第66話 出遅れた者達の競走曲!
朝ご飯を食べてすぐ運動はキツイと思います。一番出入り口から外へ向おうとするボクの足をプテレアの蔓が引っ張った。いつもなら踏み止まれたかもしれないけど、ボクは今朝までずっと眠っていたし今は食後だ。
「あっ」
突然足を引っ張られたので思わず地面に両手の平を向け倒れこむ、両手で持っていたダイヤの盾は前方に放り投げてしまった。
皆が見ている前で宙を飛びノーバウンドで秘密基地の地面へ落ちていく盾。現在進行形で地面を貫通し落ちていく盾に唖然となる皆。
「ぎゃぁぁぁぁぁっぁぁあぁ!?」
絶叫するプテレア、揺れ動く秘密基地、地面に落ちたと思われたダイヤの盾は擬態仕様のプテレア秘密基地の地面を貫通してめり込んでいく、まるで豆腐か何か柔らかい物をえぐるかのように、盾が30cmほどの穴を開け続けて落ちていく。
咄嗟に【舞盾】を使い盾を持ち上げ回収する、開いたばかりの穴からは緑の液体が止め処なくあふれ始めていた。
「なんでやねん! どう見てもそんな重そうに見えへんで?」
「だってほら? 今手に持ってるけどボク平気だよ? 貫通して落ちていかないし……」
ボクが手に持ったダイヤの盾はさほど重いようには見えないし、持った状態で地面に足がめり込むような事も無かった。
涙を流すプテレアが穴に蔓を突っ込んでフーフー息を吹きかけている……
「そんなに重いかな~」
「私持ってみたいです、それって宝石ですよね?」
レイチェルの琴線に触れたのか目をキラキラ輝かせて手を伸ばしてくる、ボクは肯きゆっくりと盾を渡そうと――
「ダメですー! 主殿は今後一切この秘密基地の中でその盾を出す事を禁止でお願いしますー! 今完全に貫通して地面の底の土にまでめり込んでましたよ!? 進化してなかったら泣いてましたよ!」
普通に泣いていたプテレアは、すぐさま蔓を伸ばしボクの全身を絡め取り盾ごと動けなくする、盾を渡すどころでは無くなった。
公開蔓縛りは遠慮願いたい……それでも触ってみたいのかレイチェルは手を伸ばし盾をボクの手から取り上げようとした。
「何これ……重くて持ち上げるどころじゃないです」
「これはやばいで……」
レイチェルと一緒に手を出したルナが盾を持ち上げようとして諦めた。どうやら冗談でも何でもなく普通に重いらしい、でもボクは普通に持っていられるし地面に影響は無さそうだ。
とりあえずスマホに収納してプテレアに目を向ける。
『カナタ芋REVOLUTIONユグドラシルLv1642(プテレア)』
左目が反応して鑑定してくれる、どう見ても普通の進化をしていないプテレア……ん? ユグドラシル?
「プテレアのレベルが993から1642まで急成長してるのはとりあえず置いておこうかな、一つ聞いて良い?」
「ここ七日間ほど大量に魔力をいただけたので頑張ってみました!」
「うん、それは良いよ? プテレアは世界樹の種って知ってる?」
何故か葉っぱのドレスを脱ぎ始めるプテレア、肌は緑っぽいけどすらっとした手足に豊満な胸、くびれた腰、思わずマーガレットが舌打ちするくらい抜群のプロポーションだ。
下腹部を覆う手をプテレアが退けるとそこに現れたのは――透き通り内部が見える小さな丸い窓のような肌で、人間の女性であれば大事な臓器があるであろう場所に浮かぶ一つの種。
『元世界樹の種』
「世界樹の種が元世界樹の種になっちゃってるよ!? ボクが無くしたと思った世界樹の種――プテレアが食べてたの!?」
「え? 主殿が初めてここを訪れた時にくださったじゃありませんか? もう私の一部として根付いてますよ~」
どうやら穴を滑って初めてここに来た時に落としていたようだ……
微笑み愛おしそうに下腹部を撫でるプテレア、その姿はまるで聖母のような神聖なモノに見えてしまった。
こうなるともう返してとは言えないし、取り出すのは多分プテレアに傷が残る。こちらを見るルナやメアリーも泣きそうになっているところを見るとここは他に選択肢が無い。
世界樹の種は今度愛姉に頼んでもう一個都合してもらおう、植える理由だって転送用の目印的な事をアウラが言っていた。少し遅れても問題無いよね?
「まぁ、深く考えるのは止めよう、プテレアも進化おめでとう!」
「これからも主殿の為に頑張ります!」
「そろそろ移動しないと冒険者がここまで来るんじゃ?」
抱き合ってプテレアの背中を撫でていたボクにマリヤが問いかける。
すっかり忘れてたけど今何故か冒険者に包囲されそうになってるんだった。とりあえず外に出てどう言った理由で包囲しているのか聞かないといけない。
「とりあえず事を荒立てたくないし外に出て事情を聞くよ?」
「二番出入り口を開けておきますね~」
プテレアがそう言うと二番出入り口のある場所の壁が開く、エスカレーター式の階段へと乗り、急いで事務所の隠し扉へと上がっていく。後ろでメアリーが『私達はコカトリスを狩ってました。だよ?』と謎の言葉を皆に言い聞かせていた。
懐かしい感じがする扉を開け久しぶりに太陽の下へと体を晒す、目を閉じたまま大きく背伸びしてユックリと目をあける。
事務所の前にはシェルトマトを売る台が置いてあり、全長2mは有るラビッツ達がつぶらな瞳でお客様を見つめていた。奪い合うようにシェルトマトを買う奥様方が集まりトマトは飛ぶように売れている。
「あら、何か久しぶりに見るわね? コカトリスいっぱい取れたの?」
「えっ、あ、そうですね~加工が終わったらまた売りに出すのでどうぞよろしくお願いします」
名前は知らないけど主婦連盟の人だったと思う、さっきメアリーが言っていた事が何と無くわかった。
ボクが眠っていた間はコカトリスを狩りに出かけたという設定で行くのかもしれない。メアリーを見ると静かに肯きスマホ子機から鳥のササミの燻製のようなモノを出し、事務所前の奥様方に配り始める。
「試供品です~是非一度お試しください~高タンパク・低脂肪・各種ビタミン豊富でダイエットにも向いていますよ~」
手元の紙を見ながらメアリーがそう言うと、奥様方の視線が手に持ったコカトリス燻製に釘付けになる。
あの紙は多分アヤカの書いた物だろう、高タンパク低脂肪辺りはまだ理解出来たようでも各種ビタミンはよくわかって居ない気がする。栄養素の事を聞くとラビッツ・肉・硬パン・野菜とか答えが返ってくる世界だしね……
ついでなのでカナタ芋飴を作る時に出た副産物、芋の繊維を解して乾燥させた粉を詰めた瓶をメアリーに渡し効能を説明する、いわゆる食物繊維の粉だ。これは水に溶かして飲んで良し、飲み物に加えて良し、料理に混ぜて良しの簡単お手軽食物繊維として売りに出す予定の品で、宣伝するなら今ここだと思う。
瓶を受け取り説明を聞いたメアリーは驚愕の表情を浮かべ、『ここは任せて! 皆先に行ってて』と言いレイチェルと二人奥様方と色々お話するそうだ。メアリーが簡単に説明したのか奥様方の視線はコカトリスの燻製を忘れたかのように瓶に集中している、これは今後生産が追いつかなくなれば血を見るかもしれないね……
視線を事務所があるロッズ&マリアン亭の敷地一番奥の壁に向ける、隣り合うリトルエデン本拠地の壁へ繋がる縄梯子がかけてあった。
「ラビッツ達どこ行ったんやろか……」
「シェルトマト全部売れたから畑に戻ったんだと思います。売り上げの入った瓶そのまま放置してますけどね……」
ルナとレッティが何かお話ししている、いつの間にかラビッツ達はいなくなっており、事務所前には一つ銅貨2枚と書かれている台と銅貨が入った瓶が残されている、先ほど事務所に入ったレイチェルが顔を出し瓶を回収していった。
もしかしたらラビッツ達を座らせてシェルトマトの無人売りを行なっていたのかもしれない?
「おい待て、止めろー! アッー!」
縄梯子のかかった壁の向こう側――リトルエデン本拠地から悲鳴が聞こえた。気のせいか聞き覚えがある気がする。
プテレアが一部擬態を解いたのか壁が無くなり人が通れるようになった。急いで皆そこを通り隣へと移動する。
「おい、待て! それはまずいだろ、まって! アッー」
「「「「「「オレ達は無実だ!」」」」」」
「何やってるんですかオルランド達……」
隣に移ったボク達の目の前には、プテレアの蔦で逆さに吊るされて蔓でペシペシされているオルランドと愉快な仲間達がいた。
「もしかして芋泥棒に――」
「いや! 全然違うからな? 昨日までリトルエデン本拠地の周囲警戒依頼が出ていたが、今朝それが解除された。帰ってるかわからなかったがオレ達は知らせに来たんだよ! 兎に角下ろしてくれ!」
どうやら親切心で集まってくれたようだけど……リトルエデン本拠地周囲の警戒依頼? ボクが眠っている間に何があった。
「一体何があったら警戒依頼なんて出るのかな……ボクが眠って――」
「あーあー! うちらはコカトリス狩っててんな~カナタがカッコ良くコカトリス倒す姿を見せたかったんやけどな!」
ルナが急に大声で喋りだすとヒップアタックをしかけてくる? あぁ、そう言えばそんな設定だったね。
「眠る? お前らコカトリス狩りに行ってたんだよな?」
「そうです! コカトリスのお土産で今度宴会するので招待しますよ!」
「おおう! それは楽しみだな、よろしく頼むぜ!」
プテレアがオルランド達を解放すると姿を現す、ここはまだ門の前なので普通に歩いて畑から来たみたいだ。
ちょろいオルランドは宴会の話しに気を取られてボクの失言を忘れたみたいだし依頼の事を聞いてみよう。
「それで何で警戒依頼何て出てるんですか? 何か緊急事態でも?」
「それはだな――」
「その事については私が話そう!」
マリアの声が聞こえる、門の外から……気を利かせて開門するガルワン、門の側で何故かスコールが干乾びそうになっているのが謎だけど。
オルランドはやれやれと肩をすくめ、一歩下がると門の外から入って来たマリアに場所を譲る。
「リトルエデン本拠地で未確認の魔物が見つかったと、王都冒険者ギルド所属の冒険者からの通報があってね、不本意ながら周囲警戒依頼を出さざる終えなくなった次第でね、いや私は出したくなかったんだよ? そこは考慮してくれたまえ」
マリアは偉そうに言いニヤニヤとこちらを見ている。
誰この人? あっ、マリア領主様仕様なんですねわかりました。
「で? どこに魔物が?」
ボクの問いかけに無言で上を指差すマリアとオルランド達、上を向くとそこには……
別段おかしい物は無い、空と大きく育ったプテレアの木が目に入るだけだ。
「見えない魔物ですか?」
「本気で言ってるのかね?」
ため息をつくマリア、振り返ると何故かプテレアがルナの後ろに隠れようとしている。どう考えてもルナの方が小さいし皆の視線が集まり犯人が誰か分かってしまった。
もう一度上を向くと大きく育ったプテレアの木が目に入る、そう……トンでもなく大きく育ったプテレアは町の結界を軽くぶち抜いて外にまで伸びていた。
「カナタ芋の木が何か? 当方では未知の魔物は確認出来ません、依頼も取り消してくださいね」
しらを切り通す事にする。だって実害出てないし誰にも悪い事してないよね?
「「カナタ芋の木?」」
「最近皆が食べているカナタ芋が取れるのがこの木ですよ?」
惚けた顔でクエスチョンを飛ばし始めるマリアとオルランドに答える。
「え、だって芋は地面に――」
「カナタ芋ですから、そこら辺の芋と一緒にしないでくださいね? 色々な食べ物に加工されて今やこの町の主要スイーツの一つにだって上げられているんですよ?」
適当な受け売りだったけど『そう言えばあの酒場に最近人気のアイスが……』とか呟き始めたオルランドを見てマリアも思い当たる節があるようだった。
念には念を、権力者には賄賂を……そっとマリアだけに見える位置で加熱蜜結晶の入った瓶をちらつかせる。
こちらに気が付いたマリアの顔色が変わり事態は収束へと向っていく。
「カナタ芋ならしかたありませんね~私の方で処理しておきます。それは、それとして……ちょーっと最近疲れ気味で甘いモノが食べたいな~とかお母さん思うんですよ?」
猫撫で声で近寄ってくるマリアの懐に加熱蜜結晶の瓶を一つと芋飴の瓶を一つ滑り込ませる――誰にも見られていない大丈夫だ。
「町の結界については部分的に解除で何とかするので、プテレアに結界から出た部分くらいは守るように言ってくださいね」
耳元でそう言い離れて行くマリア、きっちりプテレアの事はばれていた。
「それと……緊急依頼カカオマス捕獲戦がもう始まってるんですけど、登録終わっているのなら行かないと罰金ですよ?」
「オレ達もそれを言いに来たんだったぜ!」
「なんですとー!?」
後ろを振り向きマーガレットの顔を見る、目をそらされた……アレは多分忘れて顔だね。
「場所はどこ? 時間制限有り? 間に合う? カカオマス採り尽くされたりしない!?」
一気にまくし立てると、ふんぞり返ったロッティが前に出てきてガルワン達の愛の巣の隣を指差す。
「こんな事もあろうかと馬車を――」
「うちら皆で作ってんで! リトルエデンオリジナルやで!」
ロッティを押しのけルナが愛の巣の隣の扉を開ける……気のせいか前はこんなに大きくなかった気がする馬車置き場には、馬車と言っていいモノか悩む建造物が鎮座していた。
「何にこれ……亀甲船にラッセル車を足して戦車で割ったような?」
目の前に現れたのは建造物Xとでも言えば良いのか、馬車にしては前後に長く目視で軽く10mはあるし高さも5m近くある、横幅も5mくらいありそうだ。
正面に装着されたエッジの鋭い盾? は軽く前面5mほどを覆い尽くしているし、屋根を覆う硬皮の盾? も馬車と言うより亀甲船だ。ところどころに外を見る為か30cmくらいの透明な硬虫の羽製だと思われるガラスっぽい何かがはまった窓が付いている。それに一番重要なはずのタイヤに相当する部分が目に見える場所に付いていない?
遠くから眺めているとラビッツ達が物体Xに近寄っていく、前面の盾の後ろ側に丁度ラビッツ達を固定できるような器具が着いた場所があり、ラビッツ達はそこに歩いて行きこちらを見て『ラビッ!』と一鳴きした。
「名前は皆で決めるんだ。カナタの得意な結界魔法を併用すればどんな悪路も森もそのまま木々をなぎ倒し突っ切る事が出来るぞ? ほかにも……」
唖然とするボクの目の前で手際よくラビッツ達を固定していくクラン員達……いつの間にかやってきたロッズが自慢げに仕様を説明しはじめた。
前面のエッジが鋭い盾は巨人の盾と呼ばれるロッズ秘蔵のお宝盾で、使える者が居ないので倉庫の屋根として使っていたそうだ。
「他に悪路走行用に「アヤカが考えたのよ!」特殊なタイヤが――」
両手を上げてアピールするアヤカの考えでタイヤは普通の馬車と違い戦車のそれへと換装されていた。キャタピラを装着した馬車とかはじめて見る……でもそれあちらの世界で誰かが考えたやつでアヤカは覚えていただけだからね!
「基本は黒鉄杉材を使用しているが、メインの駆動部や特殊タイヤには竜皮を始めミスリルやアダマンタイト・軽鉄などを使用してカナタの魔力との親和性を高めてあり――」
ん? レアっぽい金属の名前が出てきた。ミスリルは銀の上位版だっけ? アダマンタイト? 軽鉄?
良く分からない金属がある、馬車をじっと見つめると……
『ミスリル』
非常に高い魔力伝導率を持つ魔法金属。
(銀が超高密度の魔力を受けて自然に変異した鉱物)
:魔力増幅
『アダマンタイト』
非常に硬い金属で魔力伝導率は最低。
(自然型地下ダンジョンから稀に産出される)
:超硬度
:魔力遮断
『チタニウム』
非常に軽く並程度の魔力伝導率を持つ金属。
(自然鉱物)
:耐腐食性
おおう……軽鉄はチタンの事だったのか、それにしてもこんな高そうな金属ふんだんに使ってもらって大丈夫なのかな? 一応リトルエデンで結構稼いでるみたいだけど……
何か紙の束が落ちる音が聞こえて振り返ると、メアリーが手に持った設計図を地面に落とし口元をワナワナさせながらロッズにつかみかかっていた。
「全部お母さんに言いつけるからね! 私言ったよね? 組み立てるだけで良いって、何でこんなに改造してるの!? 冒険者時代に集めた秘蔵の素材までふんだんに使って……自分が使った素材がいくらするか分かってるの!? 払えなくは無いけど、今は大事な時期だから改造はまた今度って言ったよね!!」
「しかし、だな、未完成品を途中で使うのはどうかと思って……それにこれはオレのさいふ――」
ロッズが自腹を切るとか言いかけた瞬間メアリーが切れた。ロッズの両手をクロスさせ背負うとそのまま持ち上げる、その体勢から飛び上がり回転を加えながら地面に突き刺さす……ロッズの頭を。
無手の倒立をしたままのロッズを放置しメアリーはこちらへ戻ってくる。
「ふぅ、カナタごめんなさい、リトルエデンの資金が大分減っちゃうかも……」
「必要経費だし良いよ?」
メアリーは何事も無かったように言って、無言で事を見守っていた他の皆と一緒に準備に取り掛かる。メアリーを怒らせないようにしよう。
そしてロッズ、地面が土剥き出しのリトルエデン本拠地で良かったね……
「お、オレ達は先に行ってるからな? 全力で走れば間に合うくらいだからな。その……馬車を使えば多分追い越して一番初めに着くんじゃねえか? 東門の外に出れば多分道は分かるぜ! じゃあ後でな!」
オルランド達が逃げた。危険を察知したのかマリアももう帰ってて居ない。
何を準備すれば良いか分からないけど普段の冒険用装備一式で良いかな?
「カカオマスって確かバナナの木みたいなのに生ってたような……黒鉄杉の槍があれば何とかなりそうかな?」
皆が準備している間遊んでるわけにも行かず、とりあえず【超硬化】をかけて回る。
ラビッツ達の視界確保の為少し巨人の盾を位置調整する、これラビッツ達の方が盾より上に顔を出してるけど切った木が直撃しないのかな……?
最終チェックを一緒にやっていると、どこかよそよそしく挙動不審な感じがするロズマリーがやってくる。
手には大量の特製サンドイッチが入った籠を抱えており無言で手渡してくれた。
「ありがとうございます、お土産楽しみにしててくださいね~」
「あぁ、楽しみにしておくよ……戻ったら話しがあるさね、あたいの部屋へ来てくれないかい?」
「? 了解しました! 日帰りで行ける距離みたいだし多分行けます、大丈夫ですよ~」
「あぁ……楽しんで来るんだよ」
何か様子がおかしいロズマリーに首を傾げながら建造物Xへと乗り込む準備を進める。
さぁ、カカオマス狩りが始まるよ! いっぱい採れたらチョコレートやココアに加工して一儲けするよ!




