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ボルカノ物語  作者: winger86
第1章 始まりの地 アパランティア地方
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第16話 研究所が欲する理由

「あ゛あ゛あ゛ーーーーー疲れた…さすがにここまで逃げれば追ってこないでしょ」


僕はこの前のカジノで相手から恨みを買ってしまったのか、いろんな人に追いかけられて、現在ニュークから北に走って2時間ほどの森の中にいる。この前の修業のおかげで、息切れすることなく走れたものの、体の疲れは出てくる。


「次どこ行こう? 今まで走ってきたところには全く町が見当たらなかったからもうちょい進むか~」


今回は町から出る際、ギルドに寄らなかったため、街の場所が分からない。最悪野宿を覚悟した。ここであたりを見回すと、いつも通りの緑が生い茂った風景が広がっていた。ただ、今までと異なるのは、これまでの街道は基本土の道だったが、ここだけはレンガが引かれており、少し舗装が進んでいるようだ。少し新鮮な気分を味わいながら、先へ進む。やはりここも火山灰の影響はすでに無くなっているようだ。


「これならもう馬車が使えそうなんだけどな~どうして未だに運休しているのかな?あ、そういえばこの先に土砂崩れが起きていて、通行できないとか言ってたな。注意して進もう」


ふと、この世界にやってきてから今までの出来事を思い出した。


「この世界に来てから一か月ちょっとしか経っていないけど、色々な事起きすぎでしょ! 来てすぐに冒険者になって、フィランデルについてからは遺跡探索で変なもの発見するし、それで危うく死にかけるし、そんでもって剣術を身に着けて一人前の冒険者の一歩だ!とか意気込んでたらその力を賭けに使われるし、さすがに元の世界に戻ったら話のネタが尽きないな~はは、よし!さっさと秘密解いてあっちに帰ろう!」


今まで生きてきた中でもっとも濃密な1か月だったと思った。これからもこういうことがたくさんあるなら、今後も冒険を楽しめそうだなと僕は期待を胸に膨らませた。休憩と歩くのを続けていると、日が暮れ始めた。


「野宿だな…えっと…これか、寝袋らしきもの」


これは、ピーツで冒険必需品として持たされたものの一つである。ここまで、日が暮れるまでには隣町についていたので、この日まで日の光を浴びることがなかった。


「まずは、暖を取るために、焚火焚火♪ あれ、どうやってつけるんだっけ? 一回小学生の時にやった気がするけど、あの時は道具あってそれでやったもんな~今は無いし、近くの石を火打石みたいにして着火しよう。ジルさんも基本は自分の持っている金属の物と石をこすり合わせて火を起こすって言ってたし」


例の番組で絶対王者がやっていたやつである。自分の持っていた剣を使って火を起こそうとした。すると、剣にカタカナで文字が書かれていた。

「『リオ』? あれ?もしかしてこれって銘ってやつ?それともネームタグみたいなやつ?前者ならともかく、後者なら超恥ずかしいな~ハイドさんに聞いておけばよかった。ともかく、この銘らしきものを避けて火をつけよう」


剣の平時をそこら辺の石に勢いよくこすりつけてみると、一瞬で火花が散り、まとめてあった藁に引火し、それを木で組んだ焚火に放り込んだ。するとあっという間にいい火力の火が出来上がった。


「暖かい~ソロキャンプっていいね、あっち帰ったら行ってみようかな。でも、剣を持ち歩けないしな~あでも、あっちにはもっと便利なものあるし、まあいっか。というか、あの貰った剣で火付けて良かったのかな?」


不安になり、剣を見るとこすったはずの場所には傷一つついていなかった。これが銘の力?もしそうならすごいものだ。あ、そういえばご飯無い。用意するの忘れた。ということで、夜にお出かけをして食べ物を取りに行った。山にあるあっちの世界の物と同じような形をした山菜をとったり、少し離れたところにいた動物を何匹か狩り、焚火へ戻った。


「というか消してから行けばよかった。最悪山火事だもんな。次から気をつけよ…と、これなんだろ?本当はこういうところに生えているものはどれが毒なのか分からないから食べないほうが良いんだけど、背に腹は代えられない! 食べる! あとこの動物なんだ? なんかまるで豚に似ていたけど、角生えてっるし、導体は細長いし、鼻三つあるから違うだろうけど、焼けば食べれるでしょ」


僕はあっちの世界で動物を捌いて肉にしたことがないので、丸焼きにしてかじりつくことにした。さすがに内部まで焼けているか分からなかったので、丸焦げにし、外側の焦げを取り除いてからかじりついた。僕は、基本的に黒色の焦げが嫌いである。なぜなら、昔見た番組で発がん性物質が含まれるということを見てしまったからである。


「いっただきま~す!!! あむ! うま! ジューシー過ぎる!!! なんも味付けていないのに全然食べられる!!!」


かじりついて中から出てきた内臓はいただかなかった。何が含まれているのかわからないのと、少しグロかったからからである。次に、取ってきた山菜の内、半分を火にあぶり、半分は生で食べた。この草の見た目は水菜のようなやつとほのかに甘い香りのする草である。鍋にしたら絶対おいしいやつである。


「じゃあ先に生でいただきます! お? この水菜みたいなやつ結構独特なエグみはありつつも、それを乗り越えれば後味すっきりで意外においしいぞ? こっちは? あー結構味も甘みがあるんだ~普通にデザートに乗せるのもありな感じする。おいしい! じゃ、次炙ったやつ食べよう! こっちは~ああさっきのエグみが取れてさっぱりした味だけが残ってる!鍋のアクセントにはなりそう、でもこのエグみが溶け出しちゃうとバランス崩れそうだな。こっちはどうだろ? あー、加熱によって香りが強くなった感じか、香りづけメインって感じになりそう。味は生のほうが好きかな~」


といった感じで一人食レポをしてみたが、結構寂しい。取ってきたものを全て食べ終わり、火や食べ物の後始末を済ませてから、寝袋に入った。

 翌朝、朝食は食べず、とにかく道のりを来た道とは逆の方向へ進んでいった。すると、急に周りが開け、断崖絶壁のとその下に広がる海が見える絶景が見えた。


「おお~きれい! まるで越前の東尋坊みたいな風景だ。まあ、行ったことは無いんだけどね」


ここまで歩いてきた疲れを忘れるように、その風景に没頭していた。すると――突然揺れが始まったのだ。


「なんだ!? また噴火か? もしかして近い? ここで死ぬの嫌なんですけど…!!!」


揺れの最中、海に目をやると、崖からやや遠い場所で白くなっている場所を見つけた。その場所はみるみる内に変色し、茶~黒に変化し、ついには海面から煙となって飛び出してきたと同時にその方向から鼓膜を突き破るような轟音が響いてきた。


ゴオオオォォォォーーーー!!!! ボゴオオオォォォーン!!!


赤い溶岩こそ見えないものの、黒煙はたちまち、体積を大きくし、1kmは優に超える高さにまで上がっていた。


「よし、逃げるか。」


僕は一目散にそこから反対方向へと走り出した。すると、自分の体の不思議に気付いた。今朝は朝から飲まず食わずであるはずなのだが、その状態の時の気怠さがない。むしろ、いつもより体の調子がいいまである。これが火事場の馬鹿力というやつなんだろう。とりあえず、この状態が切れる前に逃げ切ろう。僕は走り続け、そこから3時間ほどしてボスティールの町に到着した。この時、一回もつかれることがなかったが、これがあの薬草の効果であることはこの時の僕はまだ知らなかった。

どうも、winger86です。いつも、本作品をお読みいただきありがとうございます。さて、今回の話は題名にある通り、なんで研究所が依頼書の植物を欲しがるのかについてのお話でした。いかがでしたでしょうか?さらに、今回は噴火ネタも久々に出しました。もし、身近な場所で噴火が起こったらあなたならどうしますか?私なら、火砕流なら諦めますね…ここからは少しだけ余談になりますが、身近な場所で起こる噴火を題材にした映画があるのをご存じでしょうか?それは昔の映画になりますが、『ボルケーノ』という映画です。これは、あのアメリカの大都市で大噴火が始まるという内容の映画で、かなりワイルドな方法で噴火を食い止めるので結構面白いですよ。もしよければ鑑賞してみてください。

 長くなりましたが、今後も毎日投稿を続けてまいりますのでよろしくお願いいたします。それでは、また。


メモ

銘:この世界の剣に付く銘は他の世界の付与術師が付けるような特別なものではなく、刀鍛冶ならだれでもつけられるというもの。半分ネームタグ。その名前が書かれている人が剣を持つと、銘の効果が発動するようになっている。理鳳が持っている剣は彼が死ぬまでその剣は傷一つすらつかないという効果がある。他にも様々な効果が付与されているらしい。

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