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ボクが異世界?で魔王?の嫁?で!  作者: らず&らず
第2章 ピースフルデイズ
61/224

第51話 久しぶり?会いたくなかったよ!

 冒険者ギルド地下1F、円形闘技場の中央付近で、オルランド率いる冒険者達は、ハニカム材から蜜を瓶へ移す作業を行なっている。ややこしい事に幼虫は肉食で、女王が食べる用の蜜はまた別に保管してあるそうだ。


 ボクはうつむき涙を流して一人考えていた……


「カナタ!」


 名前を呼ばれて顔を上げると、ルナの放った渾身の猫パンチがボクの右頬を襲う。


「ギャース! うちの右手が……」


 響き渡った悲鳴はルナのモノだった。右手を押さえてうずくまるルナ、余程全力でパンチしたのか右手は指が変な方向へ曲がっている。絶句するクラン員達、急いで治療をかけようとするとルナは自分で治すようだった。


「その……ごめん?」

「カナタが考えている事なんてうちら全員わかってるで? めそめそする暇があったら強くなるんや! もうアノ日の様な事は二度と起こさへん……次は絶対に皆で勝つで! うちらはカナタを守るから、カナタはうちらを守ってや!」

「これでも私達強いんですよ! 師匠とタイマンなら勝てるくらいです! ボスに勝てる人は居ませんけど……」


 ルナとアンナが一緒に励ましてくれる、メアリーとレイチェルはなでなでしてくれている。

 ジャンヌはボクの頭を後ろから抱き『大丈夫』と言ってくれる。

 レッティとロッティ! いつの間にかロッティが居る? は名前が似ているからか何故か張り合っている、ロッティの馬鹿がうつるといけないので後でレッティには忠告しよう。

 ロニーとミリーは初めボクを撫でていたけど、蜜蝋を搾り取ったカスが肥料になると言う事をオルランドから聞くと、そちらの回収に忙しいのかあんまりこっちを気にしなくなる……ブレ無い子達だ。

 まだ名前も教えてもらっていない子達は、ドサクサに紛れて名乗ろうとして……両手を大きく頭上に上げたルナに威嚇されていたりする。


「皆ありがとう! ボクは豆腐メンタル過ぎるね……少しずつ変わっていけるようにがんばるね!」

「「「「「「豆腐?」」」」」」


 何か変な所に反応される、大豆は有るみたいだし今度作ってみようかな?

 和気あいあいとしたリトルエデンの皆を他所に、いつの間にか回りが静かになっている事に気が付く。


「お楽しみのところ悪いんだが……やばい事が起きそうだぜ! オレ逃げて良いか?」


 オルランドは青い顔で天井を指差すとそう言った。

 天井には巨大な魔方陣が広がっている……この光景はあの時の!?


「全員ボク達の後ろへ! 素材もアイテムも捨てて早く!! インクローズバリア! 守れ盾達よ! 我に害なす者を討て【無垢なる混沌】!」


 思いつく限りの防衛線を張る、インクローズバリアはハニカム材を参考に六角柱が重なり合った多層に渡る立体的な結界に変更してあり、【舞盾】は咄嗟に使ったわりに落ちていた盾を全て浮かせ防衛にまわせている。実戦では初めて使う【無垢なる混沌】も怪しい挙動は見せていないので大丈夫そうだ。

 魔方陣は光り輝き中央から黒い影が染み出てこようとしている。


 さて……鬼が出るか蛇が出るか。


「やっと巣を出したね、我はずっとこの時を待って居たんだよ?」

「キングWARビー……」


 魔方陣から現れたのはあの時ボクを攫ったキングWARビーで間違い無さそうだ。円形闘技場は沈黙に包まれ、ボク以外誰一人声を出そうとしない。


「少し見ない間に大分強くなったようだね? 魔王様に気に入られたのかな?」

「何をしに来たの……返答次第じゃこの町全ての冒険者を相手にする事になるよ!」


 ボクの問いかけにここがどこか探っていたようで、器用に驚いた顔を浮かべるキングWARビー。


「さて……我でも、その幾重にも張り巡らせた防衛を突破するのは至難の業だ。よって、この町全ての住人を人質に取り要求する」

「ふざっけんなよ!! お前一匹でどうなると思ってるんだ! この町には冒険者が沢山いるんだぜ? すぐに討伐してやるぜ!」

「少し黙っててください……」


 相手の要求がわからない、出来るならこの場所で戦いたくは無いし、町には戦えない人が沢山いる。


「我は皆殺しにした後……用事を果たしても良いんだよ? いや……あのお方の気配が近いか……」

「皆殺し? ボクの……大切な人を奪うと言うのなら……コロシツクシテヤル!!」


 視界が赤く染まる、まるでテレビを覗いているような、自分の視界なのにずれた位置から見ているような……不思議な感覚が訪れる。【無垢なる混沌】がボクの意思を受け広がり魔法陣の下へ移動する、後は一声かければ邪魔な蜂ごと天井を破壊する事が出来るだろう。


「我冗談だ。怒らないで欲しい、用件は唯一つ。その残っている我が娘を救いに来た。」

「むすめ……?」


 器用に全ての手足に白い布を持ち地面に降りてくるキングWARビー。

 視界に色が戻る、ボクは何故天井を破壊しようとしていたのか? そんな事をすれば上にある冒険者ギルドが倒壊する……


「頭がくらくらする? 何故かな……まぁ良いや。それより娘って?」

「その三つの女王蜂ハニカムの最後の一つだ。返してもらえるなら、我は今後二度とこの町に姿を現さない。『夢魔の楽園』にあるダンジョン『愛の養蜂場』に戻り平和に過ごす事を約束する――」

「【絶壁】! 信じるなよ!? 魔物の王が言う言葉など信用出来るか! それに何で今更出てきたんだよ! 三匹の内二匹はオレの剣の錆びにしてやったぜ! どうした! かかって来ないのかよっ!」


 勇敢にもオルランドは一歩踏み出し、キングWARビーの前へ出る……かと思いきや、ボクの後ろから顔だけ出し罵詈雑言を吐き始める。


「おっと手が滑った~」


 オルランドの首根っこを下からすくい上げる様に掴むとキングWARビーとボクの間に放り投げる。


「のぉぉぉぉっ! ちょま、簡便してくれよっ!」


 両手両足を器用に使い、G虫のように這い戻ってくるオルランドにルナが冷たい視線を送る。


「左目で見るよ? 要求を飲む条件その1ね」

「我了解する」


『キングWARビーLv563』


「レベル563か……」

「「「「「「Lv563!?」」」」」」


 レベルを聞くなりオルランドは、ボクの後ろへ引っ込み盾で顔を隠している……

 倒せなくは無いかもしれない、でもそれはボク一人で戦った場合だ。


「質問するよ? 条件その2ね」

「我了解する」

「何故二人の冒険者が巣で食べられていたの? 愛姉(あいねえ)の命令で人を襲わないように言っていたんだよね?」


 キングWARビーはどこか遠くを見つめるような仕草で天井を見る、そして再び正面を向き直すと言った。


「クイーンWARビーの独断だ。連帯責任で三匹とも首を差し出させた」

「そう……ならいいよ」


 あの時女王蜂が動かなかった理由……無抵抗で殺された訳が分かる。そしてこちらの被害は実質ゼロだ。

 その上で痛み分けを向こうから申し出てくるのなら、落とし所はここ以外に無いだろう。


「ボクは要求を呑んでも良いと思う」


 後ろを振り向くとリトルエデンの皆は悔しそうだけど肯いている……ルナが居ない!?


「ガァァァウ!!」


 キングWARビーの死角――頭上にルナが現れる!?


「ふん……」


 ルナが振り下ろした渾身の一撃は、避ける素振りすら見せないキングWARビーの羽を二枚引き千切り、次の瞬間にはルナがボクの後ろへ戻ってくる。


 瞬間移動? 高速移動? あのスキルが発動している様だ。

 ルナの瞳は赤黒く輝き、動くとその軌跡を残していた。


「これは条件3かな? 我は娘の命を望む」


 キングWARビーは動かない……ルナが殺されるんじゃないかと冷や汗が出た。


「ルナ……命大事にだよ? ボクはここに居る」

「くぅ~ん……」


 ルナは尻尾を伏せ、うつむきながらボクの服をつかんでいる。


「オレ達は納得していないぞ!」

「我、人の性質を学んだ。コレを……」


 キングWARビーがこちらに向かって何か投げてきた。丸い物体を一つ、イデアロジックを一つ、そして大きな宝石の原石を一つ。

 拾って鑑定してみると……


『ダンジョン核』

 魔物の王を産み落としたダンジョンから採取される高密度のエネルギー結晶体。


『イデアロジック(滑空)』


『金剛石の原石』


「ダンジョン核とイデアロジックと……金剛石の原石? 貰って良いの?」

「人は願いを申し出る時に賄賂を贈るモノだと学んだ。我賢い」


 確かに賢い……ずる賢い? 背後から『金剛石の原石だと!?』とか『オレはいつでも【絶壁】の味方だ』とか『反対意見はオルランドだけだな!』とか色々聞こえてくるので概ねキングWARビーの判断は間違っていないようだ。


「オレはな! 初めから反対する気なんて無かったんだよ! 一人でも反対する態度を見せた方が交渉は有利に働くと言うかだな……」


 目を泳がせたオルランドはこちらを見ている。


「交渉成立と言ったところかな? 早く娘を連れて帰ってね、あまり長居されても困るから」

「我了解した」


 キングWARビーはそれだけ言うと女王蜂ハニカムを丸ごと抱え残った羽で魔方陣へと向って飛んで行く。

 魔方陣が起動し、キングWARビーの姿が無くなると同時にへたり込む者が続出する、ボクももう帰りたい気分だ。


「誰かボクのスローライフを返して……」

「豆腐って何なん?」


 通常運転に戻ったルナが豆腐の事を気にしながら残った幼虫の頭をもいでいく、逞しいルナを尊敬の眼差しで見つめる皆。

 一矢報いたルナは満足したようで、落ちていたキングWARビーの羽もついでに回収していた。


「頼りになる冒険者達はさっさと残りの仕事を片付けるかな~」

「そうそう、頼りになるオレ達は巻き込まれたとか思ってないからな! ちょっとばかしの分け前をとか思ってないからな!」

「金剛石の原石は磨かないとそんなに価値は無いからな! オレは伝手があるとか言ってみるからな!」


 非常に現金な冒険者達……それで良いのか大人達!


「金剛石の原石はリトルエデンの者以外で分けてください、迷惑料みたいな物です」

「「「「「「ヒヤァッホー!」」」」」」


 話の流れでボクが貰った事になっている、特した気分だ。一応命を危険に晒したわけだし、その対価として金剛石の原石くらいは分けてあげても良いよね! こっちは丸儲けなので気にしない。


 三倍速で蜜の採取を始める冒険者達を眺め、ボクらは撤収の準備をするのだった……




久しぶりに更新、本編でなかなかステータスを確認する瞬間が来ない!


名前:彼方=田中=ラーズグリーズ(サント=ブリギッド)

種族:人間? 年齢:18 性別:女 属性:無・聖

職業:盾戦士・冶金士・儀式術士・魔物の王 位:次期辺境伯

称号:【絶壁】【魔王の嫁】 ギルドランク:E

クラン:小さな楽園

団結:クリスティナ様護衛隊 楽園の剣 楽園の盾


レベル:1001[282+18+701]☆☆☆☆

HP :1783/1783[500+282+1001+☆]

MP :1383/1383[100+282+1001+☆]


攻撃力:1[282+1+★]

魔撃力:1[282+★]

耐久力:298[282+20+☆]×2

抵抗力:☆[1+16+☆]×2

筋力 :1001[282+18+701+★]

魔力 :1001[282+18+701+★]

体力 :1001[282+18+701+★]

敏捷 :1001[282+18+701+★]

器用 :1001[282+18+701+★]

運  :LUCKY[1+10+☆]×2

カルマ:42[45×2]


SES盗×

:【無垢なる混沌】【創世神の寵愛☆】【原初精霊の加護:土】

;【停止飛行】【創世神の呪★】【才能開花】

UNS盗×

:【魔力の源泉】【舞盾】【祈雨】

EXS盗×

:【眷属化】【冶金】【第六感】【物理耐性】【魔道具作成】

スキル盗×

:【生活魔法】【治療D】【解体D】【脱兎】【耐性:熱F毒E】

:【解毒F】【精神強化E】【気配感知E】 【危機感知E】

Aスキル盗×

:【スピアスタブ】【シールドチャージ】【簡易儀式魔方陣】

:【分解】【テイム】【超硬化】



装備品

武器  :黒鉄杉の槍棒150cm[攻+1]

盾   :魔盾スヴェル[耐+5抵+5]【氷化結界】

盾2  :玄武の盾[耐+3抵+1]【自己修復E】【反射E】

兜   :フェイクラビッツの帽子[耐+3抵抗+3]【自己修復E】

仮面  :特殊防弾ガラスの眼鏡[耐+1抵+1]【簡易鑑定】【光量調整】

服   :天使御用達の服[耐+1抵+1]【浄化S】【自己修復S】

鎧   :トロール皮のベスト[耐+2]【自己修復F】

腕   :スマホ[耐+1抵+1]【簡易アイテムボックス+5】【発展】【解析】【提携】【子機】

腕2  :円卓の腕輪[耐+1]【部隊作成】

腕   :エアコンのリモコン[耐+1抵+1]【空気調和】

靴   :フェイクラビッツの靴[耐+3抵+3]【自己修復E】

その他 :夜を背負った様な漆黒色の羽根[成長×2]【追跡者】

    :全てを覆い尽くすような漆黒色の羽根[運×2]【黄金率】+-0

    :魔王の花嫁[耐×2]【永遠の誓い】

    :魔王の首輪[抵×2]【意思疎通】

    :VBリング10個[運+10]【心体再生】

    :ドッペルリング[業×2]【写し身】



 ――∵――∴――∵――∴――∵―― 



名前:ルナ=フェンリル(彼方=田中=ラーズグリーズの眷属)

種族:猫・魔狼獣人 年齢:13 性別:女 属性:無

職業:狩人・守護獣 位:無し 称号:【生存者】【番犬】 ギルドランク:F

クラン:小さな楽園


レベル:31[18+13]☆

HP :258/258[200+27+31]

MP :40/40[9+31]


攻撃力:27[27]

魔撃力:9[9]

耐久力:36[27+9]

抵抗力:7[7]

筋力 :40[27+13]

魔力 :22[9+13]

体力 :40[27+13]

敏捷 :40[27+13]

器用 :22[9+13]

運  :NORMAL[0]

カルマ:124[493]


SES

:【尻尾の気持】

UNS

:【紅の瞳】

EXS

:【眷属化】【生存本能】【第六感】【罠操作】

スキル

:【血脈F】【生存の心得S】【鋭敏聴覚S】【鋭敏嗅覚S】

:【鋭敏視覚D】【鋭敏味覚D】【鋭敏触覚D】

:【気配感知S】【危機感知S】【視線感知S】【隠蔽S】

:【再生F】【耐性:毒F病F】【生活魔法】【脱兎】

:【治療F】

Aスキル

:【スピアスタブ】【蜂の一刺し】【ヴォーパルストライク】

:【シールドチャージ改】



 ――∵――∴――∵――∴――∵―― 



名前:メアリー(彼方=田中=ラーズグリーズの眷属)

種族:狼獣人 年齢:13 性別:女 属性:無

職業:狩人・商人星 位:無し 称号:無し ギルドランク:E

クラン:小さな楽園


レベル:25[12+13]☆

HP :237/237[200+12+25]

MP :26/26[1+25]


攻撃力:19[18+1]

魔撃力:1[1]

耐久力:21[12+9]

抵抗力:7[1+6]

筋力 :31[18+13]

魔力 :14[1+13]

体力 :25[12+13]

敏捷 :25[12+13]

器用 :25[12+13]

運  :NORMAL[1]

カルマ:77[186]


UNS

:【戦略思考】

EXS

:無し

スキル

:【生活魔法】【肉体強化F】【気配感知F】

:【鋭敏視覚F】【鋭敏嗅覚F】【鋭敏聴覚F】

:【暗視F】【脱兎】【耐毒F】【治療F】

Aスキル

【パワースラッシュ】【シールドチャージ】



 ――∵――∴――∵――∴――∵―― 



名前:アンナ(彼方=田中=ラーズグリーズの眷属)

種族:人間 年齢:13 性別:女 属性:無

職業:狩人・ロイヤルガード 位:無し 称号:【番人】 ギルドランク:F

クラン:小さな楽園



レベル:27[14+13]☆

HP :248/248[200+21+27]

MP :28/28[1+27]


攻撃力:16[14+2]

魔撃力:1[1]

耐久力:27[21+6]

抵抗力:4[3+1]

筋力 :27[14+13]

魔力 :14[1+13]

体力 :34[21+13]

敏捷 :27[14+13]

器用 :34[21+13]

運  :NORMAL[3]

カルマ:317[321]


UNS

:無し

EXS

:無し

スキル

:【生存の心得E】【鋭敏聴覚F】【鋭敏嗅覚F】

:【鋭敏視覚F】【鋭敏味覚F】【鋭敏触覚F】

:【気配感知F】【危機感知F】【視線感知F】【隠蔽F】

:【生活魔法】【治療F】【農業】

Aスキル

:【シールドチャージ】


時々増えていきます!

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