第24話 レイドバトル!
僕はいきなりマグマドラゴンに対して攻撃を仕掛けた。動きを制限するために、まずは羽から落とした。
「そいや!!!」
「さすが、リオなのだ!!!我も加勢するのだ!!!」
羽を片方切られたドラゴンはもだえ苦しんでいるのか、途轍もない声量で吠えた。正直1883年に噴火したクラカタウ火山の170dBに匹敵するんじゃないかと思ったくらいである。(実際に聞いたことは無い)壁を蹴り、そのまま反対の羽まで切り落とした。この時、羽は中級の突き技での地面をけった速度を使った横切りと重力を利用した縦切りで切断することに成功した。ヴァルキーも動きを抑えたり、引き付けてくれたおかげで、攻撃を入れられたので、あとで撫でることにしよう。すると、怒り狂ったドラゴンが喉らへんを光らせ始めた。
「リオ!なんか来るのだ!」
「とりあえず、あの光っているあたりを切ってみる!」
と急いで向かってみたのも遅く、息を吸って僕の方向へブレスを飛ばしてきた。口から出てきたのは、まさしくキラウエア火山のような速度が速い溶岩流のようであった。僕は、もろにそのブレスを受けてしまい、壁にたたきつけられた。
「リオ!…お前!私のリオに何をする!許さん!」
「焦…らない…で……」
ヴァルキーが僕に向けて撃ったブレス光線を浴びせていた。しかし、胴体の一部が削れただけで、あまりダメージは入っていないようだ。さらに、悪いことに先ほど切り落とした羽が修復を始めたのだ。
「え?……これまずく…ない…?短期…決戦…ってわけか…こんなこと…している場合…じゃないんだけど……体が痛くて動けない…」
「リオ!!!今そっちに向かうのだ!!!」
「ヴァルキー………後ろ!!!」
「え?」
と知らせたのも束の間、先ほどの攻撃を食らったにもかかわらず、すぐにこちらへ溶岩流攻撃を繰り出してきた。ヴァルキーは間一髪のところで避けと防御の水の膜を出し、致命傷は避けたものの、ダメージを追ってしまった。
「我の不注意でリオをもっと不利にしてしまったのだ…ごめんなさい…」
「いいから…一緒に頑張ろ……もうちょっとで…動けるから…時間稼ぎ…できる?」
「分かったのだ!!!リオのためならやるのだ!」
そういって僕に攻撃が当たらないようにしつつ、よけ始めてくれた。その間に、僕は何とか歯を食いしばって立ち上がり、最後の一発を繰り出す準備を始めた。もし、この一発を外すと、先ほど与えたダメージがすべて回復しきり、持久戦で負けてしまうので、この一発で決める必要がある。今回打つのは、あのコロシアムの時に打った、フ流最強のあの回転切りである。あの技は、単体で使うのも強いが、初級の加速しながらの横切りと、中級の高速の突き技を打った後に、加速した状態で回転しながら打つと威力が上がるという機能がある。ちなみに、この機能に気が付いたのは卒業してからだったりする。しかし、この三つの技を連続で繰り出すのはかなり体力を消耗する。普段なら難なく出せるが、今は体中が痛みを訴えており、集中力も低下しているので出せるのは1回だけだろう。僕は覚悟を決めて、地面を思いっきり蹴り飛ばして初級突き技を使った。次に、壁を走り、勢いを殺さないようにしながら加速する方向に蹴り、中級技を使い、上へ向けてさらに加速した。この状態でドラゴンの心臓目掛け重力の力も利用しながら回転し、複合技の上級技を繰り出した。
「うおおおおおお!!!!!」
「いっけーーー!!!!!リオ!!!!!」
僕の繰り出した技は狙い通り胴体の真ん中を思いっきり真っ二つにした。切り込んだところで力尽きてしまい、そのまま地面に打ち付けられそうになったが、ヴァルキーに寸前のところで拾われた。マグマドラゴンは、切られたところから灰となり、心臓と鱗2枚を残して完全に消えてしまった。そのとき、ヴァルキーの方も限界が来たのか、水の膜がなくなった。すると、このダンジョン部屋がいかに高温となっていたかを肌身で感じた。
「熱っ!!!!!というかヴァルキーも限界だったんだね、最後まで本当にありがとう…」
「当然なのだ…と言いたいところだったけど、さすがにもう限界なのだ…」
ヴァルキーも肩を揺らしながら僕の声に応えてくれる。僕はいいペットを持ったな~なんて、割と二人とも体力がやばいので何とかヴァルキーの寝床まで肩を貸しあいながら向かうことにした。ヴァルキーがヒトの姿に変化し、
「こっちの方が消耗が少ないから多少余裕があるのだ…リオは我に肩を貸すのだ」
「本当にありがとう…ついてきてもらってなかったら今頃どうなっていたか…」
行きよりも多くの時間をかけて寝床までたどり着いた。もちろん、普段からヴァルキーが生活しているのもあって、物置に回復薬が1瓶だけおかれていた。薬草はこのあたりで有名なマリースではなく、ヨウカビジリスであった。回復量こそ少ないものの、ヴァルキーと半分ずつ分けてのみ、若干だけ体力を回復させた。この時、『リオと間接キス…♡』などと言っていたが、命の危機に瀕しながらこの言葉が出てくるのはちょっと重い可能性を感じた。あの、デレデレだけど、重くない異性をください。あ、でもヴァルキーは異性ではないか~などと考えていると――
「今、リオ失礼なこと考えた気がしたのだ。その内、そんなことを考えさせないくらいにさせてあげるから、覚悟するのだ!」
「おけ、じゃあ頑張って」
「なんだその反応は!絶対に後悔させてやるのだ…」
湿っぽいような、獲物を狩る肉食獣のような目をこちらに向けながらしゃべっていた。これは先が長くないな~と僕は思った。
そのまま、僕とヴァルキーは寝床で一睡し、体力が回復したのでトゥーロンの町へ戻った。すぐに、ギルドへ訪れて――
「クエストの調査書と戦利品です。」
「デーガ遺跡の物ですね。確認しました。ご協力ありがとうございます。それは一旦おいておいて…なんですかこれ!何のモンスターの心臓ですか!?デカすぎじゃありませんか?そしてこの鱗、大陸中のどの金属より硬い可能性があるのはいったいどこからとってきたんですか!?両方とも見たことがなく、鑑定不可能です!」
「遺跡の奥の方にマグマを吐き出すドラゴンが現れて、それを討伐したら残ったのがこれでした。」
「え?マグマを吐き出すドラゴン?炎のブレスとかではなくて?」
「明らか液体状の物体だったのでマグマですね」
「ちなみに、厚さ大丈夫でしたか?仮説が正しいなら体溶けてますけど…」
「こっちのヴァルキーが守ってくれたので大丈夫でしたよ」
「我も頑張ったのだ!たくさん褒めて、撫でてほしいのだ!」
「よしよーし、頑張った、頑張った!えらい!」
「へへ♡心地いいのだ~♡」
「あの、ここでいちゃつかないでもらえます?」
「ペットとの触れ合いはイチャつきなんですか?」
「お相手が女性のように見えるので…」
「あー、すいません気を付けます」
「ちょっと話がそれましたが、これを鑑定していただける人とマグマドラゴンについて何か情報がないかこちらの方で調べてみます。明日には終わらせる予定ですので、また明日ここを訪れてください。大変な依頼だったと思われますのでしっかりお休みください」
「お気遣いありがとうございます。よし、一旦帰ろうかヴァルキー」
「はいなのだ!」
「そういえば、あなた方ってこの間の湖の主とその飼い主の方ですよね?サインください」
「いいですよ~ヴァルキーも手形しな」
「分かったのだ~」
僕たちは一仕事終え、宿に向かった。そこへ着くと――
「ここに何泊化されると伺っておりましたので、昨日はお帰りにならず、少し心配いたしました。何かありましたでしょうか?」
「昨日、遺跡探索で強いモンスターに出会ってしまい、それを倒して大ダメージを負い、遺跡で1日動けなくなってました。すいません、連絡入れられず…」
「そうだったのですね。ということはまだお疲れだと思いますので、長話はこれくらいにしてゆっくりおくつろぎください」
「ありがとうございます」
そういって、自身の宿部屋まで向かい、部屋に入ってすぐにバタンキューで眠りについた。
どうも、winger86です。今回も本作品をお読みいただきありがとうございます。今回は、ヴァルキーとの共同バトルでしたがいかがだったでしょうか?この間ヴァルキーと戦ったばかりなのにすぐにまた戦いというのはハードスケジュールでしたね。でも、すでに体力は人間ではないので可能だったようです。デーガ遺跡編は一旦このあたりで終了し、本編を外れてあのツンデレとヤンデレがついに動き出します。お楽しみに。それでは、また次のエピソードで会いましょう。




