28話逃走中
この日は、前回魔族がいたスラムをもう一度
念入りに、調べることにした。
スラムの至るところを調べてみたが、
特に、何も見つからなかった。
(流石に、同じ場所には残さないか。)
ここにいても、意味がないので店通りの
方に戻る。
(あの首飾りは、手がかりなのは
間違いない。首飾りに関して何かわかれば
いいが・・・)
首飾りについて考えていると前から
3人の子供が仲良く走ってくる。
おれを、通り過ぎようとした時におれは
見た。1人の子供に魔族が付けていたのと
同じ首飾りが首についていたのを。
「おい!ちょっと待て!」
急いで、子供たちを引き止める。子供たちは
一瞬、ビクっと震えて
『うわぁぁぁぁぁぉぁぁぁ!!!』
悲鳴をあげながら全力でおれから
逃げ出した。
せっかくの手がかりを逃さないために
子供たちを追いかける。
「何故、逃げる!」
『うわぁぁぁぁぁ!!』
追いかけながら、言うとさらに、悲鳴を
だして走る速度を速める。
こちらも、速めるが子供たちは地の利を
いかして走っているからなかなか距離が
縮められない。
(くそ!何故、こんなことに無駄な時間を
費やさなければ、ならないんだ!!)
どうこう考えているうちに子供が別の道に
入る。
「チィ!影の鎖よ。我が望みに巻きつけ。」
『チェーンブラス』
影から鎖が出現し子供たちを追随する。
「うわ!何だこれ!?」
「うっ動けない!」
「きゃあああ!!」
子供たちに、鎖から逃れられるわけもなく
簡単に捕まった。ゆっくりと子供たちの
前まで行く。
「ようやく、捕まえたぞ。」
「くそ!!離しやがれ!!」
「だっダメだよ!騎士様にそんなこと
言っちゃ!」
「お願いひどいことしないで!!」
どうやら、おれがひどいことするために
呼び止めたと勘違いして逃げたらしいな。
「落ち着け。別に、そんなことのために
呼んだわけじゃない。君が、持っている
その首飾りについて聞きたいことがあった
からだ。」
女の子が、持っていた首飾りを指差して
言う。
「これのこと?」
「そうだ。その首飾り一体どうして
持っている?」
「えっとね ー。騎士様から貰ったの。」
女の子が、気になることを言ってくれた。
「騎士様?」
「うん。騎士様が落とした物を拾ったら
お礼にくれたの。」
その騎士様が、どうも怪しいな。騎士
となると王直属の兵だ。それが
魔族ともなるといつでも、王を殺せるという
ことだ。
(だが、王は今も健在。王を殺す機会は
あったはず。王を殺すことが
目的ではない?それに、あの魔物。あれも
普通に生まれたものではない。魔物の後に
魔族。タイミングが良しすぎじゃないか?)
「騎士様?」
(もしかしたら、あの魔物も魔族が作り
だした物?だとしたら、説明がつく)
「あのー」
「あっあぁ。すまない。その騎士様は
どんな格好をしていた?」
「髪は緑色で短くて、綺麗な女の人!」
「女だと?間違いないのか?」
「そうだよ。ねぇ?」
「女の騎士だったぞ。」
「うん。、女の人だったね。」
他の2人も同意する。
「・・・そうか、情報感謝する。」
魔術を解いて情報料として銅貨を2枚ずつ
渡す。子供たちは喜んで帰っていった。
(女の騎士となると心当たりは1つ
しかない。しかし・・・)
その日は、もう宿に帰りレイの連絡を
待った。




