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天星UNFOLD〜占星術士の群青戦記〜  作者: 逢松十五
第2章 The starting at battles編
23/29

第十八話「土の理、星の導き」

ある日の放課後―


さて、この日はルイスさんから土生魔術を習うのだが、

図書館に来ても、いなかった。

特徴的な御人だ。すぐにわかると思うのだが……


いない……ちょっと早く来すぎたかな


「お待たせー、待った?」


「いえ!全然待ってません!」

「嘘だー、五分は待ってましたよね。」


何故知っているのだろう?

予知眼か過去視でも持っているのかこの人は?


「だって、僕ずっとこの図書館で探し物してたから。……ごめんなさい、僕が遅れたのはそのせいなんです。」


探してたもの?なんだろうか

でもこの図書館で探し物といえば……


「これだよ…」


と、彼が取り出した物は魔導書だった

その中でも土属性の魔術を特集した物。

つまりは専門書みたいな物なのだろう。


「仮にも教えるんです、教科書は必要でしょう?」


はいっと投げ渡された魔導書を

慌てて受け取ると、ページを開いてみた、まずは序章。

そこに書いてあったのは、こんな内容だった。

――――――――――


      土生魔術

       〜序〜


初めに、土生魔術とは五大属性魔術の中でも特に、

我らが大地の力を借りる魔術です。

此の魔術は地脈を読み取る力。

形成した後の形を想像する力。

そして、堅固な精神力が必要になります。

まずは土魔術の歴史から…(以下略)


――――――――――


とまぁ、物語が始まりそうになった

ので、そっ閉じした。


「あの、これ書物……」


「間違えてないですよ。大体の魔導書はそうやって、序章は歴史から始まる。

ちなみにそれは新約だけど、本当は旧約魔導書の方が…もっといえば原本の方が、本質がわかるんですよ?」


ま、そうなると古い表現や古語への知識と免疫がいりますけどね!と、にこやかに言われた。


「新約は効率重視だけど、旧約は大地への『敬意』が詠唱に混ざっているんだ」

と言うことだそうで、

魔術って言うのは思っていた以上に

奥が深い学問なのではないか?と思った。


まず始まったのは、土生魔術の歴史からだった。

土生魔術は元々、大地の怒り…

つまりは地震や地鳴り、地割れなど

そう言った力の強大さを感じた当時の魔術師が、それを魔術の式に組み込めたらなって感じで、作られたらしい。

だいぶ端折ったが、本当にそんな感じ。

「どへぇ……疲れた…」

ちなみに、歴史を1から100まで聞いたら、1時間と20分は掛かってた。


次に、この魔術の理論だ。

全ての魔術に言えることだが、この世界にある空気中の天然理力(ピュアエーテル)に干渉し、それに詠唱でイメージを流し込んで具現化する。

そして土の場合は盤石かつ荘厳なる大地をイメージする事が大切。と言われた。

そう言われても……わかんないんだけれども。


「あの具体的にはどうすれば……」


「ま、いったん詠唱してみるっきゃないですよ。グラウンドに行きましょうか。」


と言われ、俺はもう何が何だかわからないまま、グラウンドに居た。


「じゃあまず基礎の《土を生み出す魔術(テラ・マーテル)》から。」


『琥珀が如し創世の力を我に貸したまえ』


「《土を生み出す魔術(テラ・マーテル)》」


そう唱えた途端、彼の手のひらの上で、

土ができた。そしてそれは宙に浮いていた。そして、その土の理力を解除すると、地面に落ちてゆく。

そして分解された。

「はい、やってみて」

やってみて……か、いきなりはなかなか堪えるんですけれども。


「えっと……」

『琥珀が如し創世の力を我に貸したまえ』


「《土を生み出す魔術(テラ・マーテル)》」


理力が身体中を駆け巡る。そして、

手のひらに集中した。

土が…出てきた。だが、

空中に保持できない。まるで垂れ流しにしているかのように、作ったそばから、保持できずに落ちてゆく。


「はぁ、はぁ……保持…出来ないんですけど……」


「あー、それは…第二魔術(物体操作)と併用していたから。それがしたければ、そっちも習得しなきゃですよ」


先に言ってくれ。できると思ったじゃないか


「ルイスさん…大事なことは先に言ってくださいよ」


「ごめんね、

でもセンスいいですよ。理力の流れと背いた、動きのない物質を作り出すのは本当に難しいですから。」


フォローありがとうございます。

でもあれが自分もできるとワクワクしていた自分はもう消えないんです。


恥ずかしいので早いとこ仕留めてください……。


それはさておき、俺とルイスさんは

その日から、時々土の魔術を練習する事になった。


ルイスさんは、土魔術のお手本として、

土から石を作り、それを飛礫のように形成して魔術的な力で投げる…とかしていたけれど、まずそれをいきなりするのは無理そうだったので、

基本的には土を固めたりこねこねしたり…そこから始めることにした。

初めてから3日くらいして、

なんとか形を保つことはできるようになっていたものの、

だが、ルイスさんみたいに、

土魔獣を攻撃できる形で出力することはできなかった。


どうも勢いがのらず、威力が出るどころか、ひょろっと下に落ちていくのだ。

一週間経っても、全くコツがつかめなかった。


「星宮クン、今日は少し思考を変えてみることにするよ」


彼は突然そう言った。

大体習い始めて一週間経った日のだったと思う。


「え、なんですか?思考を変える?」


どういう事だろう?攻撃するっていうことを諦めるのかな?と思っていると、

彼は、俺の手を取ってしっかりと目を見て言った。


「気づいたんですよ、

戦いは攻撃も大事だけど、

守りが重要…君は僕みたいに土魔術での攻撃は、不得意そうだから

今回は守りを固める方向で行こうと思いましてね?

もしかすると飛礫の形にするって言うのが、君には少し難しかったかもしれません。守りの型なら、地面から生成した土を適当に壁にするだけでいいので、きっと簡単です!」


と、爽やかな英国紳士スマイルでそう言っていた。ちなみに彼はイギリス出身であるそうだ。

なるほど守り…

確かに自分は、今まで土属性に攻撃性のイメージを持っていなかったし、

むしろ堅固な守りのイメージが強かった。おそらくこれは性質的な問題で、

今後一生変わらないだろうとの事だった。

なので、俺の使う土魔術は

あくまで防御・防衛や障壁づくりに使うようにしようとの事。

それなら俺の土へのイメージとも合っているし、問題はなさそうだったので、

早速始める事にした。


「じゃあ、お手本です。

行きますよ?

牙城を築け―

石壁を作る魔術(デア・グローセ)』」


彼がそう唱えるや否や、

彼の足元、前方1メートル以内の地面は歪み、次の瞬間には大きな音を立て、

カーキ色をした、

ゴツゴツとした見た目の堅固な石壁が

そこにできていた。

おそらくは2メートル級はあろうと言う巨大な壁だ…一体どれだけの理力を使えばいいのやら…


「はい、まぁ僕の場合はこれでもかなり加減をした方ですが、いかがですか?」


なんとびっくりそんなに理力を使って

いないのだそうだ。


「や…びっくりですよ…こんな事ができるんですね」


「まぁ、僕は…自分で言うのも憚られますけど、一応土系魔術師の最高峰ですから。あまり基準にするべきではないと思います。」


確か土卿(サー・ゲーノモス)と呼ばれるすごい存在…なんだっけ?

なんでこんなすごい人が、日本にいるのだろう?今更ながら気になってきた。


「ま、とにかくやってみましょうか」

「あ、そっか、了解です!」

そうだった、忘れかけていたが、これは一応石壁を作るための訓練。

今はそっちに集中しなければ。


「じゃあ、行きますっ……」

「はい、頑張って」


神経を……集中させる

イメージは目の前にそり立つ壁が

できるイメージ。

魔術はイメージの世界(と、前に伊月から聞いた)

ただ唱えるだけじゃ、発動しても不発。

詠唱はどう言う意味がある?

「牙城を築け」そう命じている。

そのままの意味であれば、これはつまり

城の壁のように頑強で、何人とて打ち破れぬ不落の城を作ると言う事なのだろう。理力を練り上げる

そして…


「牙城を…築け―

『デア・グローセ』!!!」


そう、叫んだ。

その瞬間、頭からつま先まで

理力が一気に全身を駆け巡った感覚が来たかと思えば、足元に向かって

理力が流し込まれていく。

半自動的に

ぶっつけ本番。流し方なんか知らないから、すごくロスをしたのが感覚でわかる。でもいい、

好感触だ。だって魔術式を

足元に流せたのだから。

イメージだけはできている!

そして、理力が形作られ、

地面が隆起し出す。

これまた凄まじい音を立てて、地面から石壁が建立される。

だが…おかしい


「な、なんで、」


前方だけじゃない、

後ろも、横も……前後左右全てを

少し白みの強い石壁に囲われてしまった……


「なんでこんな事にー!?」

「あちゃー、詠唱の通りにイメージしちゃったかぁ…」


どう言うことだろう

詠唱の通りにイメージした?

いや、確かにそうかもしれない。

牙城を築けなんて言うから、それでイメージした節はある。でも流石にこれは…

いや、通りで、

すごく理力を持ってかれたわけだ。後ろまで壁を立てようものならそれはそうもなる。


ルイスさんは少しコツコツと壁を叩いていった。


「あっは、しかも固い。

君たち魔術の中でも防壁系に才能あるかもですねこれ。」

(これは、とんでもない子を発掘したかもなぁ、ワクワクしてきた!)


まじですか、俺これからこの魔術極めればいいんですか!


「うーん…さてとどうしよう…

これ壊さなきゃだけど、自分のじゃないから解除もできないし……君、解除方法はわかるかな?」


「え、何それ知りません…」


そういうと、ルイスさんは唖然として顔を青くしていた。

もうそれからは大変だった。

二人が傷つかないように、慎重に魔術で

石壁を削り、穴を開けて脱出した。


まぁ、なんやらかんやらあったが、

一応、俺は土魔術基礎を習得した。

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