサルフ軍団全員で億万長者になるぞ!」

「はいっす!」


ついにその領域に足を踏み入れた。実はこの先は多くの冒険者が行方不明となっている場所でもある。恐らく先に強いモンスターがいてそいつにやられたと俺様は分析している。しかし、ここを訪れた冒険者の中だったら俺様が最強!負けるわけがないと確信している。そう信じて俺たちはどんどん進んでいった。


「一体丼くらい進みましたっすかね~?3時間とか?」

「まあそんぐらいだろうな、にしてもこれまで見つかったお宝はこんだけか、探索されていないのは噓だったんんじゃないか?どこもまるですでに漁られたような見た目をしていたんだぞ?」

「俺もそんな気がするっす。探索してないところにはちゃんとありますからね、金銀財宝」

「やっぱり俺様の目論見通り、この先のボスでみんな帰れなくなってるんだ!ということはこの先に前の冒険者が落としていったものや見つかってないものがたくさんある!この意味が分かるよな!?ザフリック!」

「俺たちサルフ軍団の億万長者はすぐそこってことっすね!ついに悲願達成っすよ!でも、ここで油断してダメになった手段もたくさん見たんで、俺たちはそれからしっかり学んでいきやしょう」

「さっすが!俺様の右腕だ!どこでも頼りになるなあ!」


そんな会話を交わしていると、ついにボス部屋らしき大きな空間に出た。すると、その空間の奥から白い煙が現れ―


ゴオオオオオーーーー!!!!!


という何か猛獣が叫ぶような音が聞こえた後、煙の中から赤色の巨大なトカゲが現れた。


「ついに現れたな!ボスモンスター!こいつ倒してあいつらにも飯を食わせてやるぞ!」

「当然っす!」


そうして、俺様は盾と大剣を、ザフリックは長剣を取り出し、戦闘態勢に入った。


「行くぞーーー!!!!」


俺様の掛け声と同時に赤いトカゲモンスターに攻撃を仕掛けた!すると、モンスターはこちらの動きに気付いて何かを準備し始めたが、それを終える前に二人して体を切りつけた。そこまで動きが早くないようだ。すると、体にはしっかり傷が入り、モンスターはもだえるような様子になった。しっかり俺様たちの攻撃は聞いているようだった。そして、攻撃したタイミングがちょうどよかったのか、準備していたものを途中でやめたことで暴発し、頭が爆発した。


ボンッ!


この体の色からして、火系統の攻撃をしてくるだろうとは予測していたが、読みが当たったようだ。やっぱり俺様って天才!そして、モンスターは頭の部分が黒焦げになり怯んでいるように見えた。そこで、ザフリックに目線を送り、二人して何度も攻撃を仕掛けた。これに大ダメージが入ったモンスターだったが、この攻撃に怒ったモンスターは大きな鳴き声を出して衝撃波を生み出し、俺たちを少し遠くにおいやった。


「あれだけの攻撃をしといてまだこれだけの元気があるのか。やっパり一筋縄ではいかないな!」

「そうっすね!俺なんかワクワクしてきやした!」

「ちょうど俺様もだ、こんなに倒し買いがあるのは久々だ…さあ、俺様たちに勝利を渡して心地よくさせろ!モンスター!」


もう一度その距離を詰めて攻撃しようとしたその時だった。先ほどと同じタイミングようなタイミングで距離を縮めたところ、モンスターは先ほどよりも短い時間で何かの技の準備を終わらせ、口からオレンジに光った炎を放ってきた。これに対して


「ザフリック!俺の後ろに隠れろぉぉ!」


ザフリックに対して急いで呼びかけた。ザフリックは間一髪俺様の盾の後ろに隠れ、二人して火炎放射から身を守ることができた。しかし、この帆脳の温度は非常に高く、盾の後でも全身の至る所にやけどを負ってしまった。火炎放射を終えた後、モンスターは一時的に動きが止まった。すぐに動こうとしたが、先ほどの攻撃でこちらも動きが鈍り始めていた。もうちょっと慎重に行動するべきだったか…それでも、モンスターが回復するよりも先に攻撃を仕掛けることに成功した。しかし、傷は入るものの、一向に倒れる気配がしなかった。そこで、俺様はザフリックに指示を出した。


「ザフリック!少しの間でいい!時間を稼いでくれ!あれをやる!」

「了解っす!兄貴!決めちゃってくださいっす!」


そうして、準備したのはあの思い出したくないヘンリーの野郎から教わったク守の奥義だ。この技は前隙が長い代わりに高い威力の攻撃を出せる。この一撃でこいつを倒す!そして、奥義の構えをするとすぐにザフリックの方から声がかかった。


「アニキ~~~!!!!今っス~~~!!!!」


こいつは俺様の技の発動タイミングを寸分の狂い無く知り尽くしている。だからこんな連携ができるのだ。さすが俺様の右腕だ!


「よっし!!これで倒れろ~~~!!!!」


ザフリックは最も倒しやすい心臓の部分をちょうどいいタイミングで誘導してくれた。そして―


バサァァン!


硬い何かを切り裂く音が空間内に鳴り響いた。すると、モンスターはちょうど心臓の部分で真っ二つに折れており、動きを止めた。


「やったぞーーーー!!!!ザフリック!いい誘導だ!」

「兄貴の役に立てて、俺感激っす!でも、これも兄貴の実力っす!もっと誇ってくださいっす!」

「もちろんだ!だが、これは俺様とザフリック、お前で倒したんだ!お前ももっと誇れ!」

「ハイっす!」


こうして、二人して喜びを分かち合っていると、体がどんどんと崩壊し、何かの臓器だけが残った。一応それも回収しておく。こういうのもたまに高額で売れるときがあるんだ。そして、少しして、冷静になってからモンスターのいない部屋を見渡すと、周りは黄色の土で作られた大きな空間で、周りには火のついた松明で明るく照らされていた。そして、入り口に近い部分を見ると、何やら不自然な穴、それも大きさは盾が俺様の身長、横はさっきのトカゲ野郎と同じくらいの幅をしていた。しかし、あまりそのことを気にせず、お宝めざし、先へ進んだ。空間を抜けて少し進むとしっかり金銀財宝がたんまりと置かれていた!


「やったぞ!これで俺らは正真正銘億万長者だ!」

「うおおおーーー!!!!兄貴万歳!!!」


そして、俺たちで持っていける分を袋に詰め始めた。そして、そろそろ入れ終わりそうといったところで


「ん?兄貴~なんかこの壁光ってるっす、何すかね?」

「そういうのは触らないほうが良いって相場で決まってるんだ、この遺跡で余計なものに触って命を落とした奴何人いると思っている?」

「もっちろん、触りませんよ!見るからに怪しいっすからねこの壁」


そう、金銀財宝の部屋の奥側はなぜか二重のピンクの円の中に様々な模様が書かれた不思議な模様をしていた。それも、かすかに光っている。だいたいこういう未知の物は触らないに越したことはないからな。そして、ついに積み終わり、アジトへ帰ろうとしたときである。ザフリックが金銀財宝の山に足を取られ、転びそうになった。それを支えようとして俺様が手を差し伸べた際に、二人ともバランスをとるために壁を触ってしまったのだ。すると――


フォン!


という何かが起動するような音と同時に後ろの光っている紋章の明かりが増し、何かが始まる感じだった。


「まずい!逃げるぞ!」

「ごめんなさいっす!俺のせいで…!」

「そんなことはどうだっていい!今は逃げるんだ!」


俺たちの特徴は何といってもその足の速さだ。だから、それをうまく使った戦法を利用している。それがさっきの先制攻撃である。そして、あっという間に財宝の部屋と大空間を結ぶ廊下に差し掛かったところで、後ろから熱風を感じた。一瞬だけ後ろを振り返るとあの紋章のところから赤く光った見るからに熱そうな液体がドバドバと出てきていたのだ!俺はこれを昔見たことがある。それは、小さいころ親とエンゲル地方に観光に行った時のことだ。ちょうど訪れていた町の宿に泊まっていると、遠くの山の山腹から赤く光った液体が流れているのを見たことがある。俺様の親は当時こう言ってた”噴火だ”と。そして、その噴火は俺たちよりも速いスピードで進み、あっという間に俺たちを飲み込んでしまった。どうして、このタイミングで俺様を捨てた親のことを思い出したんだろうな…


*


これは、後に『ミネアス・スーパーエラプション』と呼ばれる大事件の序章である。

どうも、お久しぶりです。winger86です。数週間ぶりのエピソードいかがだったでしょうか?今回は全く理鳳が現れないエピソードでした。理鳳たちは次回のエピソードから登場する予定です。お楽しみに。実は、この休止期間中、もっと手を加える予定でしたが間に合いませんでした。これから少しずつ変わっていきます。その際にはここにて通知いたしますのでよろしくお願いいたします。それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。


メモ

サルフ:

元ク守の2番弟子。現在は、ミネアスのセン・ポート遺跡を中心に活動する放浪者集団『サルフ軍団』のリーダー。幼少期に親に捨てられた恨みから、赤の他人に卑屈に当たることが多いが、基本的には自分を誇示しようとする性格。仲間には優しい一面も見せる。ク守の訓練場では、自分の実力を示そうと下級の弟子たちを何人も再起不能になる一歩手前まで戦わせたことで破門され、ミネアスにて放浪することとなった。ク守の人たちはミネアスに移動したこと、ミネアスでの出来事については何も知らない。


ザフリック:

サルフ軍団のTOP2で自信をサルフの右腕と名乗る。サルフもそれを認めており、ザフリックには全幅の信頼を置く。フィランデル流剣術を取得しており、1週間コースで習える技の他に中級技の高速突きが使える数少ない人物。クルーランド流守身術の中でもスピードで動くサルフとの相性がとてもいい。そのため、遺跡踏破成功率はミネアスの冒険者よりも高い。サルフとはクルーランドで出会っており、サルフはその才能を見い出して共に鍛錬を積むようになった。サルフが破門された後は自らサルフについていき、サルフの右腕としてサルフ軍団をまとめ上げていた。この事件で死亡が確定する際、彼は心の中で「この人と最期まで一緒に冒険できてよかった」と考えており、溶岩流に飲まれる前には穏やかな表情をしていた。

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