第22話 デーガ遺跡
水龍お披露目会から1っ週間ほどたち、僕は冒険できるまでに体が回復していた。こっちの世界に来てから、明らかに傷の治りが早くなっている気がする。さすがに、フィランデル剣術のおかげではないと思うんだけど。そんなこんなで、今日はトゥーロンの冒険者ギルドにヴァルキーと向かった。
「リオとの冒険楽しみなのだ!」
「とはいっても行くのヴァルキーの住処だけどね」
「我もあの遺跡を全て知っているわけではないぞ?寝床に使っていたところ以外は全く知らん」
「よくも得体のしれない場所でずっと寝ていられたね」
「我強いから大半のことは何とかなるのだ!すこいだろ!」
「ソウダネースゴイネー」
「なんだその棒読みは!!!褒めていないだろ!」
「…」
そんな感じで他愛のない会話を続けながらギルドに向かおうとしたときである。この間の事件のせいで、ヴァルキーはもちろんのこと、水流を倒した僕にまで注目が集まるようになってしまい、多くの人が群がり始めた。
「迂闊だった…この町に来たら変装は必要になるな…」
「ここはとりあえず正面突破なのだ!」
「ちょ、ちょ!!」
ヴァルキーに思いっきり腕を引っ張られ、民衆をよけながらギルドへ向かった。
「あ!この間の水龍との勝負に勝ったというリオさんじゃないですか!サインください!」
「サインナインで署名でいいですか?」
「全然かまいません!家宝にします!」
「それはお好きにどうぞ~それはさておき、クエストを受注したいのですが、デーガ遺跡のクエストないですか?」
「それならありますよ数年前からこのクエストがあるのですが、いかんせん誰も入り口にたどり着けず、なにせ入り口が水中にありますから」
「へーって、え?水中なんですか?」
「そうですよ。数年前に冒険者が湖を探索していると、湖の底の方に人工物があると報告があったので、調査クエストを作ったのですが、なにせ深すぎてだれも入れないんですよね~受けてくださいますか?」
「もちろんです!」
「水中に入るなら我に任せるのだ!」
「もしかしてそちらってこの前の水龍ですか?」
「うむ!我がウォンタリー湖の主ヴァルキーなのだ!」
「サインいただいてもいいですか…?」
「…」
結局事務の方はサインを2つもらって満足げにしていた。すると、別の方から何かのクエストの情報提供の話が聞こえてきた。
「この間、オーバの方で暴れていたファルキーズが討伐されていたとの情報が入りました!このファルキーズには討伐報酬が出ていたので討伐した冒険者がいましたら報酬をお支払いしたいのですが、討伐者の情報がありません!情報提供をお願いします!」
僕がこの前にスフィールド村を救うために戦った相手だ。さすがに、これは名乗り出る必要があると思うが、名乗り出れば目立ってしまう。そこで、一旦名乗りを上げないようにした。そして、そのままギルドを後にし、ウォンタリー湖にあるデーガ遺跡の入り口まで向かった。
「目撃情報によると、ここらしいんだけどあってる?」
「うむ!いつもここから水龍の姿になって寝床に入っているぞ!とはいっても普段はみな見えないように姿を隠しているがの」
「まあ、そうだよねで、任せてって言ってたけどどうするの?」
「それはの~」
ヴァルキーが龍の姿に変身した。
「我の口の中に入れ!こうやって運ぶのだ!」
「なんか、思っていた通りと言えばそうなんだけど、いざその場面になると抵抗あるな」
「つべこべ言わずに入るのだ!」
そういって口の中に入っていった。以外にも、居心地はよくのんびりと入り口まで向かった。
「ありがとうね、やっぱり付いてきてもらって良かったよ」
「そうであろう!もっと褒めるのだ!」
「結構褒めてもらいたがりなんだな」
「今まで褒めてもらったことがないからの!」
「そういえば生まれてからどのくらい経つ?」
「それをレディーに聞くのはいくら我でもどうかと思うぞ…」
「ヴァルキー、レディーじゃなくてキッズだと思ってたんだけど」
「なっ!!失礼な!これでも”神”がいた頃からは生きておったぞ!」
「じゃあ1000歳は優に超えているってことねありがと」
「図ったな!」
「龍って寿命長いでしょ、年は取ってないよ鵜に見えるけど」
「龍の寿命は1万年くらいだと言われておるの~とはいってもその大半は1000年前に滅ぼされたがの…その生き残りが我なのだ」
「すまん、嫌なこと聞いて」
「いや、これはいつかは離さなきゃいけないことだったから気しないでほしいのだ!じゃあ、早速奥へ進もうなのだ!」
「ん?てことはまだ子供だから結構かわいいのか~」
「何!?我がか、かわ、可愛いだと…照れるのだ~もっと言ってほしいのだ」
「ヴァルキーは可愛いよ」
「♡……!!!大好きだリオ♡」
このペットを手なずけるのには成功したようだ。にしてもこの世界の異性の方々どうもチョロすぎる。それも人間だけでなく、モンスターのメスに当たる人でも…それはさておき、デーガ遺跡をどんどん進む。構造としては、やはり『トレン遺跡』と近いものがある。先に、ヴァルキーの寝床を確認したところ、いつもの通り道以外に通路は見当たらず、なにも発見できなかったので、引き返して別の道に向かった。
「我の寝床はどうだったか?」
「まあ、ドラゴンの寝床って感じ、普段は龍で過ごしているんだよね?」
「そうなのだ、でも、傷を負って体力が少ないときは、消耗が少ない人の姿になるのだ」
「だからトゥーロンに入るとき、人の姿になったのか、あとずっと同じ場所を移動していたのはそっちの影響?」
「もちろんなのだ!湖にやたら強い気配を感じてな、我の能力で閉じ込めたのだぞ!」
「ほーんそゆことね」
「話を変えるが、我が向かったことないのはこっちの道全部なのだ!」
「いや、少なすぎるでしょ!ほとんど通ってないじゃん!」
なんとその寝床は遺跡のほんの一部に過ぎないことが分かった。なにせ、入り口から入ってすぐの二股分岐の右側にあるからだ。
「じゃあこれからはマッピングをしながら進んでいこう」
「そんなことする必要あるのかの?我ら強いからどうとでもなると思うぞ?」
「全部が全部バトルっていうわけじゃないし、このクエストはこの建物を壊さず、調査することが目的なの。だから、なるべく戦闘と罠に引っかかるのは避ける!」
「んーつまらないの~」
「我慢して」
そんなこんなでうちのペットをなだめながら遺跡の奥へと進んでいった。内装は、黄土色の土レンガを使ったピラミッドのような内装をしており、その道中には等間隔で明かりが灯っている。いつからこの火はついているのだろう?そう思ってランプのところに手を近づけても、熱を感じない。
「ええ…?このランタン全く熱を感じないんだけど…」
「これは魔法の火なのだ。魔法の火は術者が解除する、もしくは術者の魔力が切れるまで消えない火で、その消費魔力もそこまで大きくないから1000年前までは明かりと言えばこの方式が主流だったぞ」
「へ~でも、今の人魔法全く使えないからね、この技術はロストテクノロジーって感じだね」
「そうだったのか、この間の戦いのとき、我に対して全く魔法攻撃を仕掛けてくるそぶりがなかったと思ったらそういうことだったのだな、我はまだ全然魔法が使えるから魔法のことなら何でも聞いていいんだぞ」
「それじゃあ、一つ、呪いと魔法の違いって何?」
「それを説明するのには長くなってしまうがいいのか?」
「もちろん、そういうことを聞きたいわけだし」
「分かったのだ!」
こうして、魔法と呪いに関する授業が始まった。
どうも、winger86です。今回も、本作品を最後までお読みいただきありがとうございます。さて、今回はついに第2章に突入しました!とはいっても多少気候区が変わっただけですが、それでも結構な違いが生まれます。その辺りに注目して読んでいただけると嬉しいです。また、今回から冒険メンバーが新たに増えました。いわゆるドラゴン娘です。のじゃにするかどうか迷ったのですが、結局のだにしました。いかがでしたか?楽しんでいただけたならこちらとしても作った甲斐がありますね。それでは、今後とも投稿を続けてまいりますので、よろしくお願いいたします。また、次のお話で。




