第四話「初めましてと一波乱」
前回までのあらすじ
普通の高校生星宮澄空は、A.S.A.U.防衛専門学校の
学長、海原廻による面接を
何とか突破し、晴れて正式に転入と相成った。
しかし、試練は終わっていない。
これから待ち受けるのは、新たな学校生活を
共にする仲間たちとの出会い。
果たして、彼は乗り越えることができるのか?!
面接が終わり、俺は神凪先生に案内され、これから過ごすことになる教室に
案内された。
そういえば、渡された制服は、ちょっと軍服っぽくて、そして紺色で、カッコよかった。
それはさておき。
「ここが、今から君が過ごす教室だよ。」
そう言われて、俺は教室の名を確認する
そこに書いてあったのは「1-Ⅰ」。
何で1がローマ数字なのだろう?
何か意味があるのだろうか?
他のクラスは普通の数字なのに、俺たちの棟だけが重厚なローマ数字で刻まれている……まるで『第一等戦力』とでも言いたげに
とか思っていると、神凪先生によって
引き扉がガラッと開かれた。
「はーいHRを始めるよー!
転校生を紹介するねぇー!」
軽い。やっぱりこの人
軽薄かもしれない。いや、軽薄だ。
何でこんなのが教師になれたんだろう?
「ボーッとしてないで、ほら、
入って!」
と言われてハッとした。
「はい!」
そう答えて、俺は教室の中に入った。
ざっと1クラスで45人。俺が入ったから46人か。すごいたくさんいる…
教壇に上がってフゥー、と息を吐き
「俺は、星宮澄空です。
趣味兼異能力は占星術。
剣術は嗜む程度。
これから一年よろしくお願いします!」
シーンと…静寂が響き渡った。
俺の心が凄く痛い。
視線が痛い。
まるで剣先か穂先を突きつけられてるような……
うっ、吐きそう…
「ほう!そうか君が!
一般の出で中途編入をしたと言う
転入生か!うむうむ。その意気や良し!」
空色の髪をした強そうな人が、
大声を張り上げて歓迎…?
してくれた。
そして俺の目の前まで歩いてきて、
右手を差し出してくる。
「オレの名は風丸健悟!皆からは、"まる"と呼ばれている!
キミのような勇気ある者を求めていた!
オレは異能力はない!だが、徒手空拳に風魔術を纏わせて戦う。よろしく頼む!」
熱い男だな、使う魔術は風らしいけど。
火じゃないんだ…この感じで
「あ、よろしくお願いします。
まるさん!」
俺は、その手を取り握手をした。
なんか凄く、風丸さんは満足そうだ。
すると、遠くから声が飛んで来た。
「ちっ、ポッと出のカスじゃねぇか…
テメェみてえな弱そうなヒョロ男
が何で転入できてんだよ?」
黒髪の…ツンツンヘアの短髪の、
目つきの悪い…ヤンキー男……
思わず短歌を読んでしまうほど、
なんかテンプレートなヤンキーキャラだな…と思った。
「こら、ショウマ!転入生が萎縮してしまうだろう!
オレは安心させるために挨拶したって言うのに!」
「だーっ!うるっせぇな!
テメェ声デケェんだよ!マルの字!」
どっちも声が大きいよ…
とは口に出せないよなぁ。
そしたら、神凪先生が
手のひらをパチンっと合わせて
言った
「ま、とにかく席についてもらわなきゃ
えーっと、伊月の隣、空いてるからあそこね、」
そう言って窓際の席を指さしていた。
結構後ろの方の席だ。
その方向を見ると伊月さんが手を振っている。
よく見ると、どうやらショウマと呼ばれたヤンキー君が前の席にいるらしい。
嫌だなぁ……
とは思いつつも、座るしかない。
ガウッと吠えられでもしたらどうしよう。
「オイ」
と、ショウマが話しかけてくる。
すごい高圧的だ。マジで怖い……
「な、何ですか?」
「テメェ生意気な面しやがって…
この学校に入れたことがそんなに嬉しいかよ?あ゛?」
とガンを飛ばしてくる。
こういう手合いに下手に出たら、
ナメられると、
小学生の頃に学んでるんだ。
だから、睨み返す。
「あ?やんのかこ ら゛!」
ゴッ!っとすごい音が鳴った。
隣の席の、長い黒髪の眼鏡をかけた女の子が、ショウマの頭を殴った。
何の躊躇もなく。
「ってぇーな!何すんだヒナ!
テメェ!」
「何するもないです。
また喧嘩を売る……
そんなのだから貴方は
友達が私しかいないのですよ?」
わあすごいはっきり仰る。
この方容赦が無い。
「あぁ、星宮さん…でしたよね?
私は、
白石陽那。
特殊戦術科の治癒術師よ。そしてこっちのトゲ頭くんは、
桐生将駒。
異能力は『大地の響き』質量を操れるのよ。」
「ケッ、勝手に紹介してんじゃねぇよ
アm…グハッ!」
ドスっと脇腹に白石さんの拳が突き刺さる。
痛そうだ。意外と武闘派なのかな?
しかしヒーラー!RPGではパーティ必須級!
現実でも医療界では重宝される存在だ。
というか、
トクシュセンジュツカ?何だそれ
「えっと、トクシュセンジュツカって何ですか?」
白石さんは、何だか凄く驚いた顔をしていた。
「はぁ!?何よあんた!そんな事も知らないわけ?!」
なんか、典型的なツンデレキャラっぽい
つんざくような声が耳を貫く。
これも一種の魔術なのだろうか…
なんちゃって…
「特殊戦術科は、アタシたちが所属している科よ!基本的にこの棟の教室は1〜3年まで全員特殊戦術科よ!総員350名。
あんた入れて、351名になったわ!」
そう説明してくれた彼女は、
赤みの強いピンクのツインテ。
マジにツンデレキャラの王道な見た目だ。
目つきも鋭くてキツい。
なんか左目の中に桜みたいな模様がある。
どういう事だろう?
「アタシは桜庭煉!
異能力は『核熱操縦』よ!理力に爆発力を持たせて
ぶっ放せるわ!星宮って言ったわね?
アンタ、いい?アタシの足引っ張ったらブチ殺すわよ!」
なんたるバイタリティ。
これは是非ともパーティに入れたい!
あるのかはわからないけど。
「えっと、よろしく!」
「煉、その人困ってるだろ。」
と、嗜めていたのは、煉さんの隣
の席の黒髪の、ちょっと根暗そうな人。
「でもでも!ナオトラ!コイツ結構
骨ありそうよ!」
「それでもだ。ソイツはちょっと前まで
一般人だったんだ。俺たちのじゃれあいが通じるわけがない。」
「あぁ、僕は日延直虎。ナオトラでいい。僕とキミは友達になれそうだ。
異能力は……まぁ、
五、六限目の授業で見てもらえればわかると思う。」
「!……よろしく!」
と、彼と握手をしようとした時だった。
「はぁ!?ナオトラのくせに生意気ね!」
「いたたた!やめろっバカ!」
「バカじゃない!殺すわよ!」
と、取っ組み合いを始めてしまった…
俺にできることは何もないので静かに席に戻る。
しかしこのクラスのメンバーは皆……個性豊かだなぁ。
「はーいお話はそれで以上!
じゃ、HRの続き始めるよー」
という神凪先生の声で、皆席につく。
神凪先生て、あんなでも尊敬されているんだな。
「えー、今日の日程は、
一時限目が数学Iで、
二時限目が現代国語Ⅰ
三限目は魔術史学
四限目は理力基礎
五限目と六限目が、実践演習。
これで間違いないな?みんな。」
皆一様に、頷く。
一部を除いて……
将駒さんは不貞腐れてるし、
煉さんは、凄く観察してくる。
ナオトラくん…は、ボコボコにされて
痛そうだ。
一体どうなることやら……
第四話fin.
十五と申します!
いかがでしたか?
第四話、ずいぶん面白そうな人がいっぱいいましたね!
さぁ、次回は第五話「技能実習授業」。
お楽しみに!!!!!




