第20.75話 商人の町――シラキ
次回の更新エピソードは27話となります!
全力疾走で町に入り、目に入った宿をとり、早速休息をとった。翌日、早朝から宿を出発し、シラキの町を探索してみた。さすが商人の町というだけあり大きな市場にすでに人が溢れんばかりに殺到していた。その人ごみに紛れながらシラキの市場を散策することにした。見た目としては、タイのクロントゥーイ市場に似た直売のお店が並んでいる。商品は、生鮮食品から始まり、装備、薬、その他嗜好品などありとあらゆるものがそろっていた。生鮮食品には前にブリーデで頂いたオリーブの実、オリーブオイルが販売されていた。値段はもちろん現地の5倍はあった。
「ブリーデのオリーブってこんなに高いものだったんだ…」
「おや、お兄さんこれらに興味があるのかい?」
そういって話しかけてきたのは店番をしている中年の男性だった。
「ああ、そうですね。以前ブリーデの方で食べたことがありまして」
「なるほど、じゃあこの値段見てびっくりしたんじゃないかい?」
「正直そうですね…ちなみに理由を聞いても?」
「おう!いいとも、このブリーデのオリーブはこのゴルドナの中でもトップクラスにおいしいとされているんだ。なにせエグみが少なくて料理に使うとすっきりとした味わいになるからな~だが、その反面足が速いんだ、これは。それも魚並みにな。だから、遠いところに運ぼうとするととんでもないお金がかかる。そこに到着するまでに品質が落ちないようにしないといけないからな。その保存方法も、暗い涼しい場所でずっと保存。冬なら多少は安くなるが、オリーブはそのちょっと前が旬、あまりに需要が大きいから安くなる前には無くなっちまうのさ。で、今は春だ。つまり、春までの保存代と量の少なさで値段がこの通りなんだ。分かったかい?」
「結構品質管理が厳しい作物だったんですね。高級品たる所以が分かりました。」
「なんだか難しい言葉を使うな。まあいい、それでこのオリーブ買っていくかい?今日買って瓶を開けたら3日で使い切らないとだめになるんだが、どうするかい?」
「またブリーデを訪れたときに買おうかと思います」
「ありゃ、余計なこと言っちまったかな~でも、ここはオリーブだけじゃなんだ、楽しんでいってくれ!」
「ありがとうございます!」
こうして、オリーブ店を後にし、次は冒険者装備の方を訪れた。改めて自分の恰好を見ると、まだ新品感は否めないものの、1か月もしないうちにかなりよごれているのに気が付いた。一応、宿には洗濯スペースがついているものの、これを選択してしまうと冒険の時に着る衣服がなくなってしまうため、いつもやっていなかった。そこで、新しく一式防具を買うことにした。早速目に入った店を訪れると、そこはやや若い男性が営んでいるお店であった。
「いらっしゃいませ、本日はどのようなものをお探しで?」
「そうですね、これと似た材質の防具が欲しいのですが、ありますか?」
「少し防具のほうよろしいですか?う~ん…これは希少価値の高い生地で出来ていますね。なにせ防寒と体の保護に用いられる部分がビックディアの毛皮がつかれていて、さらに身を守る部分は純度の高い更迭が使われています。値段としては最高級の物ではないものの、一般の人が手を出せる金額ではないですね。そもそも二つとも加工が大変なのでね…うちではこの素材は置いていないですね。一応このお店はオーダーメイドも行っていますのでこの素材で作って欲しいというものがあれば期間を要しますがお作りしますよ、いかがいたします?」
「すみません、先を急いでいるのでまたの機会ということで…」
「承知しました…またのご来店お待ちしております。」
ちなみに、このお店は市場にあるものの、仮設型ではなく、立派な建物であり、ずっと昔からある老舗なんだそう。対応良くなかったかな?その後も市場を見て回ったが、色々なものがあって面白いというだけで、僕が欲しいものは置いてなかった。ということで、トゥーロンまでの道のりを把握するためにも、ここのギルドを訪れることにした。
「こんにちは、クエストを受けに来ましたか?」
「いえ、この先の町までの距離が知りたいのですが、地図はありますか?」
「ありますよ。ちなみにどちらまで向かわれる予定ですか?」
「トゥーロンまでです。」
「分かりました。トゥーロンまでにある大きな町はランチェスターとオスウェですね。オスウェはここから大体1日半くらいかかります。そこからランチェスターまでは半日かからないほど、そこからトゥーロンまではそんなに遠くないです。」
「なるほど、そこまで大きな町ないんですね」
「やっぱり森が多いこの地域ですから、大きな街道を外れると町が途端になくなるんですよ。ちなみに、トゥーロンから先はアパランティア山脈を超えるのでプレール地方になります。かなり機構の感じが違うので面白いですよ。って少し関係ない話をしてしまいましたね。ここから先も割と長い道のりになると思いますが、頑張ってください。他にも道は…」
と結構いろいろなことを教えてくれた。
「いろいろ情報ありがとうございます。では早速出発しますね」
「こちらのお仕事ですからお気になさらず。またの機会に」
そういってシラキを後にした。実は、先ほど教えてもらった情報の中に、このシラキからはキューオ街道とウォンタリー街道に分かれるんだそう。その距離で言ったらキューオ街道のほうが短いが、キューオ街道はこのさきランチェスターまで町はおろか、村も少ないらしい。なにせ深い森が生い茂っており、そこを住みかとする危険なモンスターが多いようだ。野宿した人で生存者はかなり少ないとも聞いた。そこで、一旦迂回という形でオスウェを経由することで、時間はかかるものの、かなり安全に移動できるようだ。ひとまず、オスウェまで向かうことにした。
「オスウェは湖畔の町って聞いたよな~なにもウォンタリー湖が大きいことからいくつも周りに大きな町が点在しているってね。ちょっとどんな景色が広がっているのか楽しみだ~」
独り言をしゃべりながら道を進んでいった。もちろん、ギルドの役員が言っていた通り、1日では全く見渦海すら見えてこなかった。近くに村もなかったので久々の野宿をすることにした。とはいってもボスティールに向かうとき以来だが…あの時は朝起きて海見たら噴火だもんね。今思うと最悪だな…そんなことを思い出しながら、オーバの村で買った食料を頬張った。そういえば、商人の町なんだから保存食でも買っとくんだったな~失敗。ふと暗くなった空を見上げると、これまた星が見えた。やはりあちらの世界とは比べ物にならないほどの数が見える。これが照明の力とも言うべきか…工業の偉大さを感じた。そんな感慨にふけりながら眠りについた。翌朝、夜中にモンスターに襲われるということは無く、そのまま後始末をして出発をした。その後、ちょうどお昼お腹が減ったころにオスウェに到着した。とりあえずここで食事と先ほど消費した携帯、保存食を購入することにした。買い物を済ませた後、少しの時間オスウェの町を探索することにした。街並みはそれこそ普通の木造建築の家が立ち並ぶものであったが、一つ違うものがあった。それは、街の真ん中にある鐘の塔である。あれは、この地域が大雨に見舞われた際に反乱から逃げるのを知らせるのに使われるらしい。とりあえず、ここからランチェスターまでは半日で着くということなので少し等の展望台から湖畔の景色と街の景色を眺めてから後にした。ちなみに感想はあまりに壮大な湖が広がっており、その湖畔に立派な町が佇んでいてとても西洋らしいというもの。陳腐でごめんなさいね。そんなこんなでオスウェを後にした。その後も、一回湖に巨大な蛇らしき動物が見えた以外特に何もなく、そのままランチェスターにたどり着いた。
どうも、winger86です。いつも、本作品をお読みいただきありがとうございます。今回は、キューオ街道(ウォンタリー街道を含む)のお話パート2でしたが、いかがだったでしょうか?いや~まさか物語を改めて見返したらこんなに各要素があるなんてびっくりでしたね。今後はもう少し物語を精査して今回のようなことが起こらないように気を付けます。それはさておき、今回訪れたシラキとオスウェはどちらも海外らしい町並みをしたきれいな街です。さすがにここを描写しないのは個人的に気が引けたので書きました。今週は追加挿入エピソードを2つ書いた影響で、本編更新は若干落ちることが予想されます。予めご了承ください。また、前回の20.5話は挿入場所を間違えてしまい、余計にわかりずらい状況となっています。申し訳ございません。読者の皆様は、20話、20.5話、20.75話の順でお読みください。もしつながりが分かりずらい用でしたら、20.5話に書かれております修正場所の箇所で一旦20話から20.5話の方へ読んでいただきますようお願いいたします。繰り返しにはなりますが、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。それでは、また次のエピソードでお会いしましょう。




