『灰』とは
緋雫がハイネとの電話を切ると常磐がニタニタしながら話しかけてくる。
「ヒヒヒ、ハイネ達の事、やっぱり切るンだー?」
「えぇ、ワタクシ達の裏の顔を知っている方は少ない方が良いですし♡それに……」
「……あぁ。『灰』だから、ネー?」
「えぇ……。減らしておいた方が良いと思うんです」
『灰』。それが何なのかは緋雫も常磐も未だに知らない。常磐の『分析』を以てしても解明されない謎。常磐が能力を『灰』に使用するとただただ『灰』の文字のみが分析結果として表示されてしまう。
名字に『灰』を冠し、且つ能力を持つ人物は総じてそうなる。他の能力者とは異なる異質な存在なのか?この事は緋雫、常磐、浅葱の三人しか知らない。
今年の新人の灰川も『灰』であり、『灰燼』の真偽は常磐には判別出来ていない。故にチームを作らせた。何か有れば他の三人が灰川を止められるように、と。
浅葱は珈琲を啜りながら何も発さず、淡々と緋雫を網膜に焼き付けていた。珈琲の味が数倍に跳ね上がるとそばかすの運転手に話をした事もあったが普通に引かれた。
緋雫は考えるように顎に手をやると口を開く。
「ワタクシ達は物心がついた時から既に扱えていたかのように能力を知っていて行使出来ます……。『灰』の方達がもしワタクシ達以上の何かを知っているとするならば……」
「でもサー?リスク、高過ぎるよねー?灰……灰川クンか。期待の新人にも『灰』は居るけれどカレの言葉を全て信じるのも、『灰』について探りを入れる事で何かが目覚めるのも、何方にせよ……サ?」
「なので、取り敢えず様子見として『灰』であるハイネとハイド姉弟には退場して貰おうかと♡他の能力者と明確な違いが有るとするなら分かるかもしれませんし……♡」
「……あー。灰川クン達をぶつける、と?」
「流石です緋雫様!!」
突然浅葱が大声出すから常磐が肩をビクッと震わせた。
「ふふ、ありがとう浅葱♡」
今や警察の全てを握っている緋雫達三人は誰一人として殺人を躊躇しない。三人の空間は、恐ろしい計画の話をしているとは思えない程に和やかな時間が過ぎていた……。
設定
『灰』
緋雫達三人が一番警戒している存在。名字に『灰』が付く能力者達。ハイドが『火葬』で有る事以外は確たる情報を持っていない。灰川が『灰燼』なのかは対ハイネ・ハイド姉弟戦で見極めようと画策している。海外の能力者にも同等の存在が居るのかについても未だに不明。




