第23話 未知のモノは面白い
まず、魔法についてヴァルキーが話した。
「魔法は、我たちの体から絶えず生み出される魔素を体を動かすようにして、移動させ、集めることで、想像したものを作り出せるようにすることをいうのだ。ただ、この魔素は体内で貯めきれなくなると、体外に排出される。この魔素は一定時間その場所に留まった後、消えてなくなる。ただ、その魔素の量が多い、外部から刺激を受けるなどすると、モンスターが生み出されるわけなのだ。見たところ、理鳳は全く媽祖を発していない。ということは、今の人類は何らかの原因で魔素を作り出せなくなったと見ていいぞ」
「ふーん、その魔素がどのような物質だったのか詳しく研究していた人とかいなかったの?」
「いたぞ、それが”大魔法使いだ”。彼はその研究にのめりこみ過ぎた結果、”神”の怒りを買い、結果今のような世界になってしまったんだぞ」
「じゃあ、そういう研究の中身までありそうだな~ということは、魔素はどんな物質にも変化できるような物質ってことでいいのかな?」
「だいたい、それでいいのだ~詳しくは我にも分らん」
「教えてくれてありがとう」
僕は思わずヴァルキーの頭を撫でた。すると――
「!!! ♡~~もっとやって欲しいのだ♡」
そうとうお気に召したらしい。何か役に立つことをしたらやることにしよう。一旦なでるのをやめ、まだ残っている疑問をぶつけてみた。
「ちょっと魔素って今出せる?」
「もちろんいいのだ! ほれ」
といって手から出てきたのは紫色に光った粒子のようなものだった。この見た目だと、体内で生成された時は、その性質が決まってないけど、何かしらの刺激によってその粒子の性質が決められるようなのかと考えた。これは予想でしかないので、一旦頭の片隅に置いておく。
「触ってみても特になんも感じないね。」
「それはリオが全く魔素を持っていないからだぞ。魔素を生み出しているなら、他人の魔素でも触れるぞ」
「なるほどね~不思議な物質だね」
とりあえずこの魔素とかいう物質は謎が深い物質であることはよくわかった。次に、呪いについて聞いてみた。
「呪いって?」
「呪いは基本的に魔法と変わらないのだが、呪いは魔素から呪い分子と言われるものを作り出して、相手にその分子を付着、吸引させることで発動する半永久的な魔法なのだ。この魔法を解くためには、付着した呪い分子を全て、反呪い分子にくっつけることで、解除するしか方法がないのだ。そして、効果は、術者の魔力が切れる、また術者が解除するまで続くのだ。でも、ランタン魔法より消費魔力が大きいから持続でないなので、戦争でしか用いないのだ。呪い分子は誰でも作れるのだが、さっき説明した反呪い分子は、”神”と”大魔法使い”しか生み出すことができなかったから、ほとんど解呪されることはなかったのだ。我が、幼少期に学んだことはこれだけだぞ」
「結構物質的に発動するもんなんだね。じゃあこれを研究するとなんかいろいろなことができそう」
「だから、1000年前はこの魔法を使った戦争が後を絶たなかったのだ。だから、我はこの遺跡に逃げ込んだのだ」
「大変だったんだね。お疲れ様」
「ありがとうなのだ~でも今はリオがいるから心配いらないのだ♡」
「あっ、はい」
「あ~!!!冷たいのだ!」
そんな感じで、揶揄い甲斐のあるペットとのお勉強が終わった。そうこうしている内に、かなり奥の方まで進んだのか、周りの様子が変わってきており、最深部に入ってきたという感じだ。
「なんかブロックの色がちょっと明るくなった?」
「そういわれてみれば、確かにそうなのだ、ちょっと壁が光っているようにも見えるぞ!」
そういえば、不思議な話、『トレン遺跡』もこの『デーガ遺跡』も一番奥の場所まで来るとき、ほとんど罠が設置されていないのだ。ということは、今回も最後の部屋に入るときに何か罠が発動するって感じ?
「リオ~何か書いてあるのだ~我では読めん!」
「お、これあれじゃん、ちょっと待ってて、あそうそう、この文字から先へはまだ行かないでね…あ!」
「え?」
前回の反省を生かして先に文字の場所より奥へ入らせないようにしたが、すでに入ってしまっていた。もちろん、奥から何か物音がし始めたのだ。またー!?その音はまるでこちらに歩いてきているようで…
ガアアアアアアアアアアーーーーー!!!!!
なんと、奥の広間から黒いボディーに赤色の光った線が体に入ったドラゴンが現れた。このドラゴンは、西洋のドラゴンの姿をしていた。
「まあ!ですよね!」
「久々に同じ種族と会ったのだ!戦いたいがいいのか?リオ?」
「この文字読みたいから時間稼ぎも兼ねてお願い!!!」
「任されたのだ!!!絶対勝ってくるからな、リオ♡」
ちょこちょこ口調に艶めかしさを感じる。どこでしつけを間違えたのだろうか?それはさておき、ヴァルキーが時間を稼いでいる間に壁面の文字を解読した。
『この文字が読めるなら、ここで書かれている情報は絶対に外部に漏らさないようにお願いしたい。さて、ここでは私がこの魔法を研究した理由について語ろうと思う。私は、アパランティア北部の村で生まれた普通の少年であった。その村には、優秀な魔法使いがいた。なんでも、その昔有名なパーティーの魔法使いをしていた人で、私はその人のところに何度も通い、魔法について様々なことを学んだ。私の魔法に関する興味は尽きることを知らず、私は成長して働き、得たお金でニュークにあった魔法学校に通うようになった。そこでは、今迄に習ってきたこと以外のことがたくさん学べたことで、さらに好奇心を刺激され、学校を卒業して魔法研究を始めた。研究を始めて数年が経ち、私の故郷の村から手紙があった。それは私の恩師の訃報である。すぐに、研究所を飛び出し、故郷の村へと帰った。村の教会へ行くと、遺族の方から恩師の遺言をもらった。その内容は、”神”に関する内容だった。彼女は、老衰によって無くなるまでの間、謎多き人物”神”について研究していたらしい。そして、この研究を私に引き継いでほしいと書かれていた。私は、恩師の遺言に従い、神に関する研究を始めたのだ。ちなみに、私は恩師が亡くなる前の研究で、魔力効率の大幅な上昇、威力の強化、信仰無しでの魔法発動、連発、無詠唱を会得することに成功した。このあたりから、私は”大魔法使い”と呼ばれるようになる。ところで、この文章を読める冒険者がどこから来たのかはわからないが、フィランデルの方から来たならその結果どうなったかは知っているだろう。それ以外の場所から来た人は、次はフィランデルの方へ向かってくれ。最後に、ここの場所も”神の呪い”に侵されている。くれぐれも、この文字から先に行かないでくれ。では、健闘を祈る。
』
だから、先に書けって言ってんだろ!この魔法使いポンコツ過ぎる…そして今回は何も分からなかったな…今のヴァルキーの戦況を見てみると、ずっと互角といったところだ。見た目通り、相手のドラゴンはマグマを中心とした攻撃を繰り出しており、さっきからこの遺跡内の温度が上がり始めているのを感じる。しかし、ヴァルキーは水龍、溶岩を一瞬にして固めてしまうことから、この点では有利が取れていると言っても過言ではない。はたから見ると、西洋の竜VS東洋の龍といった怪獣戦争のようで男のロマンをくすぐられる。と考えていると――
「リオ!こいつしぶといのだ!加勢してほしいのだ!」
「了解!でも暑そうだから、水の膜みたいなのある?」
「あるのだ!これを使うのだ!」
僕はその水バリアを受けて、マグマドラゴンと対峙した。
どうも、winger86です。今回も、本作品をお読みいただきありがとうございます。さて、今回のお話は二つ目の遺跡探索のお話でした。いかがだったでしょうか?もちろん、前回のトラブルは繰り返しますが、前回よりも理鳳自身の戦闘能力が向上しているので、割と命の危機に瀕しているように見えませんね。次回で遺跡探索は終わり、次は更なる理鳳強化イベントが始まる予定です。ここからどんどん理鳳は人でなくなっていきます。お楽しみに~。それでは、また次のお話でお会いしましょう。




