第26話 いつの間に?②
この物語に**のマークが現れます。このマークから先は心の中の声が二人になるという合図です。〇:のようにコロンの右側にある文字の人の心の中を描写していると捉えてください。この描写は同じく**で終わります。その先は語り手がリオへ変わります。少しわかりずらいかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
凡例
オ:→オーガン
カ:→カボディア
今日の朝、ファスト街道の安全が確認されたことから、私たち3人はリオを追っかけ、ボスティールへ向かった。本来ならば、移動時間短縮のために、馬車を利用するところだが、ボスティールの噴火とエンゲルでの大噴火の影響で未だ運休中とのこと。
「馬車使えればすぐ追いついたんすけどね~これもまたタイミングが悪いというかなんというかっすね」
「でも、リオも馬車を使えなかったと思うわよ、実際馬車が使えたのは前の大噴火前だったようだし」
「なら結構進むスピード速くないですか?そういえばこの間ギルドで走って逃げている人がいるって言ってたってことはもしかして走ってボスティールへ向かった?とかですかね」
「その節でほぼ間違いないと思うわよ、じゃなきゃこんなペースで進めないし」
「ひとまず、ゆっくりでいいから少しずつ追いかけましょうか」
「へい!」
「もちろん!」
3人で意気込んで北へ北へ向かった。道中若干の火山灰が残っているのを見受けられたが、ほとんど除去されているようだ。そこから先は何事もなく、ニュードンの町を経由して二日でボスティールに到着した。ニュークのギルド職員曰く、フィランデルの方で研究所に直接運ぶクエストを受けたらしく、研究所にいる可能性が高いとのこと。街に入りすぐに研究所のもとへ向かった。
「リオさんですね、彼普段ならあり得ないほどの高純度でこちらにモノを運んできてくれたおかげで、かなり研究が進んでるんですよ~いやありがたい!」
「そうなんですね~さすがリオ!じゃなくて!いったいどこに行ったんですか!?」
「失礼しました。彼は4日ほど前にここにいらして、今度は西の方へ向かわれたそうです。なんでも、他の遺跡を探索するんだとか」
「ありがとうございます!それでは!」
「ええ?それだけですか!?」
「うちのティアがすみません…」
「俺からも誤っておきますすみませんっす…」
すっかり職員にあいさつするのを忘れたが、いいだろう。それよりもリオだ!次は西?西って何かあったっけ?とりあえず先に進もうということで、すぐにオーバ村の方へ向かった。しかし、思いのほか距離が遠く、結局その前にあるスフィールド村という村に1泊することとなった。
*
ガチャッ――
「え!?村長!どうかなさいましたか!そんな地べたに寝転んで!」
「んん…おはようヒドロナさん、どうかした?ってリオさんはどこへ…?」
「リオさんなら今朝すれ違いましたよ。なんだか顔面蒼白で早歩きで立ち去っていきましたけど…何借りましたか?」
「は?リオ、私から逃げたの?私のどこが悪かったの?いや、他の女のところに会いに行ったんだわ絶対…許せない許せない許せない許せない許せない浮気浮気浮気あああああああ!!!!」
「もしかして、先代の奥様と同じやつですか?私個人としては奥様がもっと自重していれば先代はまだ生きていたと思うんですか…というのはさておき、ウラリー村長!私の話が聞こえていますか!!!」
「はっ、失礼嫉妬でどうにかなるところでした…止めてくださりありがとうございます。どうもリオさんに惚れてから自我がなくなるようになってしまったみたいです。実際、昨日もこの部屋による訪れたところから記憶がないんです。」
「お酒飲んだんじゃないですかか?それにしたってその匂いしないですけど…あと、気のせいかもしれませんが、肌がつやつやのように見えますね。このあたりは海からちょっと遠い関係で乾燥するのに…」
「私も覚えていなんですよね…それが。でも、リオさんが焦ってここを飛び出したということは私夜に何かやらかしたんでしょうか?」
「知りませんよそんなこと…気になるなら本人に確かめてみては?次いつ来るか分かりませんけどね」
「さすがに村長がこの村から長期的に不在になるのは避けたいから今回は止めておきます」
「それが良いと思います。おそらく、またリオさんに会ったら記憶吹っ飛ぶ気がします。実は、先代の妻つまりあなたのお母さんであったキューリーさんも似たような性格でして、先代は彼女の脅迫に等しい猛アタックの末結ばれたという過去があります。その後、結婚なさった後は毎日げっそりしてましたね。今の言葉でなんというか私にはわからないですが。?これは先代からのメッセージですね。やっぱりこのことを危惧していたようです。読みますか?」
「はい…うわぁ…お父さんの言う通りになっちゃった。好きな人を見かけると人が変わるタイプだったのね。今後は気を付けますヒドロナさん…」
「また、吹っ飛びましたらこちらに引き戻しますので」
「そうしてくれると助かります。」
私―オーガンはリオさんに村を救われた翌日、なんだか変なことになっていた。起きると、床に寝ており、リオさんはいない。そして、ヒドロナさんは私の父の昔からの友達で、今年で55になる。ちなみに、お父さんは53で亡くなっている。早いな…昔から、一緒に色んな所へ冒険し、互いに助け合ってきた仲だ。
「とりあえず自分の部屋に戻って身支度済ませて仕事しますね」
「分かりました。ではこれにて失礼します。ウラリー村長」
こうして、通常の日常に戻り、いつも通りの仕事をこなしていた。しかし、3日後にフィランデルの方から来たという冒険者パーティーによってその日常は再び一変する。
**
「どうもこんにちは~私はこのスフィールド村の村長をしておりますウラリーと申します。」
「どうも初めましてね。私はこのパーティーのリーダーで剣士をしているカボディアよ。ティアって呼んでね。」
「このパーティーの戦士をしているラードンっす。今日はよろしくっす」
「このパーティーの斥侯と荷物持ちをしているニトリードです。本日は泊めていただきありがとうございます。」
「自己紹介ありがとうございます。3人ですので、宿はこちらになります。ちなみに、今日はどのような用事でこちらまでいらしたのですか?」
「いや~聞いてくださいよ村長さん~実はうちのリーダーが好きな人追っかけて~」
「ちょっ!!!そんなこと言わないでよ!恥ずかしいじゃない!」
「いえいえ、恋愛トークは楽しいので全然かまいませんよ。で、その好きな方というのはどちらに向かわれたかはご存じなのですか?」
「遺跡探索に向かうとか言ってたからおそらくこの先のデーガ遺跡じゃないかって思ってる。だから、一旦ランチェスターを経由してトゥーロンに向かおうと考えているわ。」
「ちなみに…そのお好きな方の名前というのは…?」
「リオっていうんですよ~どうも前の遺跡探索で命からがら助けられて惚れちゃったそうです~」
オ:その瞬間体に電流が走ると同時に、頭と心が真っ黒に染まったのを感じた。そこから奥底の自分がどんどんと現れ――
「リオ?今リオって言いました?あなたもリオさん狙っている方なんですね…ははははは」
「これヤバい感じがします。なんかまさしくよくないことを言った気が…」
「俺も同感っす…今日で命が終わる可能性がしてきました…」
「え?」
カ:リオの名前を発した後、おもむろに引き出しにあった消しゴムを取り出し、目の中にあったハイライトそれでを消してしまった。え?痛くないの?その後、目の中にはあるはずのないハートの印があった。
「リオさんこんな美人を侍らしていたなんて本当に浮気だわ…許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない……!!!!!」
「ちょっとなんでリオってだけでそんなになるの!?」
「リオさんは私の物です。私だけの物なんです。他の人には渡しません。絶対。ということでティアさんいや、泥棒猫!ここで消えて!」
カ:すると急に殴りかかってきた。どうも、リオを取られると思ったらしく、私を倒そうとしているようだ。にしても、リオモテるのか…チキんなきゃよかった…かっこいいもんね~でも、私からしてもオーガンはライバル!ここで決着をつける!
**
こうして、僕をめぐる正妻戦争が裏で幕を開けたようだ。この事実を知ったのはなんと1か月後のことである。あ、妻は元の世界で作るからね!さすがに。
どうも、winger86です。いつも本作品をお読みいただきありがとうございます。今回は、カボディア率いるパーティーの大冒険後半と、スフィールド村での正妻戦争勃発回でしたが、いかがだったでしょうか?ついに始まりました。ヤンデレVSツンデレの対決です。割と待っていた人もいたのかなって思いますが、私自身コメントをもらったことがないので、想像だけにとどめておきます。いや~こんなに好かれる理鳳がうらやましいと思う気持ち半分、ちょっと大変そうだなっていう気持ち半分ていう感じです(自分で作りだしたキャラクターなのに)。それはさておき、正妻戦争の結末は少し間が空き、一旦次回からまたリオの旅が再開します。もちろん、ヴァルキー同伴でね。この二人この先でどんな冒険を繰り広げるのかお楽しみに。最後に、今週は今までの内容をよく見返したところ、少し話が飛んでいる部分がありましたので、その補填として金曜日に1エピソードのみ先に投稿されます。それ以外の本編は通常通り来週月曜日18時に投稿予定です。ご留意ください。それでは、また次回のエピソードで会いましょう。
メモ
ラードン:
カボディア率いる冒険者パーティーの戦士。フィランデル所属冒険者の中では1番の耐久力を誇る。しかし、攻撃手段を持たないため、このパーティーはやや火力不足となっている。
ニトリード:
カボディア率いる冒険者パーティーの斥侯兼荷物持ち。一見すると、逆の役割のように見えるが、実際には斥侯をする時のみ、荷物を他の二人に渡し、最低限の荷物で斥侯を行う。斥侯技術はフィランデル冒険者中2番手。スピードはやや遅いものの、その正確性は目を見張るものがある。
ヒドロナ:
スフィールド村で暮らす元冒険者。スフィールド村前村長とは旧友であり、若いころはいくつものダンジョンを攻略した。キューオ街道で有名な冒険者の直属の弟子であったりする。現在は、村長補佐としてオーガンを支えている。ちなみに、オーガンの母親であるビスムと先代村長のジンが結婚をするとなった時は、全力で反対したものの、ビスムの脅しにより、屈服させられ結ばれることとなったという逸話がある。




