第42話 パーティーの臨時メンバー
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ヴァルキーと道のりを進んでいると、前方にこの間お世話になった3人組(1人はお騒がせした)が見えてきた。ヴァルキーはちょっと警戒していたが、僕はそれを気にも留めず話しかけた。
「あれ?カボディア達じゃん!どうしたのここで、帰り?」
「あ、リオじゃん昨日ぶりだわね。そうよ、さすがにボスティール経由じゃ時間かかるからこっちルートでフィランデルに戻ろうと思ってね」
「なるほど、確かにこっちのほうが近いね、ついでにピーツも寄ったら?」
「いや、何言われるか分かったもんじゃないから嫌」
「オキシールさんとチャコルドさん可哀そ」
「リオ?今の二人誰なのだ?」
「カボディアの両親。僕カボディアのお父さんに遭難してるところ助けられたんだよね」
「だから、リオは私の両親に挨拶してるから私の方が一歩リードだねそこのお嬢さん」
「んだと!?我は毎晩一緒に寝てるから我の方が進んでいるのだもうすぐでその先まで…」
ヒートアップした二人を放置してニトリード、ラードンと会話することにした
「どうも、昨日ぶりっすリオさん」
「昨日ぶりですねリオさん」
「まあ大体方向かぶってたから会うことは予想できたけど、あんなにこっ酷く(僕も)叱られたのにまだこりていないみたい…今朝からヴァルキーも様子おかしいし」
「なんかスイッチ入っちゃったんじゃないかなと思いますよ、私も彼が他の女性と一緒に過ごしてたら同じ対応を取ると思いますから」
「それはそれでやばいと思うっすニトリードさん…なんすか?…顔が怖い怖い…!!」
「女性関係には気を付けないとだな…」
「ええ、まだカボディアはおとなしいほうだと思いますけど、ゴルドナを探せば昨日のオーガンさんみたいな方なんてゾロゾロいるでしょうし、それで後ろのやついつ止めます?」
「まあ、そろそろじゃないかな?多分収まってなければ手が出始めると思う―」
などと話していると僕はなんとなくまずい雰囲気を感じ、後ろに移動した。
「やっぱりね、昨日あんなにやり合ったばかりなのによくまた出来るよね2人とも…」
そう、予想通り戦闘が始まる瞬間だった。剣を抜くのと防具をはめるのが見られたのですぐに止めた。
「!またリオ邪魔にしに来たのだな!この女さっきから変なこと言いやがって!いい度胸してるからい相手してやるのだ!」
「そうよ、邪魔しないで!昨日は決着がつかなかったからここで着けるの!」
「頼むからやめてくれ…どうせクルーランドまでは一緒なんだからね、仲良くしよ」
「「嫌だ!こいつなんかと一緒に冒険は!」」
「お願いですそこの2人この二人止められない?」
「無理っすね…」
「まあまあまあ、お二人の好きにさせてもいいんじゃないでしょうか?昨日ほど激しくはやらないと思いますし~」
「絶対そんなことない…よし決めた、じゃあその剣と防具没収な」
「「ええ!?」」
2人が抵抗する前にさっさと武器を取り上げ、自分のバックの中にしまった。いや、重いなこれ。
「大丈夫、モンスター来た時は返すから、あと僕たちの前を歩いて、ね?」
「なんか落ち着かないのだ~」
「ちょっと不安かもしれないわ」
「なら戦わなければいいじゃん、どうせ争ったところで僕の心は手に入らないだろうし」
「決めるつもりないのか?」
「前言ったじゃん、今は恋愛する気ないって」
「そんなこと言ってたの?リオ、なら私もしばらくは大人しくするわよ、子供じゃないんだし」
「我を子供だと言いたいのか?あん?」
「そこ!いちいち反応しない!あ、直らないんだったら僕が相手してあげる、もちろん手加減なしでね」
「「あ、ご遠慮します」」
「ならやらないこと!」
こうして、上手くまとまったのかは別として、争いを収めることができた。僕たちとカボディアのパーティーは途中まで道が一緒ということで、一時的に僕たちがカボディアのパーティーのメンバーとして過ごすことにした。万が一の時には僕が相手することで同意しているのは会話の通りである。
この世界としては多い5人パーティーでエミリー湖のほとりを歩いていった。ここからクルーランドまでは3日ほどかかるので、宿は僕たちとあっちのパーティーそれぞれで取ることにした。毎朝その町の広場で合流という形にした。最初、男性と女性でそれぞれで取る案も出たが、あの二人を近づけると何が起きるか分からないとのことだったので、いつも通りに落ち着いた。そこからはヴァルキーとカボディアのちょっとした言い合いを除けば、何事もなく順調に旅路を進んでいった。
「ここまで何もないのも久々だね、なんか疲れが取れていく感覚がある」
「私も同じことを思いました~最近はリオさん追いかけてずっと急いで動きっぱなしでしたし」
「俺も和でこんな時間が続けばなって思うっすよ~いや~働きたくないな~」
「お兄さん、フラグ建築は止めましょう」
「フラグって何なのだ?」
「それはね…行ったことがそのまま本当になってしまう予兆とか伏線のことを言うんだけど、まあ世の中にはその伏線をしっかり拐取する人っていうのがいるんだよね~僕のいっ…知り合いにもそんな人がいて、その人が言ったことは半分以上その通りになってたのは面白かったな~」
「なあ、カボディア、我女の気配がしたのだ」
「同感」
「あなたたち鋭いね、でもこれだけはここで話せない内容だからまた今度ね」
「ち~ケチ!」
「あ~なんとなく予想着いたわ、じゃあ私もここで言わないでおくね」
「なんでカボディアだけ分かったのだ!ずるいのだ!」
「そうしてくれると助かるよ、ティア」
「えへへ~いいんだよ、私とリオの仲だし~」
「すぐそういうこと言わない!」
「は~い」
「我にも構うのだ!」
「僕お母さんじゃないよ」
依然として和やかな雰囲気が続いており、このまま終わるかと思われたが、どうもラードンが建てたフラグがしっかり回収されたようだ。湖とは反対の方角から大きな衝突音が聞こえた。
「ドンマイ、ラードン。フラグ回収されちゃったね」
「何してんのよ!ラードン!あんたがこんなこと言わなければこのままクルーランド付けたのに!」
「そうですよ!ラードンさん!」
「俺のせいなんすか?理不尽っすって!」
こうしてその大きな音の方向に5人で向かった。すると、森の中に角が3本の大きな虫と2本の大きな鋏を持つ虫が衝突している音だった。あれ?オオクワガタとヘラクレスオオカブトじゃない?しかし、大きさと色が違う。クワガタに見えるほうは大きさは僕たちの何倍も大きい5mほどで、ハサミだけなら2mは優に超える。体の色は発色のよい青色をしていた。対して、カブトムシの方も体長五メートル、角だけなら2mほどあり、体色は鮮やかな赤色をしていた。色の三原色のようである。
「これは、ウォータースタグとブロードリノセロよ!たまたまテリトリーが重なって喧嘩しているみたいだわ!」
「このままだと、喧嘩がヒートアップして道中にも影響が出る可能性があるからここで討伐しましょう!私は周囲に別の個体がいないか捜索するのと、安全の確保をしておきます!」
「頼むわよ!ニトリード! ラードンはスタグの方を引き付けて!」
「了解っす!」
カボディア達のパーティーは自分たちで動き出すほど迅速な連携が取れていた。僕たちは一旦邪魔内なら内容様子を見ながら動くことにした。すると、ラードンが衝突の衝撃でひるんでいたスタグの懐に入っていき、ハサミの中に入ってしまった。正直見た目としては挟まれてしまいそうで怖いがあれで大丈夫なのだろう。そして、リノセロの方はカボディアが角を切り落とそうとしていた。しかし――
「硬いっ…!やっぱり一筋縄ではいかないわね…」
カボディアの剣が弾かれてしまい、一旦引いて体制を整えざるを得なかったようだ。ちなみに、剣と防具はここに向かうときに返してある。僕は助太刀に入ろうとしたが、ティアはこちらに大丈夫、私たちの実力見てて、と言わんばかりの目配りをしてもう1回戦闘を始めた。今回は僕たちの出る幕はないかもしれない。
どうもwinger86です。いつも本作品をありがとうございます。さて、今回はカボディアのパーティーとの共同冒険の回でした。もちろん、ヴァルキーとカボディアは両方ともライバルなのでしばしば争っていましたが、何とかまとまり始めているようですね。次回はついにクルーランドに到着し、目的を果たしに町をめぐっていきます。いったいどのような街なのか…お楽しみに。それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。




