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ボルカノ物語  作者: winger86
第1章 始まりの地 アパランティア地方
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第17話 ボスティール総合研究所

ボスティールの街並みは、基本的に住宅街という印象が強いが、その住宅の中に時々四角い大きな建物があるといった感じだ。


「そういえば、海外の大学はこんな感じで町と大学が一体となっているよな。多分そんな感じかな。あ、そうそう依頼済ませないと…いや、この感じだと多分今日無理だな…」


花と岩が取れるほうを見てみると、黒い雲がこちらに迫っていた。今日探索に行くと、最悪肺炎になりかねないので、一旦ボスティールで待機することにした。少し街を小走りで探索し、宿らしき建物にたどり着いた。


「すみません! 今日お部屋空いていますか?今から泊まりたいのですが」

「空いておりますよ。今日は近くで噴火があったそうなので、冒険者証をご提示いただければ、半額でお泊りいただけます。」

「分かりました」

「ご確認いたしましたので、半額となります。お部屋はランダムでよろしいでしょうか?」

「一番安い部屋ならどこでもいいですよ」

「ではこちらのお部屋をお使いください、ごゆっくりどうぞ」

「はい!ありがとうございます!」


火山灰に見舞われる前に何とか部屋を確保できてほっとした。部屋の窓を見てみると、さっきまで青空が広がっていたところが、噴煙に覆われ、あっという間に火山灰を含む雨が降り注いできた。


「危ない、危ない~あともうちょっとでやられるところだった~にしても海底で2年くらい動かなかった動物でもいたのかね? やっぱりこういうのは早く無くさないとずっと苦しむことになるのは必須だな…頑張ろ…」


実際フィランデルの遺跡ではこの現象が”神”の呪いということしか分からなかった。こんだけ情報がないのに、どうやって解呪方法を探せと!無理難題にもほどがある!と考えつつも、宿の一室でさっきと打って変わって穏やかな1日を送った。翌日、昨日は午後からゆっくり過ごし、宿で夕食と朝食をいただいたことで、昨日と同じくらい調子がいい。しかし、外を見ると白い世界が広がっていたので、今日は前に盛らったゴーグルとバンダナを身に着けて近くのアパランティア山脈のほうへ向かうことにした。


「なんでまた火山灰まみれなんだよ~この前と同じじゃん!勘弁してよ~」


そんな愚痴をこぼしながら山へと続く道を歩いて行った。進む道がだんだん険しくなり、灰のかぶった岩場がごつごつし始めたところに差し掛かったその時――


「ん?なんだこの黒い石、他の石は火山灰がかかっているのに、ここだけなぜか火山灰が一切ない。ちょっと依頼書見てみるか、あこれだ、『カボンド岩』、特徴はいつも真っ黒な姿をしていて、雨に濡れても雪が積もってもその部分だけは何もな状態になるらしい。あとは、火を近づけると燃えるらしいけど…なんか石炭みたい…でも、似たような岩もあるあだろうしもう一つだけ試してみよう。」


そう、カボンド岩にあるもう一つの特徴は、暗いところだと薄く紫に光るという性質である。ちょっと不気味。ということで、近くに洞穴があったので、そこで岩を眺めてみた。すると、なんだか怪しい紫の光をほのかに発しだしたのだ。これで間違いないだろう。


「よし、次はマリースの花だな。どれどれ、あ!これ昨日食ったやつだ…なら分かりやすいな。あの道から少しだけ離れたところにあったしそっちに向かおう。」


と思い、山を下り始めた。傾斜が緩くなり、辺りの森が深くなったときである――どこからか、グオオォォォォーーーーー!!!という大きな咆哮のようなものが聞こえた。そして、前と同じように足音がこちらに近づいてくる。後ろを振り返ってみると、今度はクマのようなモンスターがこちらにやってきた。そのモンスターは僕を見るなり、その凶暴な爪で僕に切りかかってきた。


「ブルーフートの時と同じパターンじゃん、君も火山灰でなんか影響を被ったの?」


などと話しかけてみるが、もちろん応答は無く、何度も何度も切りかかってくる。それを僕はバックステップなりサイドステップなりでかわし続けた。すると、周りに一回り小さいクマがいるのを見つけた。


「あ~親熊か~子供守ろうとしたんだね、じゃあ僕はここらで失礼しようかと思うんだけど、ご飯無い?」


クマの攻撃をよけ続けていると、すぐにクマはばて始めてきた。やはりエネルギー不足といった感じだろう。このクマは肉食?それとも草食寄り?それが分かればいいんだけど、なにせツキノワみたいに胸に三日月の毛がない上に、ヒグマよりもずっと大きい。僕の背丈3人分くらいはありそうだ。だが、どちらかと言えばヒグマに近いことから、とりあえず近くの川まで誘導することにした。全速力でクマから逃げると、やや小さくて浅い皮を見つけた。すると、川の中にはたくさんの魚がおり、その魚を剣で串刺しにしてからクマへと投げつけた。すると、クマはそれを口にし、そのとたん行動が穏やかになった。やはり、子供を守る際興奮と空腹で暴れていたようだ。すると、子熊が後ろから2匹ほど現れ、親熊と同じように魚を取り始めた。この川は、昨日の火山灰がすでに流れており、川の魚にあまり影響がなかったようだ。あれ?昨日雨も降らなかったっけ?まあとにかく動物をあまり切らずに解決することができた。

 しかし、かなり適当に走って川まで来てしまったことで、迷子になってしまった。とりあえず川の流れている方向へと歩いていくことにした。すると、この川沿いだけは火山灰がなぜが降り積もっておらず、目的のマリースの花をすぐに見つけることができた。そして、採取後川に沿って歩くと、レンガ道が現れ、何とかボスティールに戻ることができた。そして、依頼書に書いてあった研究所へ向かった。近づくと、住宅街の中にやたらとでかい丸や四角の組み合わせで出来たモダンハウスみたいなのが現れた。


「ごめんください、ここからの依頼で来ました~」

「ようこそおいでくださいました、私はこのボスティール研究所の所長をしております、ウラリーと申します。よろしくお願いいたします。では早速ですが、依頼の新鮮なカボンド岩とマリースの花はありますでしょうか?」

「はい!こちらにありますよ」


そういってバックに入れてあった二つの物を取り出してウラリーさんに手渡した。


「そういえば、名前を聞いておりませんでしたな。」

「リオです。フィランデルから来ました。」

「それは長旅だったでしょう。今ここボスティールとニュークを結ぶ馬車がすべて運休していますからね。ちなみに、土砂崩れの様子は見ましたか?」

「いや、見てないですね。昨日噴火があったと思うんですが、その噴火をかなり近くで遭遇してしまい、急いでこちらまで避難してきたので見ているよ余裕がありませんでしたね。」

「なるほど、アパランティア山脈のほうで発生した土砂崩れがそのまま川を下っていったことで、通行止めになっていたはずなんですけど通れたということはすでにある程度片付いていたのでしょう。そろそろ通行可能だ!と言いたいところだったんですけどね、昨日の噴火で火山灰処理やり直しですね。」

「そうですね、もし自分に何かできることがあれば言ってほしいです!」

「そういっていただけると嬉しいですね。でも、今日はせっかくこの研究所に来ていただいたので中を見学して回りましょうか?構いませんか?」

「ええ、大丈夫ですよ、少しワクワクしてきました。」


なにせあっちの世界では研究所こそ入らなかったものの、理系ではあったので楽しみであった。

どうも、winger86です。いつも本作品をお読みいただきありがとうございます。

さて、今回の話はボスティールでの依頼と研究所の訪問がメインの話でしたが、いかがだったでしょうか?思いの外依頼が伸びでしまい、研究所が賭けませんでしたが、割と霧がいいところで終われたので、良しとします。明日以降も毎日更新を続けてまいりますので。応援の程よろしくお願いいたします。それでは、また。


メモ

マリース:ニュークより北に植生を持つ黄色い花を咲かせる植物。かすかに甘い香りがし、そのまま食べることも可能。主な効果は、体力の回復、一時的な筋力や心肺機能の向上、解毒作用などがあるが、未だに解明されていない効果もあるとされている。この効果が表れるのは、マリースの花を流れる蜜だが、その効果は茎を切られる、根っこを引き抜かれるなどして、採取をしてから30時間で完全に効果がなくなる。

カボンド岩:アパランティア山脈のいたるところにある真っ黒な岩。基本的にどんな物質もはじくため、山中で見つけるときは、他の物質が上に乗っかることがなく、分かりやすい。暗いところで岩を見るとかすかに紫色に光る。そのため、この光を感知できる凶暴な動物が集まりやすいことも特徴。光を出す性質は、動物が手に取ってから24時間以内。

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