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ボルカノ物語  作者: winger86
第1章 始まりの地 アパランティア地方
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第12話 ゲットだぜ!!

ティアと僕は身支度を終え、僕は昨日の通り教室へ、ティアは一旦宿舎へ向かった。この日以降は特にティアと会うことはなく、修業最終日を迎えた。


「今日は最終試験を行う。私から一本取ったら合格とする。初めに○○!」

「はい!」


といった形でこの教室の指導官の誰かが相手となってその相手に一本取れたら合格というものである。ちなみに、全力ではない。なので、基本的にこのくらいはできてくれという指導官からのメッセージというだろう。一人一人相手をし、ほとんどの人が合格をとる中、自分の順番が始まった。


「次、リオ!」

「はい!」


今まで習ってきた技を全て使って指導官と対峙した。この剣術は西洋の大剣を振り回すのと、日本の日本刀を使うとの間のような剣術ではあるものの、攻防一体であり、その読み合いによって勝敗が決まることが多い。つまり、モンスター相手にも攻撃と防御を使い分けながら戦えということだ。なにせ体力が人間よりずっと高いからだ。そうこうしている内に、僕も指導官から一本取った。


「おめでとう、私から一本取ったということで、合格だ。と言いたいところだが、リオには可能性があると感じた。もしリオさえよければさらなる修業をしてみないか?」

「あー…ちょっと宿に持ち帰って考えます…それでもいいですか?」

「もちろん、構わないとも、結論が出たらここに報告してくれ。」

「はい! 一つ聞きたいことがあるんですが、もしここで修業を続ける場合、宿代が嵩んで金銭的に厳しくなるんですけど、どうしたらいいですか?」

「それならここに一時出来ではあるが住むと言い。衣食住は全て与える。リオ、君にはそれだけの才能がある。もし、クエストに行きたいなら修業の合間に腕試しに行くのもいい。とりあえず、色々説明したが、次会うときはいい答えが聞けることを期待しているよ。」

「分かりました! ありがとうございます!」


どうやら、自分にはフィランデル流の剣術の才能らしきものがあるらしい。剣術と言えば最近では人でなしが勇者の剣を使って暴れたり、職権乱用したりするケースが多発しているが、それにならないように謙虚に修業を積みたい。ここに住めば、自分の能力も上げられ、少しの間お金のことを考えなくていいようになる。しかし、剣術を学んではいるものの、実は剣をまだ一本も持っていない。そのため、券を買うだけのお金が必要なのだ。それも隙間時間でやっていいとなると超優遇されているとみて間違いないだろう。もはや怪しいまである。僕は教室を後にし、昨日の定食屋によって夕飯を食べた後、宿に戻った。


「ちょっと怪しい気もするけど、とりあえず当分の間の衣食住が確保されるって話が本当ならやってもいいかも、騙されたたらそれはそれで仕方ないと腹をくくることにしようかな」


そう自分を言い聞かせ、眠りについた。

 翌日、指導官にその修業を受けることを報告した。もちろん、指導官は喜び、自分も早速荷物をこっちの持ってきて修業を始めた。


「ちなみに、さらなる修業って何をするんですか?」

「これは短期習得の人に入ってないのだが、フィランデル流には9つの初級技、5つの中級技、そして3つの上級技がある。短期の人は初級9つと中級1つのみ教えている。この10個の技があれば基本的にどのモンスターにも対抗できる。しかし、基本的には持久戦となってしまうことが多い。そこで、さらに火力を上げるためにあるのが残りの中級技4つと上級技3つだ。今回は、この残りの技を習得するだけでなく、短期習得の技の精度、威力を向上させるのを目標としている。合格基準は本気の私と勝負し、一本取ったらとする。もちろん、今それをやってもリオの体は粉砕されるが、試験直前になれば1回技を受けただけではびくともしなくなるだろう」

「は、はあ…分かりました、頑張ります…」


この訓練は僕を人を超えた何かにするものらしい。アニメとか漫画でそういうのをよく聞くが、実際どうなのか気になっていたのだが、かなり怖い。頑張る。修業期間は1か月、少し短いように感じるが、どうも僕はそのくらいの期間で習得ができるとみなされているらしい。ちなみに通常なら半年はかかるんだそう。本当に1か月で終わるのかな?一抹の不安を抱えつつ修業を始めた。

 修業を始めて1週間は毎日スパルタ特訓をさせられ、剣の振り500回、ランニング20km、その他筋トレが2時間ほどあり、そのあと技の練習と、その実践練習をやる。はっきり言って地獄である。初日から筋肉痛になり体が悲鳴を上げながら、毎日そのトレーニングに耐えた。トレーニングが終わると、教室に隣接している指導官たちの部屋についていき、同じ夕飯を食べる。毎日のメニューは若干異なるものの、タンパク質が多いような食事が大半であり、筋肉をつける気満々である。最近はかなりバランスを意識していたのでかなり新鮮だった。翌週の半ばからは体が慣れてきたのか今までより体の痛みが無く修業を終えられるようになってきた。もともと、指導官の動きは目まぐるしく速いものだったが、現在ではかなり見切れるようになってきた。慣れって恐ろしい。さらに2週間がたち、すでに練習試合では指導官相手にだいぶ戦えるようになってきた。この日の修業後指導官が――


「そろそろいいだろう、明日最終試験を行う。」

「分かりました、明日頑張ります!!」

「いい返事だ期待している。」


ついに最終試験が始まるのだ。本当に1か月でここまで来てしまった。今日はしっかり食べて、しっかり寝た。翌日、指導官が先に決闘場で待っていた。今日の指導官は見込みがあると言ってくれた指導官と同じ人だ。白髪交じりの黒髪で、背丈は僕より大きく、腕っぷしはかなりしっかりしている。それに、歴戦の戦士ともゆうべき傷が服で覆われていない部分にいくつかある人だ。普段は厳しく指導しつつも、どこか優しさを感じる顔だが、今日の指導官はどこかいつもより集中していて、険しい顔をしていた。


「よく来た。では早速始めるが、準備は出来ているか?」

「はい! もちろんです! よろしくお願いします!」


そういって試合が始まった。真っ先に攻撃を仕掛けてきたのは指導官のほうだった。これは、短期習得のように習得状況を見るものではないため、あの時より数段強く、速い攻撃が飛んできた。使ったのは中級技のうちの1つの高速の突き技である。この突き技は、突いた後、相手がひるんだところを上から重い一撃を繰り出すところまでがセットであり、中級技の中でもかなり強力な技である。僕は、この技を見切り、技の威力をいなしながら、カウンター技を繰り出した。この技は初級技で最後に習う技だ。初級で最も威力のある重力を使った振り下ろしはその前に習うのだが、その技にカウンターを当てられるように覚える技でもある。カウンターが当たる直前に指導官にかわされてしまい、振出しに戻った。ここからは両者考える暇もなく、互いに反射的に技を打ち続け、しばらくして初めの一本は指導官が取った。


「少し休憩を挟んだら2本目を行う。準備をするように」

「はい…!」


疲れが出始めているがそれを隠しつつ、少しの休憩をはさんで2本目に突入した。1本目と同じような展開が続き、僕が疲れによってスキができたところを攻撃され、もう一本取られてしまった。指導官にも他に生徒がいるため、時間的猶予はあと1回である。この1回にかけて自分の全力を尽くして指導官に挑んだ。もちろん、最初は1、2本目と同じ展開が続いたが、戦っている最中にこの指導官の癖とも言うべき行動パターンがあることが分かった。この人は基本的にミス待ちの行動をとるが、剣術でミスが出やすいカウンター発動後にほぼ毎回同じようなパターンで技を繰り出し、一気に形勢逆転をする場面が多かった。おそらく指導官はこの形に自信があると推測した。基本的にこのパターンを出されると、ミスがはっきり露呈し、あっという間に一本取られてしまうのだ。しかし、このパターンには一つだけ弱点がある。それは、威力が強くない技を出されると、リズムがずれ、パターンが崩れるのだ。そこから先はどうなるか見当もつかないが、とりあえずこの技を誘導させることにした。相手の振り下ろしに対して、カウンターを当て、そのカウンターをいなすための中級技、そしてそのまま反撃する高威力技の上級技をしっかり繰り出してきたのだ。このパターンは強者に対してはめっぽう強いので、まさしく最終試験向きだと言える。ここで僕が繰り出したのは最も初歩的な技の一つ横切りである。その横切りを少し力を抜いて返すことで力があらぬ方向に向き、リズムがずれるのだ。読み通りリズムがずれたところを最速の突き技の中級技でとどめを刺して一本を取った。


「おめでとう! 私の行動パターンに気付いたんだな。素晴らしい、やっぱり見越した通りだったな」

「いや、まさかとは思いましたが、上手くいって良かったです! 今まで本当にありがとうございました!」


こうして、指導官と熱い握手を交わし、いつもの住居に戻り、ご飯を頂いて、寝た後に荷物をまとめ、さらにフィランデル流上級習得者の称号、そしてこの教室の人が準備してくれていた僕専用の剣も渡してくれた。今ちょうど探しに行こうとしていたから、ちょうどいい。そして指導官たちから様々な激励の言葉をもらいつつ、教室を後にした。

どうも、winger86です。いつもお読みいただきありがとうございます。今回は打って変わってバトル回でしたね。まさかの、異世界人の理鳳は剣術の才能があることが判明し、すぐに最も強い技まで習得していきました。本当はここまでバトル漫画風にするつもりなかったんですが、つい楽しくなって書いてしまいました。次回はついにフィランデルを移動し、大魔法使いからのお使いを進める方向へ進んでいきます。引き続き毎日投稿を続けてまいりますのでよろしくお願いいたします。それでは、また。


メモ

フィランデル流剣術道場:リオが言ったのはフィランデルにあるうちの一つ『エレム教室』である。ここは最も初心者が入りやすく、合格率も高い。理鳳に合格を出した指導官はハイドといい、フィランデル流剣術の四天王最強であったりする。過去には様々な災害級モンスターを彼含む4人のパーティーで何度も討伐をしている。

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