29話首飾りの謎
昨日の追いかけっこから5日後、首飾りに
ついてわかったと連絡が入り塔に向かう。
「いや〜待ってたわ。」
ソファに寝転がりながら手を振ってくる。
「首飾りについてわかったと聞いたが?」
「うん。あの首飾りは、魔力を通して
遠隔で魔術を発動させる。いわば、
魔術発動装置ね。」
「魔術発動装置だと?」
「そう。要石って知ってる?」
「見たことは無いが、聞いたことはある。」
要石、その石に魔術を放つと吸収しその
魔術を保存することが出来るらしい。
そして、保存された要石に魔力を通すと
保存された魔術が発動するらしい。
「その、要石がこの首飾りについている宝石
なのよねー。」
「確か要石は見つけるのはとても困難だと
聞いていたが?」
「まぁ、正確にはちょっと違うかなー
正確には、要石の複製品かな。」
「複製だと?」
「劣化版とも呼べるかな。本物と違って
1回しか使えないし、せいぜい中級魔術を
保存出来るぐらいでもそんなことは
どうでもいいの。1番、重要なのは保存されていた魔術の方。」
要石を複製のことでとかなり重要だと
いうのにそれよりも重要なこととは。
「この要石に、保存されていた魔術は自分の
魂を相手に植え付ける魔術。さしずめ、
憑依魔術といったところかな。」
「・・・憑依魔術。」
「この魔術で見た目は亜人、中身は魔族って
いうのが出来ちゃうわけ。」
なるほど、だから殺しても解けなかったのは
亜人の身体だったからか。確かにこの魔術は
危険だ。昨日まで隣にいた奴が魔族に
成り代わっている可能性だってあるのだから
「何か、対策はあるのか?」
「一様ね。」
机の引き出しから手の平ぐらいの大きさの
箱を取り出した。
「この箱に魔力を注ぐを光るように
仕組まれてる。魂を植え付けられてる亜人に
この光をかざすと赤く光るわ。」
そう言って箱をおれに渡してくる。
「この首飾りが1つだけとはとても
考えられない。多分、もっと出回っている
はずよ。」
「そのことだが、昨日、子供が1人持って
いたのを回収した。」
「そう。・・・本当に急いだ方が
いいかもしれない。手遅れになる前に
早く大元を見つけないと・・・」
「その前に、1つ質問があるのだが・・・」
ある1つの疑問を問いかける。
「うん。間違いないよ。」
答えを聞き、自分の推理に確信を持てた
おれは、席を立つ。
「・・・よし、わかった。後のことは全て
おれに、まかせて休んでいろ。」
「わたしが頼んだことだし何か手伝うよ?」
「きさまは、もう十分、手伝ってくれたさ。
残りは、おれの仕事だ。」
そう言い残しておれは部屋を後にする。
(そうだ。この仕事はおれが1番
ふさわしい。あいつにやらせるわけには
いかない。)
心の中で決意して塔を出る。




