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婚約破棄された公爵令嬢、前線に送られる【淑女には向かない職業】  作者: karon


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捕らえられた魂

 いったい何が起きたんだろう。

 私はいつの間にか来ていた場所を見回した。

『お前は役目を果たした』

 不意に頭に響いてきた声。

 私は周囲を見回す。すべてが真っ暗な場所。私はいったいどうしたんだろう。

 覚えているのは紅茶を差し出したその手。お茶を飲んだとたん意識がもうろうとして。

 私は自分の身体を抱きしめようとした。

 だけど何の感触もない。

「いったいどうしたの」

 叫んだはずだ。何も聞こえない。

『我が僕の祈りにて呼び寄せたお前。再びその日が来るまで眠るがいい』

 何が何だかわからない。ねえ、私のティアラはどこ?えりすぐりの宝石を集めて作られるはずだった。ずっと楽しみにしてたのに。

 私のドレスはどこ?たくさんたくさん集めたの。私のもの、私の宝石返して返して返して。

「どうして何も見えないの」

 私に伝わるのは誰とも知れない声だけ。

 私はどうなっているの。真っ暗真っ暗真っ暗。

『この先再び役目が来るまでお前はそこにいればいい』

 いや、出してここから解放して。あそこに戻してあの優しい場所に。

 不意に何かがはじけた。

 先ほどまでの気配が消える。

 何が起きたの? 私はどうな……


「こういうのは先手必勝というらしいわ」

 街から少しだけ離れた場所に数人の魔法使いが集っていた。

 敵国ではあるが。それほど気にしていない。魔法使いたちが狙っていたのはただ一つ。

「成功したぞ」

 魔法使いが集まって落雷を神殿に落とした。

「できるだけ自然現象に見せなければな」

「攻撃だと気取られてはならない」

 魔法使いは口々にそう言うと用意していた魔方陣を取り壊す。

 証拠隠滅を終えて魔法使いたちはそそくさとその場を立ち去る。

 神殿は落雷による火災で消滅した。


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