第27話 円安と自動追尾型地雷
疲れが限界に達し、気絶するように寝た翌日、体はすっかり元気になり、今日から冒険に向かおうと考えた。しかし、ヴァルキーはまだ寝ているため、今日はゆっくりすることにしよう。そういえば、前にギルドへ渡したあいつの心臓と鱗は?少し気になったので一旦ヴァルキーを置いてギルドへ訪れることにした。
「ああ、あれかい?一旦鑑定士に渡して鑑定が終わったところだ、価値としては200万ゴールドくらいだと聞いて驚いたかい?」
「ちなみに…それってどのくらいの価値になるんですか…?」
「そうだな…家2軒は余裕で建てられるだろうな」
あっちの世界の当時の家の価値って5000万円くらいだったはずだから、軽く1億!?持ってきたらまずいやつだったんじゃ?ちょっとここでレートを計算してみよう。いつもクエストクリアで得られるゴールドは多くて10ゴールド、平均は5ゴールドほど。ご飯はいつも2~3ゴールドほどで食べられるよね。一旦これを念頭にして、日本円とゴールドの価値を比較すると…500:1…固定相場制時代の日本対アメリカより円安か~って、え!?やべえ…ここにト〇タ来たらマジでこの世界がひっくり返るぞ…!
「どうした?まさかこの価値にびっくりしちまったかい?無理もない、俺も初めて聞いたときは度肝を抜かれたんだ、はは!さすがに額が大きすぎるから周りの人にはいってない。そこは安心しな。それはさておき、これどうする?」
「一部は研究所に資料として送り、さらにもう少しを自身の装備として使いたい!残りはゴールドに換金します!」
「それでもまだ大量に残るだろうな、常に大金を持ち歩くのは危険だから銀行にでも預けておきな。ここなら銀行口座を作る手続きもやっているからな。」
初耳である。この世界にも銀行の仕組みがあるとは…まあ必然か。中には貿易で大量に稼いでいる人もいるだろうし。とにかく銀行口座を作ることにした。
「ちなみにここで手続しているのはゴルドナ銀行とプレール中央銀行だ。どっちにする?」
「リスクを考えて両方作ります」
「ほう、珍しいね。みんな普通は一つの銀行で一つの口座しか持たないってのに。誰の入れ知恵だろうね?」
「まあまあまあ、そこはお気になさらず…」
「分かった。両方作ろう。冒険者証は今持っているかい?」
「持ってます!」
そんなこんなでトゥーロンで銀行口座を2つ作ることになった。そして、様々な契約を終え、やっとこさ宿に帰ってくることができた。
「どこへ行っていたのだ?まさか他の女のところか?」
「あなた僕の恋人じゃないんでそういうこと言う権利ないでしょ?昨日のモノ確認しただけだよ。」
「なるほど、ちなみに女に会ったのか?」
「ギルドの受付の人中年の男性の人だったよ。大丈夫、これは一旦置いておいて、出かけるよヴァルキーさんや」
「なら安心なのだ。で、どこに行くのだ?」
「防具屋に向かうよ。ヴァルキーのもついでに作る予定。昨日のやつそのまま素材に使えそうだったからね」
「ということはリオとお揃ってことか!?うれしいのだ!」
「そだね~一緒に冒険するパーティーメンバーなんだから当然じゃない?今回はヴァルキーにも助けられたからいいのを作ってあげたいし」
「そんな//愛の告白か?もちろん答えはOKなのだ!」
「違うね、さっき僕パーティーメンバーって言ったよね?聞いてなかった?」
「ちっ、勢いで行けると思ったのに…」
「はいはい、じゃあ着替えていきますよ」
そうして、身支度を待った後、1人と1匹で装備屋へ向かった。
「おや、いらっしゃい、この間の竜使いの人じゃないか、どうしたんだい?」
「僕と彼女の装備をこれを素材に作って欲しいんですけど…お願いできますか?」
そういって自身のバックから心臓と鱗の一部を取り出した。
「なんだね?これは」
「マグマドラゴンの心臓と鱗です」
「聞いたことないな~この素材。触ってもいいかい?」
「ええ、もちろんです」
「う~む、これは私では加工できんな~すまん」
「分かりましたありがとうございます、別のところを当たってみます」
「いや、この町できくのは止めときな。おそらく誰もこれを加工できない。できるとすれば、ニュークの鍛冶師、もしくはシーゴにいる鍛冶師しかいないだろう。どっちかを当たってきな」
「ありがとうございます!ヴァルキー、今は作れないみたいだ。一旦宿に戻って会議しよう」
「了解なのだ!」
再び宿に戻ることとなった。
「ニュークってところとシーゴってどこなのだ?」
「ニュークは前に言ったことあるけど、今僕はあそこで追われる身だから行けないんだよ…だからシーゴかな、ちょっと地図見てみるか~ああ、デントロンの奥だ、なら『オートマ―遺跡』寄るついでに行くか」
「また遺跡?リオと一緒に冒険できるならどこでもいっしょに行くのだ!」
「すまんね、僕とある人に調査を依頼されていて、それの関係でいろんな遺跡に寄らなきゃならないんだ。これからも頼れるメンバーとして一緒に来てくれる?」
「いいのだ!と言いたいところだけど、メンバーが気に食わないのだ。我としてはすでに英会陰を誓い合ったパートナーのつもりなのだ。そういわなかったリオに不満があるのだ。ここでパートナーですっていうのだ!そうでないと我はついていかないであの遺跡に引きこもるのだ…」
「…そうだね、結局2人で行くんだしパートナーって言っても差し支えないね。オッケーじゃあパートナーとしてよろしくね」
「もちろんなのだ!!!リオ♡♡♡」
ちょっと熱い視線を感じたが、問題ないだろう。とりあえず今日はこのまま休息をとり、明日から早速シーゴに向けて、先にデントロンだけど出発しよう。そう決めたのだった。翌日、ギルドに立ち寄ると、デントロンまでの色々な情報と、気になる話をされた。
「昨日、スフィールド村の方で村長とフィランデル2番手の冒険者パーティーメンバーのリーダーがやり合ったそうです。幸い一般の方には被害がでなかったそうですが、この一件の後、少し冒険者の信用度が下がることが予想されます。くれぐれも気を付けて冒険なさってください」
「リオ、この女とたくさん話してて楽しそうなのだ。ずるいのだ。我ともいっぱい話をするのだ。」
「ごめん、ヴァルキー、ちょっとそれどころじゃない。色々まずい気がした」
「何かこの事件で心当たりでもあるんですか?」
「ちょっと裏の方で少しお話良いですか?」
「ええ、まあ」
「ヴァルキーも若干関係あるから付いてきて」
「?分かったのだ」
ギルドの若い女性の方とヴァルキーを連れてギルドの裏へ行った。はたから見たら怪しいけど。
「ここからは他言無用でお願いします。まず、その事件のきっかけ多分僕です。ちなみに、フィランデル2番手のリーダーってお名前は?」
「確かカボディアさんだったはずです。」
「やっぱりそうですよね。ならほぼ確定じゃないですかね」
「何のことなのだ?リオ?」
「その事件原因は僕を取り合ったことじゃないかな?多分」
「「え!!?」」
女性陣二人は大きく目を見開き、大きな声で驚いた。
「本当に女性をたぶらかしていたのか、リオ!見損なったぞ!でも、リオは我のものだ!」
「まさか竜使いの方がこんな色恋の多い方とは、恐れ多いですね…」
「若干誤解があるようなので解いておきますけど、二人とも振ってます僕、なにせ僕伴侶ないし配偶者を作る気は今は無いんで。でも、あの性格の二人がそう簡単にあきらめるとは思えない。今回もたまたま出くわして、互いの身の内を知ったうえで女の戦いとでもいうんでしょうか、争い合ったんでしょう。ということは、カボディアは僕を追いかけてこっちに来てるってこと?ちょっと話が複雑になってきたぞ…」
「なるほど、分かりました。もしこちらにおいでになられましたら、あなたのことは黙っておきます」
「ありがとうございます。それが僕の身が守られる一番の選択だと思います。一応、諸事情ってことでギルドの皆さんはなるべく僕の名前を出さないようにお伝えいただけると…ヴァルキーもライバルだから用心しとくんだね。万が一の時は戦うかもしれないから」
「我の気持ち届いていたのか!?うれしいのだ!分かった!リオは我が絶対守るのだ!」
「助かる。とりあえずお話はここまでということで、トゥーロンから先の情報ありがとうございました。それでは出発します。」
「はい、お気をつけて~」
そういって、後ろから追いかけてくる地雷から遠ざかるようにトゥーロンを後にしたのだった。
どうも、winger86です。いつも、読んでいただきありがとうございます。さて、今回はトゥーロンでの準備回でしたが、いかがだったでしょうか?ゴールドのレートは以上でしたね。固定相場制の時のアメリカとのレートは1ドル360円だったので、それと比べると異常さが際立ってきますね。そして、本編にも影響を与えるほどの争いをしておりました。その詳細は今後書く予定ですので、お楽しみにお待ちください。それでは、また次のエピソードでお会いしましょう。




